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非常用電源車に注目集まる! 災害大国ニッポンで活躍するクルマ選びとは

非常時の電源供給施設としてクルマを使う

 台風15号が上陸した千葉県を中心に、停電の影響でコンビニエンスストアの休業が相次いでます。システム回線が断線していなければ、停電後も数時間はレジが稼働できるよう、ファミリーマートは、来年2月末の完了を目指し、各地の営業所に非常用の発電機やハイブリッド車両の配備を進めていた最中と報道されていました。

 事実、2018年の北海道胆振東部地震の時には、北海道札幌市に本社を置く「セイコーマート」は、停電時にクルマを使って最低限の電源を確保すしたことで95%の店舗営業を実施。コンビニチェーン店は停電でレジが使えず、休業したところが多いなかでのことでしたので、多くの道民に賞賛されて話題となりました。

 クルマでは普通のガソリン車ならば、シガーソケットにインバーターを繋げばパソコンやスマホなどの充電が可能。アウトドアや防災で活躍する「DC-ACインバーター」は、軽量・コンパクトの手のひらサイズで持ち運びや置き場所にも困らないので、車内にひとつあると便利でしょう。

 ただし、インバーターを使った100V電源で使用できる電気機器はかなり限定的。家庭用電源としてはあまり役に立たないため、電子レンジ、ホットプレートなどを使うならば100V(1500W)コンセントを装備するクルマが必要です。最近は自動車メーカーから登場したり、オプションとして装備できたりしますから、次回の乗り換えの時には選択肢に入れたほうがいいかもしれません。

 そんな意味で停電に強いクルマといえば、AC100Vコンセントを備える三菱のアウトランダーPHEVや、トヨタ・プリウスPHVなど(メーカーオプション)。これらはハイブリッドカー(HV)に外部充電機能を備え、電気(EV)だけで走れるエコカーのことで、ガソリンを使って発電し続けることができます。停電時にEV車を充電することは難しいですが、ガソリンならば比較的容易に手に入れることができるので、燃料がある限り長期間に渡って発電が可能となります。

話題のe-POWERもガソリンエンジンで発電可

 そして、日産のノートやセレナといった”e-power”もガソリンを使って発電可能。ただし、AC100Vコンセントが装備されてないので、普通のガソリン車のようにシガーソケットにDC-ACインバーターを繋ぐ格好になります。ちなみに新型セレナe-POWERでは、オプションでコンセントを使えるマルチアウトレットを用意していますが、最大出力100Wまでとインバーターを使ってコンセントを使うのと大差ないので微妙と言えるでしょう。

 また、ホンダのステップワゴンやトヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイアのハイブリッド車ではAC100Vのコンセント装備。1500Wまで供給できるため家電製品が使えたり、アウトドアでも使えるので楽しみが広がるはずです。

 今回のような長期停電になった場合、100V/1500Wコンセント有りのクルマは大きな力となるでしょう。エンジンをかけたままになりますが、コードリールで家庭内に電源を引っ張っていくことも現実的です。

 完全に停電し、建物が被災してディーゼル発電機による予備電力も満足に動作しない状況では、たとえ100V電源であっても、あると無いとでは大違い。地震や台風などの災害や震災の多い日本ならではのクルマの選び方があるかもしれません。

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