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NASCARトラック・シリーズ第19戦 服部茂章氏率いるチーム「HRE」が今季3勝目をマーク

プレイオフ第2ラウンド進出を決定した優勝

 アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」。唯一の日本人オーナーチーム、服部茂章氏率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、ピックアップトラックで競われる全23戦の「2019NASCAR Gander OutdoorsTruck」シリーズ(トラック・シリーズ)にトヨタ・タンドラで参戦。第19戦はネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われた。

 すでに第17戦からプレイオフの第1ステージに突入しているトラック・シリーズ。プレイオフ第1ステージ最後となる第19戦「World of Westgate 200」は、ネバダ州ラスベガスにあるラスベガス・モーター・スピードウェイで開催。このサーキットはラスベガスの市街地にある1周1.5マイル(約2.4km)のインターミディエイト・オーバル。

 第19戦は、第1ステージ30周、第2ステージ30周、最終ステージ74周の計134周(約322 km)で競い合うこととなる。ちなみにプレイオフ進出ドライバーの中で6番手までに入っていなければ、この後に続くプレイオフ第2ステージ進出の権利はない。

 9月13日(金)のワンデーイベントとなった今回の第19戦。HREの16号車「GUNMA TOYOPET TOYOTA TUNDRA」はその名の通り、群馬県前橋市に本社を置く群馬トヨペットがメインスポンサーとなり、同社から2名がNASCARメカニック研修に参加しレースにも帯同している。

 朝のフリー走行では、セットを確認しながらトップと0.37秒差の13番手のタイムで終了。そして午後に行われた予選でも、各車のタイムは非常に拮抗しており、トップから10位までが0.2秒差に収まっているという中、16号車を駆るオースティン・ヒル選手はトップから0.15秒遅れの7番グリッドを獲得した。

 午後6時に決勝のグリーンフラッグが振られた。ヒル選手は5周目には5番手にまで順位アップするなど安定した走りを見せ、17周目にはトップ。しかしマシンの水温が上がり始めたこともあって、一旦ペースを落として3番手をキープして第1ステージを終了。ここでピットインした16号車に、フロントグリル開口部による水温調整と右側2本のタイヤ交換のみを行ってチームはヒル選手をコースに戻す。第2ステージはトップからスタート。

 この第2ステージでは水温は安定し、ヒル選手も他の2車とトップ争いを展開。マシンは安定しており、第2ステージを2番手で終える。このステージコーションは、フルサービスのタイヤ交換4本、給油、空気圧とマシンの調整を行って、最終ステージを3番手からスタートした。

トラブルを克服してラストスパート

 しかし、ここで16号車はエンジンのミスファイアを繰り返し、この問題を抱えながらの走行でポジションは少しずつ後退し、75周目には11番手までポジションダウンしてしまう。その後はエンジンも復調し、6番手までポジションを復活させたところでイエローコーションとなり、16号車はここでピットイン。トップグループを走行するチームの多くが外側2本だけのタイヤ交換を行う中で、安全策をとってHREはあえて4本のタイヤを交換。18番手からリスタートした。

 ここからヒル選手は毎周ベストラップを更新するほどの驚異的な走りを見せ、102周目にはトップ5にまでポジションをあげ、毎ラップ追い抜きを繰り返し109周目には2番手まで順位を上げ、トップのすぐ後ろに迫っていく。そしてチェッカーまであと12周となった122周目、トップのマシンがが一瞬スライドした隙を見逃さずイン側からパスしトップを奪うと、そのまま後続車を引き離し、ヒル選手と16号車は今季3勝目を挙げた。

 プレイオフ第2ラウンド進出がかかった大事なレースを優勝という形で進出を決め、HREはシリーズポイント争いでも2位まで上昇した。残り4戦。昨年に続きシリーズチャンピオン連覇の夢はまたひとつ近づいた。続く第20戦は、10月12日(土)にバージニア州にあるタラデガ・スーパースピードウェイで開催の「Sugarlands Shine 250」となる。

 

 

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