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明日は我が身! プロが教える災害時に役立つ「正しい車中泊テクニック」

災害時に安心して車中泊をするために

 9月20~22日の3日間、千葉県・幕張メッセ国際展示場で開催された「カートラジャパン2019」。”クルマ×旅”をテーマにしたイベントで、車中泊を中心としたカートラベルの楽しさを提案するブースが数多く出展されました。

 近年は「レジャー」としてだけでなく「災害時」に役立つものとして注目を集める車中泊。折しも、千葉県に大きな被害をもたらした台風15号の影響で、長期間の車中泊を余儀なくされている方もいます。そんななかで心配されるのが、無理な姿勢で車中泊を行なうことで発症する「エコノミークラス症候群」です。

 そこで今回は、キャンピングカーライフ研究家の岩田一成氏に、災害時に安心して車中泊をするためのテクニックを紹介してもらいました。

 

床面はできる限りフラットに

 シートに座ったままでは、足が低い位置にあるため血流が悪くなるそうです。「座席をリクライニングさせた状態で寝るのは、エコノミークラス症候群の原因になります。できるだけ足を伸ばして寝られるように工夫してください」と岩田氏。そのためには、体を横にして寝られるように、床面をフラットにすることが大事だといいます。

「シートを倒してフルフラットにできるクルマは、そのようにしてください。でもシートには凹凸があるので、そのままでは快適に寝られません。へこんだ部分に座布団やタオル、クッションなどを敷いて、できるだけ段差をなくす工夫をするといいですね」。

 フラットにするのが難しいようなら、倒したシートの上に敷き布団を敷いてしまうのもオススメとのこと。また、シートをたたんで荷室を広げられるクルマなら、荷室のフロアにマットを敷いて寝るほうが快適に寝られるとのことです。

地面の傾斜にも注目しよう

 クルマを止める場所にも注意が必要だと岩田氏は言います。「寝るための床面がフラットになったとしても、駐車場所に傾斜があると、ぐっすりと寝ることができません。車内にいては地面の傾斜を感じにくいので、クルマから降りて歩いてみると、傾斜の有無がよくわかるはずです」。

 もし傾斜があった場合は、頭が下にならないように注意。頭は傾斜の上側がオススメです。

 どうしても頭が傾斜の下側になってしまう環境の場合は、マクラなどを活用してアタマが下がらないように工夫するといいでしょう。

 

すべての窓をふさいでおこう

「よく『ウチのクルマはスモークガラスだから、外からは見られないよ』という方がいらっしゃいますが、それは車内より車外が明るい場合のみ。夜になると、車内が少しでも明るければ中は丸見えです。そんな環境では、外が気になってよく寝られません。なるべくすべての窓をふさぐようにしたいですね」。

 サンシェードや車内カーテン、なければバスタオルを貼り付けるなどして目隠しをすれば、安眠できるようになると言います。また駐車した場所に街灯があっても、光を気にせず寝られます。

普段からアウトドアレジャー体験を

 何事も初めて体験することは戸惑ってしまうものです。ましてや災害ともなると、慌ててしまって、何をしていいのかもわからなくなってしまうでしょう。

「日ごろからキャンプや車中泊などのアウトドアレジャーを体験しておくと、万一のときにも慌てずに対処できます。日常からアウトドアレジャーを楽しんでいれば、キャンプ用品や車中泊グッズもそろえているわけですから、より快適に過ごすことができますよ」。

 例えば、バスタオルなどを駆使してシートをフラットにするより、車中泊用マットを持っていれば睡眠環境は劇的に向上可能。懐中電灯よりもLEDランタンのほうが車内を広く照らせます。

「キャンプ用品や車中泊グッズは、優れた防災グッズになります。家庭で使えるモノもありますので、楽しみながら少しずつそろえておくことをおすすめします」。

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