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「軽自動車キャンピングカー」に高級路線ブーム! 500万円超級から畳敷き仕様まで最新の軽キャンパー事情

ルーフテントなど快適装備にも注目!

 依然人気が高い軽自動車ベースのキャンピングカー、いわゆる「軽キャンパー」だが、最近人気のトレンドは高級化や本格的な装備だ。ジャパンキャンピングカーショー2020(1月31日〜2月2日・幕張メッセ)に展示された数多くのキャンピングカーの中から、500万円超えの本格モデルや豪華な畳敷き仕様など、注目の軽キャンパーをピックアップする。

本格派モーターホーム仕様

 まず紹介するのは、フィールドライフが製作した「Balocco(バロッコ)」。軽トラックの「ダイハツ・ハイゼットトラック」をベースに、荷台部分にキャビンを架装したキャブコンバージョン仕様だ。
 「軽キャンピングカーで本格的モーターホームを」というコンセプトで作られたこのクルマ。ここでいう「モーターホーム」とは、アメリカなど海外の高級キャンピングカーの呼称で、まるで「走る家」のような豪華さを持つ事からそう呼ばれている。
 外装はカーキ色を配し、ブロックパターンタイヤなどでアウトドアのイメージを強調。注目なのはシックな色調のリビングだ。ブラウン生地のソファやウッド調のテーブル、壁には木目調の壁紙が貼られ、まるでグランピングで泊まる高級ロッジのような雰囲気。
 ウインドウにはアクリル製の二重窓が装備され防寒性や防音性なども抜群、キッチンやカセット式コンロ、冷蔵庫やテレビなども搭載することで、充実した快適性なども実現している。
 ポップアップ式のルーフテントは、大人2人の就寝スペースを確保。キャビンと合わせると合計4人の就寝が可能だ。また、破断や引張などに強く、100%UVカットのキャンバス生地は、通常の雨では浸水しない耐水圧1000mmで、高い実用性も誇っている。
 確かに、軽キャンパーとしてはかなり豪華だが、価格もこの仕様だと500万円を優に超える。この点について、フィールドライフの担当者はこう語る。
「ハイエースなどをベースとしたキャンピングカーも購入できる価格帯的なのですが、手軽に乗れるなどの理由でこちらを選ばれる方が意外と多いですね。あと、女性の方にも人気なのも、この車両の特徴です。今回の展示車は男性向けにカーキ色にしていますが、外装色や内装の壁紙などはお客様の好みで変えられますので(オプション)、女性向けにカラーコーディネイトすることも可能です」。
 軽自動車がベースであれば運転も楽で高齢者や女性でも気軽に乗れる、しかも海外製の高級モーターホームが持つゴージャスな雰囲気を楽しめると言う点が、このクルマが支持される大きな理由のようだ。

和紙製の畳フロアやエアコンなどの豪華装備

 ほかにも、今回のショーに展示された軽キャンパーで特に目に付いたのは、より豪華さや快適さを追求した装備が多かったことだ。
 たとえば、カーショップ・スリーセブンが製作したスズキ・エブリイがベースの「mocⅡ pop up(モックⅡポップアップ)」は、車内のフロアを畳敷き仕様にしている。しかも、この畳は職人が手作りした和紙製。一般的ない草で作られた畳よりも、ダニやカビが発生しにくく、擦れなどにも強い高級畳だ。
 同モデルには、フローリングタイプも選べるが、購入者が選ぶのはスリーセブンの担当者いわく「圧倒的に畳」の方だという。和紙畳の和風な雰囲気と、手入れがしやすく耐久性が高いことが、その人気の理由のようだ。

 ルーフテントを装備した車両が目立ったのも今回の特徴。前述のスリーセブン製作のエブリイのほかにも、会場には数多くのルーフテント仕様の軽キャンパーが展示された。それらの多くは、ポップアップ式で設営が楽で、大人2人が寝られるスペースを確保しており、実用性と居住性を確保。この点が、小さい子供がいるファミリー層にも人気を得ている理由のようだ。

 ほかにも注目だったのは、マリナRVが製作したスズキ・エブリイ ワゴンがベースの「キャビンIIミニ ワゴン」。 この車両は、近年キャンピングカーへの需要が多いソーラーパネルを、ルーフボックスの上部に装備しているのが特徴。積載性と安定した電力確保を両立している。

 また、同じくマリナRV製作のエブリイ バンをベースとした「キャビンⅡミニ Plus アルファ」では、やはりソーラーパネルを装備することで、車内後部に犬用のエアコンを搭載(オプション)できるようにした。

 夏の炎天下の駐車場などで、車内に犬を入れたまま徒歩で行楽などに出かける際も、大切な愛犬が脱水症状などにならないような配慮がなされている。

 このように、近年の軽キャンパーの装備は、人へはもちろん、家族にとって大切なペットに至るまで、より豪華で快適性を追求したものになってきている。これらは、いずれも従来の「安く手軽」だが、どうしても「本格的キャンピングカーの装備には叶わない」といった軽キャンパーのイメージを払拭するものだ。

 今後、どんな工夫やアイデアが盛り込まれた装備や車両が出てくるのか、非常に興味深い。

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