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旅道具だけではなく防災シェルターにも!「キャンピングトレーラー」の意外なる多様性とは

日常生活での利便性が高まる

 いま、ブームとなっているキャンピングカーにはさまざまなタイプが存在する。軽自動車をベースとした「軽キャンパー」や、ハイエースなどのバンを架装した「バンコン」、小型トラックベースの「キャブコン」など、人数や使い方によってベストな1台をみつけることができる。そのひとつに「キャンピングトレーラー」という種類があるものの、キャンピングカーに比べて日本国内では見かけることは少ない。しかし、知れば知るほど意外な魅力があるのだ。

 まず、キャンピングトレーラーとは、自動車で牽引するタイプのキャンピングカーのこと。当然ながらエンジンや運転席はなく、居住スペースのみというのが他のタイプとは異なる点だ。今回、そんなキャンピングトレーラーについて専門店の「インディアナ・RV」の担当者に話を伺った。

維持費や車両代がリーズナブル

「まず、はじめにエンジンを搭載しないぶん車両本体価格がお手頃なのが特徴ですね。200万円代で購入可能で、架装に関してもキッチンや寝室などに特化できるため居住空間が広いのも魅力。また、自動車税は軽自動車よりも安く(1万200円/年間)、重量税も8200円(2年ごと)、自賠責保険についても5010円(2年ごと)と、維持費が低いのもポイントですね」。

 このようにキャブコンに比べて車体価格は3分の1程度であり、ランニングコストも4分の1程度。加えてオイルやベルト交換といったメンテナンスも不要であり、あるとしてもタイヤの摩耗と空気圧のチェックくらいと考えれば、購入費+維持費の差はもっと広がるワケだ。

使用頻度を考えて割り切るという発想

「キャンピングカーといえば車中泊ですが、実際に使用するのは年に数回程度だと思います。愛車を別に所有している人は問題ないですが、トラックベースのキャブコンや積載量が大きいバンコンを日常の足として利用する人は、その乗り心地や取り回しの悪さに苦労するかもしれません。もちろん、トレーラーは愛車と繋げたり切り離す必要はありますが、使用頻度や日常の使い勝手を考慮すれば選択肢のひとつになると思いますね」。

 なるほど、ふだんは取り回し性能の良い愛車でお買い物。たまの休暇はキャンピングカーに変身可能と、シーンによってフレキシブルな使い方ができるのもキャンピングトレーラーの魅力なのかもしれない。

隠れ家や防災シェルターとして使える

「購入される人のなかには、車室内の広さから”もうひとつの部屋”として活用されています。当然ながら設置工事は必要なく、固定資産税もかからないので、家の一部として考えてもランニングコストが安く済むわけですね。車中泊として使用しない時は、ご主人の書斎や奥様の趣味部屋、子供の遊び場といった有効活用をしていらっしゃいます」。

 停めておくスペースこそ必要なものの、キャンピングカー意外の使い方ができるのもトレーラーならではの美点。今回撮影した展示車両のようにAC100Vでエアコンも稼働できるし、断熱性にも優れるというので快適に過ごすことが可能なワケだ。また、ソーラーバッテリーやカセットガスを利用した冷蔵庫やガスコンロも使用できるなど、防災時のシャルターとして利用できるのもメリットと言えるだろう。

 

なぜ普及しない? 運転は難しい?

「国内でキャンピングトレーラーは”運転が難しい”というイメージがあると思いますが、欧州では通常のキャンピングカーより普及率は高く、日常的に街中で見かけることができます。そういった文化の違いはあるものの、道路事情はドイツやフランスなどと変わらないのも事実。”牽引走行は難しくてハードルが高い”印象も理解できますが、総重量750kg以下サイズのトレーラーならば”ハンドルの逆操作”さえ慣れると運転は簡単ですよ」。

 じつは、担当者が語ってくれた”総重量750kg以下”というのは牽引免許は必要なく、普通免許で運転可能。実際に運転した人の話を聞くと、思ったよりも簡単という声が多いのも事実なのだ。

 

 ちなみに、インディアナ・RVではカセットガスで作動する冷蔵庫やコンロ、灯油を使ったFFヒーターなど独自の装備を開発。普通免許で運転可能なキャンピングトレーラーから、7名の就寝を可能とした大型モデル(要牽引免許)まで、日本の使用環境に応じた扱いやすいトレーラーを豊富に扱っている。

 保管場所の問題(車庫証明不要なモータープール制度の利用も可能)や、トレーラーならではの運転操作の慣れといった悩みはあるものの、それ以上に多くの利便性や活用法があると考えると選択肢の一つに加えてもよいだろう。

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