バッテリー倍積みのマシンでパイクスの頂点を狙う
京都にあるGLMの本社テクニカルセンターで、東洋人初のFIAモンテカルロラリー優勝(2006年)の経験もある奴田原文雄選手が今年参戦する「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」のマシンの製作が進んでいる。
別名「レース・トゥ・クラウド(雲へ向かうレース)」と言われるほど標高が高く、ゴール近づくにつれて酸素が薄くなり、ゴール付近でのエンジン出力は30%近く低下するといわれているほど過酷なレースだ。
このレースに2012年、「#230 トヨタ・モータースポーツTMG EVP002」を駆り、EV(電気自動車)クラス優勝(総合6位/10分15秒380)も経験しているトップラリードライバーが奴田原文雄選手その人。2018年、2019年と同じ電気自動車である日産リーフで参戦をしていたが、今回はGLMのトミーカイラZZ(#230 2020年式 GLM Tommykaira ZZ)での参戦となった。
GLMではプラットフォーム事業と完成車事業という2つの事業を行っており、その完成車として発売している「トミーカイラZZ」は、名車トミーカイラZZをEVとして現代に蘇させるというコンセプトのもとに誕生した国産スポーツカーモデルで2015年に99台限定で発売もされている。
その車両はアルミニウムシャシーにFRP外装で「公道を走るレーシングカー」をコンセプトに、窓も屋根もない、操縦する楽しさを重視した超軽量オープン2シーターEVとなっている。最大出力305ps、搭載バッテリーは18kWhとなる。最高速度は180km/hで一充電当たりの航続距離は120kmとなる。