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ダイハツ・エッセだけのワンメイクレース! ジムカーナに林道アタック、サーキットトライアルもやる「ESSE CUP」の全容

軽自動車とは思えぬ軽快な走りを披露

 6月最後の日曜日、岐阜県恵那市にある恵那笠置山モーターパークで「ALL JAPAN ESSE CUP(AJEC)」の第1戦/第2戦が開催となった。AJECはその名の通り、ダイハツ・エッセを使用したワンメイク・シリーズだ。

 シリーズの概要だが、エッセをカテゴリーに分けて日本一を決めるというモータースポーツ競技。カテゴリーはジムカーナ、林道アタック、サーキットトライアルの3種類。これを1大会2ラウンド制で、各ラウンドのポイントでシリーズを争う、というもの。

 ダイハツ・エッセといえば、6代目ミラをベースとした5ドアハッチモデルで、2005年から2011年まで販売された。女性ユーザーをターゲットにしたシンプルでリーズナブルな実用車だが、軽量なボディ(車重は700kg)と、3気筒12バルブKF-VE型エンジン(最高出力58ps/最大トルク65Nm)との組み合わせで軽快な走りを見せ、今でも一部で人気のモデルである。 このAJECに、サスペンションキットや補強パーツ、ギヤ比変更チューニングなどを手掛けているエッセ専門店「くるま相談室(香川県高松市)」の山地潤也代表も選手としてに参戦していた。「エッセは車重が700kgと軽量で、エンジンパワーは軽自動車だから58馬力なんだけど、8100回転まで回るんですよ。実用エンジンでここまで回るエンジンはないですよ。最初から面白いクルマになる要素があるクルマだったんです。サスをちゃんとすればどこでも楽しめるってね」。

「あとは、ダイハツにはストーリアX4(クロスフォー)とかブーンX4といった国内ラリー選手権参戦のための車両がありましたが、それらのクロスレシオのギヤも流用できるので、比較的低価格で本格的な仕様にすることができる。他にもなかなか壊れないとか、中古部品の調達も楽だったりしてね、少しイジれば走りや乗り味のレベルが飛躍的に向上するんです。まさに財布にやさしく間口の広い、モータースポーツにぴったりの一台」とエッセの魅力を語る。

 話は戻りAJECカップ。今回この開幕戦に元全日本ダートトライアルチャンピオンである、三枝光博選手をはじめとする15名がエントリー(ダブルエントリーもあったので参加台数は11台)。

 AJECの会場となった恵那笠置山モーターパークは、グリーンピア恵那跡地の有効活用として使用されている場所で、オートテストやジムカーナなどの走行イベントが開催されている。このAJECも開幕戦と第2戦がジムカーナ・カテゴリということで、この場所での開催となった。2回の練習フリー走行の後、2本を走行してその計測2本のうちのベストタイムで順位を決めることとなる。

少しのミスがタイムに影響を及ぼす

 早朝まで残っていた雨の影響で、ブリーフィング、既定のコースを確認する完熟歩行までは雨に降られたものの、その後は急速に天気は回復していき、第1戦第2戦ともに好天の下での競技となった。午前中に行われた第1戦では、1本目に14号車(水色)が1分0秒862のベストタイムでトップに浮上。1本目の2番手タイムは1分3秒292の11号車(グリーン)なのでダントツの速さ。

 続く2本目でも14号車は1分1秒495とタイムアップは果たせなかったものの、その1本目のタイムを上回る車両は他にはおらず、開幕戦の優勝を決めた。2位に入ったのは、今回ダブルエントリーで行徳聡選手のエッセを借りて参戦の9号車(紫/1分02秒921)。1本目から1秒以上タイムを縮めて表彰台を獲得した。「クルマの仕上がりが良かった」という。

 3位に入ったのは、1本目に2番手につけていた11号車。2本目は1秒ほどタイムアップしたもののパイロンタッチがあったため5秒加算で1分07秒271のタイムとなってしまい3位に入った。

 路面が完全にドライとなった午後に再び開催となった第2戦は、コースに変更が加えられ、よりテクニカルなコース設定となった。ここで、第1戦優勝を飾った14号車が1本目でミスコースを犯し、時に車両がバランスを崩し横転寸前になるなどヒートアップ。

 1本目にトップに立ったのは安部選手(58秒351)。これに59秒672で武藤功二選手(#10 BRIG K’sレンタカーエッセ)、1分0秒082で河合選手という暫定の順位となった。

 そして2本目では5名の選手が1分切りを決め、この2本目のタイムで第2戦の上位5名が決定した。優勝は、1本目のタイムをさらに縮めた11号車(57秒721)。2位には急きょタイヤを友人から借りて出走した14号車(59秒145)、3位には今回トリプルエントリーとなった車両に相乗りする形で参戦となった10号車(59秒343)が入った。

 第1戦と第2戦に優勝した両名は、エッセで一緒にモータースポーツを楽しむ仲。今回のエッセカップへは仲間内4台で参戦。2戦とも優勝を決めたが、本当は「表彰台を独占したかった」と悔しそう。

 AJECは、この後、10月10日(土)に長野県内での林道アタックとなる第3戦及び第4戦、そして11月28日(日)に三重県鈴鹿市にあるモーターランド鈴鹿でサーキットトライアルとなる第5戦及び第6戦を開催の予定だ。

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