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「HRE」16号車トップ争いの中での接触で残念な12位フィニッシュ【NASCARトラックシリーズ】

HREチームはポイントランキングトップをキープ

 服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、アメリカでもっとも人気のあるNASCAR(ナスカー)で唯一の日本人オーナーチーム。今季もその3大シリーズのひとつ、「GANDAR RV&OUTDOORS TRUCKSERIES(トラックシリーズ)」に参戦し、現在シリーズランキングトップを快走している有力チームである。

 このナスカー・トラックシリーズも、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、しばらくレースの開催を中断していたが、5月の第3戦から無観客で、練習走行や予選セッションのない決勝レースだけを行うという、これまでとは異なるレースフォーマットでレースを開催している。そして、現地時間8月7日(金)、その第11戦「Henry  Ford  Health  System  200」が、アメリカ・ミシガン州にあるミシガン・インターナショナル・スピードウェイで、開催された。

 このミシガン戦は、1周2マイルの比較的バンク角の深いオーバルコースでハイ・スピードバトルが繰り広げられるトラック。HREチームにとっては20118-2019年と2連覇しているコースだけにこの一戦も勝利への期待が大きなレースであった。

 今回のレースは、100周(第1ステージ20周、第2ステージ20周、最終ステージ60周)で行われるレース。決勝グリッドは、シリーズランキングトップ10によるクジ引きで上位10グリッドは決定されるが、今回TRDのカラーリングが施されたHREの#16 TRD United Rentals TOYOTA TUNDRAは5番グリッドからのスタートとなった。

 予定通り8月7日(金)午後6時に決勝レースはスタート。16号車は序盤からハンドリングに苦しむ展開で、第1ステージを7位で終える。HREチームスタッフは、このステージブレイクで、給油と4本のタイヤ交換と同時に車両に調整を加えるピット作業を行った。第2ステージを20番手からスタートすることとなったが、ここから16号車を駆るオースティン・ヒル選手は追い上げを見せ、28周目には9番手までポジションを挽回。さらに一進一退の攻防を重ねながら37周目に7番手に順位を上げて第2ステージのチェッカーを受ける。

 そして残る最終ステージに向け、このステージブレイクでチームは給油とタイヤ4本交換を素早い作業で終え、16号車を2番手でコースに復帰させた。残り53周の最終ステージのリスタートでは、ヒル選手は一気にトップへ浮上。しかしこの最終ステージは荒れた展開となり、イエローコーションが何度も出される展開となる。

 レースを走りきるための最後のピット作業をどこで行うか、という作戦を各チームが探る中、57周目に出されたイエローコーションで、上位チームがこぞって給油のためにピットイン。HREチームも16号車をここでピットに戻しタイヤ交換と最後の給油を行ってコースに戻す。ここでコース上にとどまった車両もあったことから、16号車は8番手からリスタートを待つこととなった。

 このリスタート、さらにはその直後に出されたイエロー明けのリスタートでも見事なスタートを決めたヒル選手は81周目には16号車の順位を4番手にまで上げる。しかし、その後もイエローコーションが多発し、チェッカー前の99周目にまたしてもイエローコーションが出され、そのままレッドフラッグの掲示でレースはいったん中断となってしまった。

 ここからはオーバータイムとなり、レースは107周目のチェッカーへと変わる。105周目にグリーンフラッグが振られ、ヒル選手はここで絶好のスタートを見せトップの イン側に並びかけるも、トップを行く車両の幅寄せに遭ってマシンは接触。トップが巻き込む形で2番手と16号車の3台がもつれ合うようにしてイン側に。ヒル選手はここで何とかマシンをコントロールしてスピンは避けたものの順位を大きく落としてしまい、12位でチェッカーを受けた。

 チームのミシガン戦3連覇は達成できなかったものの、きっちりとポイントを残し、シリーズランキングトップはキープしている。続くトラックシリーズ第12戦は8月16日(日)にフロリダ州にあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのロードコースで行われる。

 

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