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日本人オーナーチーム「服部レーシング」のスープラ61号車 シーズン最終戦は残念ながらリタイア【エクスフィニティシリーズ第31戦】

マシントラブルを抱えながらの走行で粘り続けたものの……

 アメリカの人気レースシリーズ「NASCAR(ナスカー)」で唯一の日本人オーナーチームとなる「Hattori Racing Enterprises(HRE/代表は服部茂章氏)」は、昨年に引き続いて今シーズンもナスカーの3大シリーズのひとつである「Xfinity SERIES(エクスフィニティ・シリーズ)」のスポット参戦を続けている。

 第27戦から5戦連続での参戦となるシリーズ第31戦「O’Reilly Auto Parts 300」は、10月24日(土)、テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイを舞台に開催となった。1周1.5マイルのクワッド・オーバルコース。24度という極めて深いバンク角を持つコーナーのため、最高速度は320km/h超える超高速トラックである。 新型コロナウイルスの影響で、ナスカーでは練習走行も予選セッションも行わず、決勝レースのみを行うレースフォーマットかつ無観客試合で開催している。このエクスフィニティ・シリーズも同様で、HREの「#61 AISIN GROUP TOYOTA GR SUPRA」は、抽選で14番グリッドからのスタートとなった。このテキサスのコース、200周で行われるレースは第1ステージ、第2ステージがともに45周、最終ステージは110周の3ステージ制をとっている。 10月24日(土)午後4時半にグリーンフラッグが振られレースはスタート。HRE61号車を駆るオースティン・ヒル選手は、このフラッグのタイミングに合わせすぐに13番手にアップするものの、不安定な車両バランスに苦しみ、8周目には逆に18番手に落ちてしまう。序盤に起きた2度目のイエローコーションでHREチームは61号車をピットに戻し、車両の調整を重ねた。

 その時のセッティング変更が功を奏し、若干だがバランスが安定、61号車はいったん落ちた順位を19番手にまで戻して第1ステージのチェッカーを受けた。直前のイエローコーション時に既に給油とタイヤ交換を終えていたヒル選手は、このステージブレイクでピット作業をスキップすることも考えられたが、さらなるバランス改善を狙ってピットインを指示。セッティング変更だけでコースに戻り、14番手から第2ステージのリスタートを待つこととなった。 マシンのスピードも上がり、ここから追い上げを目指していこうとしていた矢先の57周目、61号車の左リアタイヤが突如バースト。ヒル選手は暴れる車両を何とかコントロールをしてクラッシュを避け、ピットに61号車を戻すことに成功。チームは給油とタイヤ交換と同時にマシンチェックをしてコースに復帰させたものの、61号車はコーナーに入るたびに左リアタイヤから白煙が上がるという不安定な状況。チームは再びヒル選手をピットに呼び戻し、マシンに出来る限りの応急処置を施した。コースに戻ると61号車はそこから安定して走行を続け、第2ステージを走り切る。 そして残り102周の最終ステージがスタートすると61号車はトップグループと同じタイムを刻みながら追い上げを開始、順調にポジションを上げて行くが、再びターン4の立ち上がりで再び左リアタイヤから白煙が上がり始め、またマシンは不安定な状況に戻ってしまう。チームはドライバーの安全を考えて再びピットにマシンを戻し修復を試みるが、左リアのサスペンションを取り付けているシャーシ側にクラックが入り、パーツが干渉していることが発覚した。 スタートからトラブルを抱えたマシンを何とか調整して上位入賞を狙っていたHREだが、ここで止む無くマシンをガレージに戻し、61号車は107周、33位でレースを終えることとなった。HREの2020年シーズンのエクスフィニティ・シリーズへのスポット参戦はこれにて終了となった。

「スポットで参戦しているエクスフィニティ・シリーズですが、今年はコロナの影響で練習走行と予選もない、とてもイレギュラーなスケジュールになり、今までのデータのないチームには、とても厳しい戦いになりました。その中でも後半戦からは優勝争いに加われるようになり、上位クラスでも十分に戦える手応えを掴むことが出来ました。来シーズンはエクスフィニティ・シリーズでも常に優勝争いの出来るトップチーム作りを目指してこれから全力を尽くしたいと思います。引き続き応援よろしくお願いいたします」とレース後、服部茂章代表はこのエクスフィニティ・シリーズ参戦の一年を振り返った。

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