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無念の終盤エンジンブロー   HRE16号車はタイトル奪回に及ばず!【NASCARトラックシリーズ 第22戦】

プレイオフ最終戦に進出できず  2年ぶりのタイトルの夢は潰える

 アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」で、服部茂章氏がチームオーナーを務め、ナスカーでは唯一の日本人オーナーチームとなる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」。このHREはピックアップトラックで競われる「NASCAR GANDER RV & OUTDOORS TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」を2018年に制しており、今シーズンも2年ぶりのタイトル獲得に向けて、挑戦を続けていた。 全23戦で行われるこのトラックシリーズは10月30日(金)、最終戦の一つ前となる、第22戦をバージニア州にあるマーティンズビル・スピードウェイで迎えた。HREの「#16 AISINGROUP TOYOTA TUNDRA」をドライブするオースティン・ヒル選手は、ここまでプレイオフ第2ラウンドに進出。この第2ラウンド最終戦となる第22戦でプレイオフ・ランキング4位以上をキープし、プレイオフ・ファイナルラウンドへ進出しシリーズチャンピオンを狙うこととなっている。 そのプレイオフ・ファイナルラウンドへの進出を掛けた第22戦「NASCAR Hall of Fame 200」を開催するマーティンズビルは、全長0.526マイル(約846m)のショート・オーバル。路面のアウト側はアスファルト、ターンのイン側だけコンクリートという複合路面のためセッティングが難しい。

 ターンのバンク角は12度とフラットに近く、ストレートとヘアピンを組み合わせたようなコースはその形状からペーパークリップの愛称で呼ばれている。シリーズ屈指のハードブレーキトラックであり、ターンでは右フロントタイヤに大きな加重がかかる。今回の第22戦では、第1ステージ50周・第2ステージ50周、最終ステージ100周の計200周で競うこととなる。 新型コロナウィルス感染拡大の影響で、ナスカーでは、無観客レースであり、練習走行も予選セッションもないレース・フォーマットのレースを開催しており、このトラックシリーズ第22戦も同様のフォーマットを採用。HRE16号車は、抽選で3番グリッドを獲得。上位集団からレースをスタートさせることとなった。

 決勝レース開始直後、ヒル選手はいつものスタートダッシュを見せるかと思われたが、タイヤのグリップ不足があっていったんは4番手に順位を落とす展開からレースはスタートした。その後タイヤが温まってきてスピードを取り戻した16号車だったが、今度は20周過ぎから原因不明のトラクション不足が発生、見る見るうちに順位を下げてしまう。 チームとしては車両をピットに戻してチェックをしたいところだが、1周19秒ほどで周回しているこのショートオーバルのコースでは、グリーンフラッグ下でのピット作業は取り返しのつかないラップ差になってしまうことから、ヒル選手は我慢の走行を続けることに。

レース序盤のマシン異変 ポイントゲットへ戦略変更

 その16号車、50周の第1ステージが終わったステージブレイクのピットインではマシンチェックと給油、4本のタイヤ交換をして第2ステージを22番手から迎えることとなった。続く第2ステージではスピードを取り戻した16号車は前車をパスしていくのだが、今度は70周目のバックストレートでマシンのスピードが極端に下がってしまう。HREチームはグリーン下のピットインを避けるため、ヒル選手にエンジン回転数を落としてスロー走行で周回を続けるように指示し、イエローコーションが出るのを待つが、やっとコーションが出た76周目には26番手までポジションを下げてしまった。 ピットではエンジンメーカーのエンジニア達が作業にあたり出来る限りの修復作業を試みる展開となった。ペースカーに先導されたスロー走行下においても周回遅れにならない為の作業時間は約90秒しかなく、周回遅れにならないようにピットアウトとピットインを繰り返しながらのエンジンの修復作業が行なわれた。しかし限られた時間内での作業では修復は出来ず、ヒル選手はレース再開で2ラップ遅れの29番手でコースに戻った。 エンジンメーカーからの報告では、エンジンの修復は不可能という判断だったが、HREは、スピードを下げてでも最後までレースを走り切ってポイントを稼ぎ、プレイオフ・トップ4に残る戦略へと切り替える。そして110周目、最終ステージのリスタートが切られると、16号車はスピードを抑えながらもポジションをキープして周回を続けた。

 しかし116周目のストレートエンドでエンジンルームから火花が上がる。ヒル選手は何とか自力でピットまでたどり着くも、その時点で走行不可能な状態となっており、無念のリタイヤとなってしまった。そして残念ながら僅かなポイント差でファイナルステージへの進出は叶わなかった。

 アリゾナ州フェニックスで行われた、11月6日(金)午後8時からの「Lucas Oil 150」が、今シーズン、トラックシリーズの最終戦となった。

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