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木曽御岳の一般公道をゼンカイ走行! 129台が参加した「全日本ヒルクライムフェスティバル」の中身

日本で唯一の公道を使用したヒルクライム

 11月7日(土)~8日(日)、日本で唯一の公道を使用したヒルクライム競技となる「ALL JAPAN HILL CLIMB FESTIVAL in 御岳 2020」が開催された。これは年間を通して開催している「BRIGヒルクライムチャレンジシリーズ」の最終戦を含むイベントで、フェスティバルというタイトルの通り、お祭り的な要素もある週末のイベントとなった。 当初は「ALL JAPAN HILL CLIMB FESTIBAL in王滝」として王滝村での開催を予定していたものの、例年と異なる今年はこれが実現せず、BRIGシリーズ戦で使用している長野県木曽町にある御岳ロープウェイ駐車場およびその取り付け道路を会場としての開催となった。ちなみに、BRIGヒルクライムチャレンジシリーズは、一般公道を占有する形で開催される日本国内でも珍しいイベント。ヒルクライムというタイトル通り、設定された登坂道路のコースを1台ずつタイムアタックし、そのタイムを競うもの。 また、年に一度のフェスティバルということで、今年も5回目の併催となる「5°ONTAKE SALITA(オンタケ・サリータ)」と題し、イタリア・フランス車を中心とした欧州車両のみのヒルクライムイベントも開催された。こちらは、欧州車販売のトゥルッコが主催するもので、サーキットやジムカーナといったトゥルッコが主催するさまざまなイベントの中でも年に唯一のヒルクライムイベントとなっており、リピートする参加者も多いという。

 会場変更のため、例年よりも規模は縮小せざるを得なかったものの、それでも新旧国内外合わせて129台もの車両がこのヒルクライムの場に集結した。 2日間の日程で開催だが、7日(土)にBRIGシリーズは最終戦となり、8日(日)はシリーズ終了している関係で、エキシビション的な要素が大きく、1年を通してのそれぞれの成長をここで見せるといった意味合いが強い。一方、サリータのほうは、土曜日に2本のレッキ、そして日曜日に2本のSSというスケジュールが組まれている。 コースは信州木曽御嶽山の7合目に上がる御岳ロープウェイ・鹿ノ瀬駅へのアクセス道路となる。「町道 鹿ノ瀬2号線」の鹿ノ瀬温泉前からロープウェイ駐車場までの通行止め区間がこのイベントに使用され、そのうちの約3.7kmが今回の計測区間となる。御岳ロープウェイの通常営業期間は6月末から11月上旬となっているが、この日はすでに道路閉鎖となっており、こののタイミングを使って行なわれた。ゴール地点の先のロープウェイ駐車場が参加車両のパドックとなる。 計測区間は片側1車線の細めの道路で、落ち枝や落ち葉はスタッフによって掃き出されているが、路面は必ずしもきれいとは言えず、ところどころにアンジュレーション(うねり)もある難しいコースだ。 土曜日は、朝からどんよりとした曇り空に覆われており、レッキの時点から時折パラパラと弱い雨が降ったりやんだりを繰り返していたが、本格的な降雨になる前に無事に競技は終了した。ただ、降雨の代わりに霧が発生し、視界が確保できないことから、BRIGシリーズ2本目のSSはコースを短縮しての実施となった。

 

GLM トミーカイラZZで奴田原文雄選手デモラン

変わって日曜日は、雲が多いものの、好天に恵まれた。前日の雨でより鮮やかに発色した黄葉の中を各車が快走し、また、コースサイドには観戦者も多数訪れ、晩秋の御岳を楽しんだ。 ヒルクライムイベントといえば、1916年から開催されている長い歴史を持ち、「雲に向かうレース」という愛称で親しまれているパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(米国 コロラド州で毎年独立記念日前後に開催)が世界的にも有名だが、この国内唯一のヒルクライムイベントに、そのパイクスピークに今年参戦を予定していたものの、新型コロナウィルス感染拡大の影響で参戦を断念したチーム「SAMURAI SPEED」のGLM トミーカイラZZ(ドライバーは奴田原文雄選手)も参加。他の競技車と同じようにSSを走行し、デモンストレーションランを披露した。 

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