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なぜ「ロードスター」なのか? ドラテク鍛錬車で「いの一番」に名前が挙がるワケ

ドライビングの正解・不正解をクルマが教えてくれる

 マツダ・ロードスターの魅力はたくさんあるが、ドラテク鍛錬車に最適という点では、ダントツナンバーワンの存在だろう。ではロードスターのどんなところが、ドラテク鍛錬車に向いている要素なのか。

 ロードスターは、ライトウエイトスポーツの王道なので、なんといっても車体が軽い。今どき、軽自動車以外で車両重量が1トン以下のクルマは貴重だし、軽いがゆえに「走る・止まる・曲がる」の運動性能がすべていい。

 そして前後の重量配分が50:50のFRというレイアウトも重要なストロングポイント。ドライバーの着座位置もほぼ車体の中央なので、とてもコントローラブルで操縦性が素直だ。ドライバーの操作通りに、アンダーステアやオーバーステアも出るので、ドライビングの正解・不正解をクルマが正直に教えてくれる。

 そして限界を超えてしまったとしても、挙動は穏やかで、急に破綻するようなことがないのもありがたい。これもドラテク鍛錬車にはとくに重要な要素。サスペンションストロークもたっぷりあるので、荷重のかけ方、抜き方、抜け方を勉強するのにもちょうどいい。

 もうひとつ、ロードスターのいいところは、セッティングやタイヤ、ターボや空力、電子制御などでパフォーマンスを”盛って”いないところ。

 つまり「整形」や「厚化粧」でごまかさず、「すっぴん」で勝負しているのが素晴らしい。 ロードスターの開発主査だった貴島孝雄氏は、「クルマが劣化したらニュートラルに戻る」という名言を残しているが、ロードスターは20年、30年経っても素直な操縦性が変わらない。 これも他のクルマにはない大きな強味だ。

 ちなみに現行モデルのND型でさえ、電子制御は最低限で、余計な介入が少ないのも、今のクルマとしてはは珍しい。

アフターパーツが豊富で消耗品に困らない

 エンジンは強力とはいえないが、スピードが速すぎないのもドラテク鍛錬車としてはメリットになる。またタイヤサイズも小さいし、ブレーキの負担も少なく、エンジンもNAなので、ランニングコストが安いのもロードスターならではの特徴。一般的なメンテナンスだけで、限りある予算を走ることに使えるのは大事な要素だ。

 さらに性能向上のためのアフターパーツが豊富で、消耗品にも困らないし、セッティングに関するノウハウをもったショップがたくさんある。

 原稿モデルのND系の新車は決して安いとはいえないが、NA(中古車流通価格33万円〜)、NB(中古車流通価格15万円〜)、NC(中古車流通価格34万円〜)の中古車は手に入りやすい価格で出回っているし、NDだって中古になれば高くはない(中古車流通価格145万円〜)※価格はすべて編集部調べ。これだけ条件が揃っているクルマは、国産、輸入車を含め、他にはちょっと見当たらない。

 ドラテクを一から学びたい人、基礎から学び直したい人にとって、ロードスター以上の教材はないといっていいだろう。

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