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わずか50万円で完成することも! 意外にある「自作キャンピングカー」の世界と成功のコツ5つ

この記事をまとめると

■完成形をイメージしたベース車選びが大事
■ブログや動画配信サイトで作業例の確認も有効
■仕様によっては構造変更なども必要に

キャンピングカーのDIYという選択

 緊急事態宣言が続く状況で巣篭りも苦痛になり、旅好きやアウトドア派の方は「“走るNO密空間”であるキャンピングカーなら、人のいないところまで行ってアウトドアを満喫できるのに……」と思うことがあるかもしれません。だからと言って即キャンピングカーを買うのか? となると「やっぱり高いしなあ……」と二の足をムニムニ踏んでしまいます。それなら自分で自作するか? との思いがコブラのように、かま首をニョッキリもたげてしまいます。そこで自作するとしたらどうなるか? シミュレーションしてみました。

1)ベース車両

 自作と言っても、専門のビルダーさんと違って立派な設備や技術、ノウハウがある訳でもないので、その作業には限界があります。つまり、ボディカットや型が必要な本格的なキャンピングシェルなどは難しいので、自ずからそのベース車両も決まってきます。

 例えば車内改装で済む「バン」や「ワゴン」タイプからの改造による「VAN Life」、もしくは最近人気の、軽トラックなどに自作のキャンピングシェルを架装させる「モバイルハウス」などです。または既製品と自作の中間、これは8ナンバーが取れているキャンピングカーですが、もっともシンプルで安いモデル(基本装備だけで他にはな〜んも付いていない)や、ちょっとくたびれた(?)中古キャンピングカーを改造するという手もあります。

 まずは、どんなキャンピングカーにしたいのか、その「最終形」をイメージして予算も考えた上で、ベース車両を決定したいものです。

2)自作方法

 ありがたいもので“キャンピングカー自作への道”には、多くの先達がいます。それらの人のブログや動画が山のようにあるので、それを参考にする事ができます。

 多くの成功例と失敗例があるので、非常に勉強になります。また、ハンドメイドキャンピングカークラブといったグループや、「VAN Life」についての関連団体など、それらが主催する講習会などもありますから、それに参加して自作の知識を得たり、同時に同じ志の仲間との交流することもでき、既に何台か自作キャンピングカーを手掛けた方から教えを乞う事もできます。いわば自作師匠ですが、この方からは自作ノウハウだけでなく、自作人脈や関連パーツのルートを教えて頂けることもあります。

 そして、これは自作師匠に伺った話ですが、器用不器用もあるけども大事なのは「創ることへの愛と情熱」だそうです。これさえあればいろいろな理由で、途中で頓挫しそうになっても本願成就できるそうです。安さだけで自作するのではなく、自作したいから創るという方も多いようです。

3)制作費

 これは一口に幾ら位かかるとは言えません。どんなキャンピングカーを作るかで、そのコストもピンからキリまでになってしまうからです。豊臣秀吉の金の茶室のように“金銀キャンピングカー”を作る人はいないと思いますが、一般的に既成のキャンピングカーよりは安いと言えます。

 前述のベース車両も新車でなくオークションの中古ですと、信じられないほどに安く入手できます。ディーゼル車は頑丈なので、10万キロ走っている車でも程度の良いものは、まだまだ十分使えます。内装なども家具まで自作だと手間がかかりますが、既製品を使えば意外と簡単に安くできる事もあります。

 ネットを検索すると“IKEAの家具を使って10万円ちょっとで作ったキャンピングカー”なんて記事も見つかりました。日本だったらニトリやダイソーのものを使って作ったキャンピングカーなんてできそうです。

 新車のキャンピングカー「バンコン」だったら、大体500万円前後、中古でも300万円前後ぐらい(車種・年式・程度によって異なります)ですが、なんと車両代、改造費、装備品購入費全部合わせて約50万円(!)で自作した方の動画もありました。

 ここで気を付けてほしいことがあります。車内改装のみの自作キャンピングカーではない“キャンピングシェル部の自作”については、十分に注意して製作してください。せっかく作っても車検が通らなかったり、高速道路を走行中に空中分解(!)・四散して多くの後続車を巻き込んでの事故になったら……と、考えただけで恐ろしいです。

4)車検や面倒な(?)こと

 これについてはなかなか厄介なことで、また自作するキャンピングカーの仕様によって複雑に変わってきますので、ここでは余り詳細まで触れず割愛させて頂きます。

 構造変更や車検証の記載変更までして8ナンバーを取得するか、ルールを守った上で4ナンバー、1ナンバー、軽ナンバーのままで高さや重量・幅等も変更なしの自作にするのか?ということでも、対応が変わってきます。

 荷台に積んだモバイルハウスなどですと居住部分は法的に荷物扱いとなるので、車検時には荷台から降ろせば通常の車検で済みます。(このため積み降ろしを前提とした構造にする必要がありますが……)これらについても前述のとおり多くの先達が悩み、解決しているので、それらを参考に自分だけの自作キャンピングカーに合わせて対応していただきたいと思います。

5)自作の心得?

 例の動画のように車両代を含めても50万円ほどで完成させてしまう凄い方もいますが、自作キャンピングカーの初期費用や維持費などを含めた総費用は“圧倒的にお得!”だけど、自作ならではの手間もそれなりにかかります。なかには一年以上かけて(手間を楽しみながら?)製作する方もいます。まあ、新車のキャンピングカーも納車まで2年(!)という人気モデルもありますから、ただ待つよりも自分で作るという考えもあります。

 また欠陥住宅は自分だけがダメージを被りますが、欠陥自作キャンピングカーは「走る凶器」にもなりかねません。それなりの注意と覚悟が必要ですが、それを補ってもなお余りある魅力があるのか、ハマって製作を続ける方も少なくありません。その為には前述のように多くの先達の試行錯誤を学習して、決して独りよがりの自作キャンピングカーにしないことも重要です。

 さあ、自作の決心がついたら、楽しく手間をかけて、世界に一つだけの自分だけのキャンピングカーを創りましょう!

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