開幕デイトナ2連戦で、厳しいスタート
アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」の2021年シーズンが恒例のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開幕した。開幕戦こそ、オーバルコースを使用した一戦となったが、ナスカー3大カテゴリー「カップ」「Xfinity(エクスフィニティ)」「Camping World Truck(トラック)」のうちのトラック・シリーズ第2戦「BrakeBest Select 159 AT DAYTONA」は、IMSAシリーズのデイトナ24時間レースでも使用するロードコースでの開催となった。
2018シーズンのトラック・シリーズのタイトルを獲得しているHATTORI RACING ENTERPRISES (HRE)は、このナスカーの中で唯一の日本人オーナーである服部茂章代表率いるチームだ。ドライバーには今年も3年目となるオースティン・ヒル選手を起用し、ゼッケン16をつけるトヨタ・タンドラで戦う。今回は、アメリカ及びカナダで放送している通信衛星を使用したデジタルラジオのシリウスXMラジオ(Sirius XM Radio Inc.)のカラーリングを施したCar # 16「Sirius XM TOYOTA TUNDRA」での参戦だ。
この日、デイトナ周辺は小雨模様で、路面はウエットの状態で午後7時半にレースはスタート。今回のレースは、第1ステージ12周、第2ステージ13周、そして最終ステージ19周の3ステージ制のレースとなる。
ヒル選手はスタートからポジションを18番手に上げ、さらに4周目には13番手までアップ。さらにイエローコーション明けのリスタートでジャンプアップするなど、8番手まで順位を上げて第1ステージのチェッカーを受ける。このステージブレイクのピットインで給油と4本のタイヤ交換を行なって、コースに復帰。このピットインで27番手まで順位を大きく下げたものの、そこから第2ステージを迎えた。
挽回時にリアからの衝突に見舞われ
その第2ステージでも、グリーンフラッグから24番手にまで一気にポジションアップしていく。雨が止んでコースは乾き始め、ラップタイムも周回ごとに上がっていた22周目にまたしてもクラッシュがありイエローコーションとなる。ここで16号車をチームはピットに呼び戻し、給油と、タイヤ4本をスリックタイヤに交換してコースに送り出すも、最終ステージ直前、ヒル選手からスロットル不調の無線が飛び込んでくる。
しかし40周目の第4ターン後のシケイン進入のブレーキングポイントで後続車に激しく追突を受け、右リアタイヤがバーストし、さらに外れたタイヤがサスペンションに絡み付きコース上にストップ。何とかレッカー車に押されてピットに戻った16号車に応急処置を施して、ヒル選手をコースに戻すも3周遅れの36番手のポジションとなってしまう。それでも力走した16号車は、チェッカー間際にクラッシュが相次いだこともあり、33位でチェッカーを受けた。
開幕のデイトナは2戦続けてのクラッシュに巻き込まれる残念な展開となってしまったHREの16号車だが、次戦のラスベガス戦は昨年、一昨年と優勝を遂げているレースだけに、HREは3年連続の優勝を目指す。そのナスカー・トラック・シリーズ第3戦「Silver State 200」は3月5日(金)、ネバダ州にあるラスベガス・モーター・スピードウェイで開催される。