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命を落とす危険も! 「山菜採り」を楽しむために気をつけるべき「4つ」の盲点

行楽シーズンまっただ中 美味しい山菜狩りにご注意

 行楽シーズンと言われている初夏のゴールデンウイーク。ドライビングで新緑の山道を走り抜ける心地よさがあります。峠の茶屋でひと休憩、辺りを見回せば、芽吹いた力のオンパレード。木の芽、わらび、ノカンゾウ、…ちょっと湯がいて晩酌のおともになどと、ちょっぴり山菜を取りに、もよくあることです。が、ご注意の点もあります。

山菜採りは窃盗罪に問われることも? 採取OKの場所か確認しよう

 狩猟対象の野生動物は無主物ですから獲った人の所有になりますが、山菜は無主物ではなく土地所有者のもの。山菜を採取出荷して事業を営んでいる場合もありますので勝手に採ると窃盗罪に問われることもあります。基本的に山菜採りは採取OKの場所で行ってください。といっても、いったいどの里山が誰の所有かはなかなかわかりにくいものです。役場や山の管理事務所に問い合わせるか、直接所有者から許可をもらう必要があります。 もし山菜採りに入ろうとしている山が柵で囲われていたり、入山・立入禁止や山菜採取禁止の看板がありましたらNGです。できれば地元に詳しい方や山菜採りの経験者と同行するかアドバイスをもらってください。河川敷や公園周辺の野原といった場所は禁止の表示がなければOKです。河川敷は自由な利用が原則ですので土手や藪などで採取してもOKです。ただし危険箇所では立ち入りが制限されている場合もあります。

山菜採りはマナーを守りトラブルにならないようご注意を

 山菜採取のマナーは、以下の通りです。①採りすぎないこと。 他の人も楽しめるよう根こそぎ採るのはNGです。株を残しておくと来シーズンも繁茂しますので食べるぶんだけ採るようにしてください。

②火事に気をつける。 山菜を現地調理する場合は火気の使用に十分に注意してください。風がある場合は火気使用を中止しましょう。あっというまに山火事になります。周囲に燃えやすいもののない場所まで移動し十分な消火用水などを準備してください。

③ゴミは持ち帰る。 楽しませてくれた山や河川敷。ゴミを残すことなく、できれば来たとき以上にきれいにして帰りたいものです。

山深い場所では事故が命取りとなる

 じつは山菜採りは軽装で入る人も多いため、斜面からの滑落や山道に迷って遭難する例も少なくないのです。北海道警察の発表では令和元年まで過去5年間の山菜採り事故件数が415件(454人)、中でもタケノコ採りが225件と54%を占めるとのこと。うち37名の方が死亡しています。事故防止には適切な装備を準備する、入山の連絡を家族に伝えておく、単独で入らないといった山の基本を守るだけでもリスクを低減することができます。 また春から初夏にかけての山はイノシシやサルといった多くの野生動物が活動を開始し、マムシ、マダニ、ヤマビルなどの生物たちも動き始めます。つい最近も北海道でヒグマと遭遇する事故が発生しています。虫よけやハイカットのトレッキングシューズ、革手袋など咬傷対策も十分に行い、少しでも危険を感じたら崖には入らないなど決して無理をしないでください。山菜採りを楽しく終えられるよう準備と行動を心がけましょう。

 

事故を防ぐためにもクルマに十分な装備を積載しておこう

 より標高の高い山や奥深くの森林に入る場合は現地の地形に応じた装備が必須です。崖や急斜面、沢筋や渓流に入る場合は、登山靴やロープ、トレッキングポールやピッケルなど適した装備で入るようにしてください。とくに春の沢登りは水温がまだ低いためウエットスーツを着用しないと濡れて低体温症を引き起こすリスクが高いです。乾いた着替えなども必要です。 また天候の急変など遭難のリスクを念頭に置いて、山の中に入り込む時は、トランシーバーなどの連絡手段、水や非常食、ファーストエイド、防寒・レインウエア、ヘッドライト、熊避けベルなども装備するとより安全です。それらの十分な装備をキャリングするためにも、現地までクルマで行くことをおすすめします。不十分な装備で入山して雨に降られ低体温症で亡くなる事故も起きていますし、万が一の際にもクルマまで戻ることができれば、着替えたり車内で安全にビバークすることもできます。 林道は脇道にそれれば道幅が狭くなるのが常ですので、狭い道を突き進んでゆくとUターンできる場所がないことも多々あります。何kmも狭い道をバック運転で戻らなければならない大変なことにならないように、広い道の駐車スペースを見つけて、あとはゆったり歩きながら山菜狩りを楽しむことが大切です。

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