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軽キャンピングカーの特徴は? おすすめの軽キャンピングカーを紹介!

小まわりが効いて維持費も安いからビギナーに最適!

 ネット動画などが火付け役となったキャンプブームも後押しして、キャンピングカーの需要が高まっている。中でも軽自動車をベースに架装を行った、軽キャンピングカーが注目を集めている。軽でしか味わえない魅力などを詳しく探っていこう。

▉軽キャンピングカーの特徴

機動力が高く普段使いもできる

 キャンピングカーはボディ形状が大きいほど居住空間を広く取れる。そのぶん取りまわしに制約ができ、狭い道を走るのは少々苦手。しかし軽キャンピングカーは一部架装メーカーを除き、軽自動車の規格寸法内で作るため、ボディが極端に大きくなることはない。

 全高がかさ増しされた車両は立体駐車場などに入る際に注意が必要だが、それを除けば扱いやすく、狭い道もキビキビ走れる。また普通車クラスのキャンピングカーは大きく、駐車場所も限られるためちょっと近所のスーパーへお買い物……といった普段使いには不向き。

 だが軽キャンピングカーは扱いやすいサイズゆえに、街乗りもストレスフリー。最近は見た目がほぼノーマルの軽キャンピングカーも多く、街で変に浮くこともない。

気になる走行性能はターボ車を選べば解決!

 軽キャンピングカーで人気のベース車両は、純正でも室内空間が広い1BOXタイプと、荷台にキャンパーシェルと呼ばれる居住スペースを設置した軽トラックタイプ。ベッドやサブバッテリーなど快適装備が多くなるほど、また軽トラの場合は荷台にキャンパーシェルを載せると(極力軽く作られているが)、車両重量がどんどん増えて走行性能に影響を及ぼす。

 それを改善したいなら、ベース車のエンジンはNAよりもパワフルなターボを選びたい。現行型の軽トラはターボの設定はないが、架装メーカーによってはシェルを脱着可能としているため、街乗りをメインとするなら普段は外しておくのも良いだろう。また走行時のふらつき防止のため、強化タイプの足まわりを用意する架装メーカーも多い。

「大人数」での行動には向かない

 もちろん軽キャンピングカーにもデメリットはある。それは乗車人数の制約。軽自動車の乗車定員は最大4名(軽トラは2名)なので、それ以上の人数での移動は難しい。軽トラの場合は背面を貫通させて4人乗り仕様に改造したり、普通車登録して乗車定員を5人乗りに記載変更するなど、各架装メーカーは工夫を凝らしている。

 その一方でゆったりくつろぎたいという理由で、割り切って1人でキャンピングカーライフを楽しむユーザーも増えている。そんなわけで大人数向けではないのが玉にキズだが、それ以上にメリットが多いのが魅力の軽キャンピングカー。取りまわしの良さに加え、普通車クラスと比べると車両本体価格がお手頃で、自動車税など維持費の面でも有利。だから売れているのだ。

▉軽キャンピングカーの値段は?

軽キャンピングカーの価格

 キャンピングカーは専門の架装業者が1台ずつオーダーメイドで作り上げる。シンクやキャビネットなどの装備品は、自社で製造するケースがほとんどだ。もし新車をベースに軽キャンピングカーを作る場合に必要な金額は、架装メーカーや装備内容によって大きく異なる。

 1BOXの場合はベッドやサブバッテリーなど必要最低限の装備が付いていて、およそ200万円前後から。この金額はベース車両によって左右し、ワゴンの最上級グレードだと値段が大きく跳ね上がる。

 軽トラックの場合はベース車両自体安く購入できるが、新規でキャンパーシェルを作成する必要があり、シェルが着脱可能なタイプは160万円前後から。シェルを車体と一体化した「キャブコン」と呼ばれる本格派の車両は250万円前後からとなる。

(2)中古販売価格は?

 中古の軽キャンピングカーは探せばそれなりにタマ数はあり、キャンピングカー専門の中古車店も存在する。中古なら安く買えるのでは……と思った人も多いと思われるが、意外とそうでもない。というのも、キャンピングカーは昨今のキャンプやアウトドアブームで需要があり、「ほしい!」というニーズが多いほど中古車の価格に反映されてしまい、相場としては130~250万円と高値安定傾向にある。高価な快適装備が充実していれば、さらに価値がプラスされる。

 またキャンピングカーは週末や連休しか使わないケースもあり、走行距離が少なめで個体の状態が良いことも値段がなかなか落ちない要因。逆に言えば購入して数年後に手放す際も、ノーマル車と比べて高いリセールバリューが期待できる。

レンタル価格の相場は?

 キャンピングカーはほしいけど高価で手が出ない。買ったとしても自動車税やガソリン代、駐車場代などの維持費を捻出する余裕がない。キャンピングカーを使うのはアウトドア・レジャーのシーズンだけ。そんな人にはレンタルがオススメ。 軽キャンピングカーをレンタルしている業者は多く、普通にレンタカーを借りる感覚で利用できる。利用料金も業者によって異なるが、1日(24時間)あたり1万円~1万5000円と意外とリーズナブル。ただし「ハイシーズン」と呼ばれる、夏休みなどの長期休暇が絡む時期は、利用料金が1~2割増しとなる。他には車内禁煙、居住スペースは土足厳禁、ペットの乗車不可などレンタカーならではの禁止事項もあるため、借りる前にレンタカー業者に確認しておこう。

▉おすすめの軽キャンピングカー

温もりがある天然の木材で作る室内空間

 スズキ・エブリイをベースに、オリジナルのキャンピング仕様「ぷちキャン」シリーズを手がけているカーショップアシスト(https://www.petit-cam.jp)。同社のこだわりは、キャビネットやコンソールなどの部品を桐や赤松材といった天然木で制作していること。表面に木目調のシートを貼ったプリント合板とは違って浮きや剥がれが生じる恐れがなく非常に丈夫だ。

 また大量生産ではなく職人がひとつひとつ丁寧に作っており、木目の質感も1台ずつ異なる。天然の木材ならではの香りや温もりを感じることができ、旅先で出会った自然とも調和する。

 ぷちキャンシリーズのラインアップは4種類。中でも売れ筋のモデルは「ヴィラ ll 」。室内空間の広さを生かし、天井の左右に大型のキャビネットを設置。前方にもオーバーヘッドタイプの小物入れを装備しているから、長期間の旅行に行く際も荷物をたっぷりと積み込める。 車中泊のキモとなる、ベッドのマットにもこだわっている。表と裏で固さを変えており、自分の体に合わせてクッション性を選べるのが特徴。マットは簡単に取り外しが可能なので、いつでも好みの固さをチョイスできる。左側面には収納式のテーブルが装備され、コーヒーを飲みながらくつろぐのも楽しい。

 もっと多くの荷物を積みたいという人には、「トライ ll 」がオススメ。左右に設置された大型キャビネットは、扉付きの収納やラック、靴入れなどを装備。天板の収納部はマグネットロックを採用し、貴重品の保管に便利だ。

 写真の車両にはオプションのポップアップルーフが装着され、車内のベッドに2人、ルーフ部に2人就寝できるスペースを確保している。大人数での旅行にも最適だ。

多くの家電を使えて万が一の災害時にも安心

 神奈川県で軽キャンピングカーの製造・販売を行っているオートワン(http://www.autoone.co.jp)は、あらゆる用途に対応したさまざまなキャンピングカーをラインアップ。とくに評判のモデルが、スズキ・エブリイをベースに制作した「給電くん」。 家電・電化製品をストレスなく使用できるのが最大の特徴で、700Wのインバーターと55Wのサブバッテリーを標準装備。外装にはAC100Vのコンセントが付いており、屋外で家電を使用できるのがうれしい。また外部電源も付いているため、家庭用の100V電源に繋げば車内でクルマのバッテリーに負担をかけずに電化製品を使用可能。もっと多くの家電を使いたいなら、出力をアップさせたインバーターや高性能のサブバッテリーに変更することもできる。

 その給電くんをさらにグレードアップさせた、「給電くんポップアップルーフ」も用意している。格納式のルーフを開くと、大人も立てる広々とした室内空間が手に入る。そのルーフは大人2人が余裕で就寝できるスペースを確保しており、車内側のベッドと合わせて4人での車中泊に対応。大人数での旅行にピッタリな1台だ。 さらにより心地良いくつろぎ空間へと導く、便利な装備も充実。ルーフに設置したオーバーヘッドキャビネットは衣類や食器、キャンプ道具などをたっぷり収納できる。センターテーブルも標準装備とし、屋外でも使える脱着式なのもポイント。床下収納や電子レンジなどのオプションも多く、こだわり派も納得の1台を制作できる。

 もちろん電化製品が使えるという魅力はそのまま。走行充電システムと700Wインバーター、サブバッテリーを標準装備するだけではなく、ルーフ部分に薄型の40Wソーラーパネルを設置。太陽光でもバッテリーを充電できるのが便利である。

脱着式と固定式から選べる軽トラキャンピングカー

 ここまでは1BOXベースの軽キャンピングカーをご紹介したが、大手キャンピングカー製造・販売メーカーのミスティック(http://www.mystic.ne.jp)は、軽トラックで本格的なキャンパー仕様を制作している。特に人気が高いモデルはキャンパーシェルを脱着式とした「ミニポップ」、逆にシェルを固定した状態で車検を取得する「ミニポップビー」の2タイプ。

 どちらのモデルも、シェルのルーフ部がポップアップ仕様となっているのが特徴。ルーフを持ち上げるとその空間がベッドスペースとなる。シェルをキャビンの上側まで伸ばした構造によって全長を確保し、足を伸ばして眠ることができるのだ。またルーフは前方だけでなく、前後共に持ち上がる構造を採用したのもこだわり。これで空間を広くとることができ、圧迫感もない。

 ミニポップが脱着式シェルを採用するメリットは、いつでもノーマルの軽トラに戻せるということ。普段はシェルを外して仕事用として使い、休日は再びシェルを積んでお出かけ……という使い方ができる。また脱着式なのでシェル部分が荷物扱いとなり、車検時はシェルを外すだけで普通の軽トラックとしてスムースに通すことができる。ただし乗車定員は、本来の軽トラと同様に2名までとなる。

 一方ミニポップビーのシェルは固定式で、キャビンの背面をくり抜いてシェルへのウォークスルーを可能にした。大雨などの悪天候でも、クルマから出ることなくシェルにアクセスできるのは大きなメリット。そして脱着式との大きな違いは乗車定員。ミニポップビーは8ナンバーのキャンピング登録となり、ベースは軽トラながら4人乗りに変更される。大人数で出かける機会が多いなら、こちらのモデルがオススメだ。

▉軽キャンピングカーは自分で作れる? 制作する場合のメリット・デメリット

メリット

 クルマの内装を自分でキャンピング仕様に作り替える人も多い。日頃からDIYを楽しむ、モノ作りが好きな人が挑戦する傾向にある。ベース車両は1BOXや軽トラックにとらわれず、自分が乗っている軽自動車で制作するケースもある。軽キャンピングカーに使われる車種と比べると車内の空間に制約はあるものの、工夫して作れば最低でも1人分の就寝スペースを確保できる。木材やネジ、塗料などの材料はひと通りホームセンターで手に入るので、アイデアと気力次第で快適なくつろぎスペースを作れる。

 自分で作るメリットとしては、軽キャンピングカーを新たに購入するよりもコストを抑えられること。架装メーカーが作るキャンピングカーは材料費に加え、職人の人件費が上乗せされるため、それに見合った価格となってしまう。しかしDIYなら材料費だけで済み、現在乗っているクルマで制作するなら車両の購入費用もかからない。

デメリット

 一方デメリットは、キャンピングカー作りを生業としているプロとは違い、多くのDIYユーザーは休日など限られた時間でしかクルマに携われないため、完成までに時間がかかってしまいがち。また電源の増設やサブバッテリーの追加など、本格的な設備の導入は知識がないと難しい。失敗してかえってお金がかかってしまうこともあるため、作る前の下調べが重要となる。今は動画などネットで作り方を公開しているDIYユーザーも増えており、これらを参考にして挑戦するのもありだろう。

 ここで車内をDIYでキャンピング仕様に仕上げたユーザーをご紹介したい。夏はフィッシング、冬はスノーボードを楽しむアクティブなIさんは、現在乗っているスズキ・ハスラーで快適に車中泊できるように内装を自作でアレンジした。

 就寝スペースはリヤのシートを外して集成材で補強した桐の板を設置し、その上にカーペットを敷いて制作しているため快適。軽1BOXと比べると室内空間は狭いが、前席を目いっぱい前に倒せば足を伸ばして休めるとのこと。

 ちなみにリヤシートを外した状態で2人乗りに記載変更しているため、シートを元に戻さなくても車検に通る。食事ができるように左側に設置したテーブルは、ホームセンターで購入したカラーボックスを切って制作したもの。ポータブルコンロを常備しているため、簡単な食事も作れる。

 夏場は窓を開けても虫が入ってこないように網戸を付け、日よけ対策として100円ショップで購入したすだれをカットして取り付けた。冬は車内全体に施工した断熱材の効果で、暖かい状態を保ちながら眠ることができるそう。

▉まとめ

 魅力的な要素がたっぷり詰まった軽キャンピングカーは、これからも成長していくカテゴリーであることは間違いない。ショップでオーダーする人も、自分で作る人も、自慢の愛車と一緒にたくさんの思い出を作っていただきたい。

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