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HREタンドラ、クラッシュに巻き込まれつつも13位フィニッシュ【2021NASCARトラックシリーズ第8戦】

またしても今季初優勝は手にすることができず

「NASCAR(ナスカー)」といえば、アメリカでもっとも人気のある自動車レースである。その3大カテゴリーの「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」とともに挙げられる「Camping World Truck(トラック)」シリーズに長年参戦をつづけているのが服部茂章代表が率いるHATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)。このナスカー唯一の日本人オーナーチームは今シーズンもオースティン・ヒル選手を起用しゼッケン16を付けたトヨタ・タンドラを走らせている。

コロナ感染拡大の影響で予選なし! 抽選で2番グリッドから決勝へ

 5月7日に開催されたトラック・シリーズ第8戦「LiftKits4Less.com 200」に、HREはユナイテッド・レンタルのカラーリングを施した「#16 United Rentals TOYOTA TUNDRA」で参戦した。今回も新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、レースは決勝のみを行うものとなっており、決勝スタートのグリッドは前戦の結果からの抽選となり、16号車を駆るヒル選手は2番グリッドを獲得した。

 第8戦の舞台は、ダーリントン・レースウェイ。サウスカロライナ州ダーリントンにある1周1.366マイル(2186m)のオーバルコース。ターン1-2と3-4の曲率、バンク角ともに異なる独特のレイアウトだ。

 午後7時半にスタートしたレースは全147周で争われるレースで、途中2度のチェッカーが出される3ステージ制を取る。まずは第1ステージの45周のチェッカーを目指す。フロントロウ・イン側からスタートしたヒル選手は6周目にはトップに立つも、15周目に最初のイエローコーションが出される。そこでチームはピットインを指示し、給油とタイヤ交換を行ってコースに戻す。ここでピットに戻らなかった車両もあったため6番手にいったん順位を落とす。この日は荒れたレースで、33周目には3度目のイエローコーションが出された。このリスタートでうまく前車を捕らえ5番手に浮上、さらに45周目には4番手にポジションを上げて第1ステージのステージポイントを獲得。このステージブレイクでピット作業を行ったため8番手から第2ステージを迎えることとなった。

第2ステージの混乱を味方に好位置から最終ステージへ

 90周のチェッカーとなるこの第2ステージでは序盤に中団の混戦に阻まれ10番手に後退。しかしその混戦から抜け出すとトップと変わらないペースで前車を次々とパスした。80周目には6番手までポジションアップ。その翌周に後続のクラッシュが発生しイエローコーションが出される。ここでチームは16号車をピットへ戻す。残り数周でチェッカーを迎える第2ステージ後のステージブレイクでコースに留まり、最終ステージのスタートで前のポジションをキープする作戦である。10番手でコースへ復帰した16号車は残り1周となる第2ステージ最後のリスタート。ここでもスタートダッシュを決めたヒル選手は9番手でチェッカーを受けた。その後のステージブレイクをコースに居残って8番手から最終ステージのスタートへ。

 96周目に最終ステージのグリーンフラッグが振られ、このスタートでも一気に5番手にジャンプアップし、さらに周回遅れをパスしながらハイペースで前車を猛追したヒル選手は、2番手にまで順位を上げる。

上位12台を巻き込むクラッシュ発生で大ダメージ

 トップを走る同じタンドラの4号車の背後に迫ったところでまたもやイエローコーション。チームはバンク角の深いアウト側を選択するよう指示を出し、ヒル選手は最前列のアウト側に位置を取る4号車の真後ろからリスタート。116周目のこのリスタートでフロントロウのイン側につけた51号車に後続のマシンが追突し、アウト側にいる4号車を巻き込む形でアウト側のウォールにヒット、前を塞がれた16号車もこれに巻き込まれ、上位にいた12台の多重クラッシュとなってしまう。

 ヒル選手はフロントと左右のボディに大きなダメージを負ったものの、レースは何とか車両をピットに戻したところで赤旗中断。ここでメカニックがマシンを修復し1周遅れの25番手でコースに戻してレースは再開した。残り周回の少ない中でダメージを負った16号車。1ポイントでも多くのポイントを獲得するために懸命に周回を続け、トップと同一周回にまでポジションを戻し、最終的に13位で147周目のチェッカーを受けた。

 シリーズポイントではポジションを下げるも貴重なポイントを獲得したことで、何とか4位で踏み止まっている。次戦は5月22日(土)に開催される「Toyota Tundra 225」。舞台は初開催となるロードコース「Circuit of The Americas(Cota)」。F-1アメリカグランプリに向けて設計されたチャレンジングなコースとなる。

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