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イマドキのアウトドアでは「必須アイテム」! 間違いだらけの「ポータブルバッテリー」選び

キャンプに欠かせないポータブルバッテリーを選ぶには

 スマホやビデオカメラの充電はもちろん、近年は燃焼系ランタンではなくLEDをメインの光とするキャンパーが増えている。さらに、秋冬は電気毛布、夏はサーキュレーターといった家電を持ち込むのは当たり前。キャンプ場で動画を楽しむ子どもたちの姿も珍しいものではない。いまやキャンプに欠かせなくなりつつあるポータブルバッテリー、後悔しないためにおさえておきたい選び方のチェックポイントをあげておこう。

マナー違反のアイドリングをしないためにも

 これまではキャンプ場で電気毛布やサーキュレーターを利用するにはAC電源サイトを予約するしかなかったが、AC電源の使用は1泊1000円程度かかる。そのうえ、ホットカーペットを利用する人が多い日は負荷がかかって肝心のときに使えなくなることもある。

 車載インバーターを使用するという手もあるが、キャンプ場では長時間のアイドリングはマナー違反。ハイブリッド車、サブバッテリー搭載のキャンピングカーをのぞき、エンジン停止状態での使用はバッテリーあがりの不安がつきものだ。

 ところが最近では低価格の小型ポータブル電源が登場し始めた。自分だけの電気を使えるようになり、ポータブル電源がキャンプ道具のマストアイテムになりつつある。低価格とはいっても3〜4万円はするのでレジャーアイテムとしては高額だが、毎年のように大規模な災害があり、いつ自分が停電に遭遇するともわからない。防災アイテムにも役立つことを考えれば購入もアリだろう。

 

使用する容量によって選ぶ

 ポータブル電源の選び方は、どれくらいの家電をキャンプで使うのかをイメージすることから始まる。

たとえば

 電気毛布(消費電力30W)を8時間使う=240Wh

 サーキュレーター(消費電力20W)を8時間使う=160Wh

 LEDライト(消費電力10W)を10時間使う=100Wh

 パソコン(消費電力30W)を3時間使う=90Wh

 スマホの充電(10W)を3時間・2台分=60Wh

 ……といった具合に計算していけば、夏の1泊キャンプは350Wh以上、冬なら余裕を持って500Wh以上は欲しいとわかるだろう。

 ちなみに、ポータブル電源のカタログを確認するとバッテリー容量を「Wh」と「mAh」という単位で併記しているものが多い。「Wh」は1時間の消費電力を表しており、放電容量「mAh」が同じ数値でも「Wh」は電圧によって異なるので、それぞれの電気用品が使用できるかは「Wh」のチェックが重要だ。

 また、バッテリーは気温の影響を受けやすい。とくに冬、無防備にバッテリーを寒いところに置いておくと大容量ポータブル電源であっても、夜中に電池切れで電気毛布を使えなくなることも生じる。反対に真夏に締め切った車内に置くようなこともバッテリー劣化の原因になる。

 思いっきり電気に頼ることを望んでいるのなら「使用温度」が-10℃〜40℃のものを選択しておくのがいいだろう。そのうえでポータブル電源に寒さ対策・暑さ対策を施す。電池切れを防ぎたいスマホやライトの充電にはモバイルバッテリーを併用するなど、電源分散の対策を立てておきたい。

 

AC出力の波形にも違いがある

 ポータブルバッテリーのACポートでは家電が使えるわけだが、AC出力から得られる電流にはポータブル電源の性能により「正弦波」「修正正弦波」「矩形波」のいずれかがある。

 安価なポータブル電源の中には高出力の数値ではあるが「修正正弦波」や「矩形波」であることが多い。LEDランタンやスマホの充電くらいなら問題ないが、一部の電気毛布やポンプ、小型プロジェクターといった家電では、使えなかったり故障の原因になったりすることもあるので、「正弦波」であることを確認して購入しよう。

 とはいえ、正弦波のポータブル電源であっても「ACポートの出力」は通常200〜500Wが多い。キャンプサイトにオール電化を目指して炊飯器や電気ケトルを用意して行っても、1000Wないと使えない、ということもあるのだ。

大きさと重さ、安全性も重要

  1000Wh以上の大容量バッテリーは連泊でも安心で、防災用としても頼りになるが重量は10kg以上になる。自宅で保管してキャンプ時にはクルマに載せて持ち運ぶものと考えると、積み込みやすい大きさ・重さであることも重要だ。

 加えてバッテリーは永久に使えるわけではなく、いつかは寿命が尽きる。粗大ごみでは廃棄できないので、自治体に持ち込むか業者に引き取ってもらうことになる。大きくて重いバッテリーは扱いも大変であることも覚えておきたい。

 また、バッテリーの不具合は大きな事故につながりかねない。適切に保管・使用するのはもちろんのことだが、適合検査に合格した「PSEマーク」が付いているものを選ぶことも大切だ。

 最後に、選択する際のポイント見極めの一助になるであろう、キャンプにオススメのポータブル電源をいくつか挙げておこう。

■Jackery/ポータブル電源708

容量708Wh/191,400mAh。より大容量モデルもラインナップ。

本国、アメリカで定評のあるジャクリは日本でもキャンパーの支持率が高い。

動作温度は−10〜40℃。

■Smart Tap/PowerArQ2 Pro

容量1002.4Wh/46.4Ah。

ドライヤーやホットカーペットの使用も可能なパワフルさ。上面がフラットで重ねて置けるのもうれしい。

動作温度-10~40℃。

 EcoFlow/EcoFlow RIVER 600 Max

容量288Whの本体に、同容量のエクストラバッテリーを装着することで容量576Wh/160,000mAhにカスタマイズできる。

より大容量の本体RIVER 600 Proに専用エクストラバッテリーを接続すると1440Wh/400,000mAhに。

動作温度は−20〜60℃。

LACITA/エナーボックスSP

ポータブル電源には珍しい防沫タイプで、急な雨でタープ下に置いていても水滴がかかりかねないアウトドアでの利用に適している。

容量444Wh/120,000mAh。

動作環境温度は−10℃〜40℃。

 

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