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トヨタ新型「ランドクルーザー」ついに登場! 真の敵は身内にあり?

14年ぶりに待望の新型がデビュー! ランドクルーザー300は何が凄い?

 世界で高く評価される日本車は数あれど、その筆頭といえるのがランドクルーザー。200系と呼ばれる現行型が誕生して早14年、ついに沈黙を破りフルモデルチェンジが敢行された。新型の300系で進化を遂げたポイントや、ライバルに対しての優位性を検証してみたい。

「陸の王者」の名にふさわしい進化

 2021年6月10日にトヨタが新型のランドクルーザー300を世界に向け初公開した。優れた悪路走破性に加え数々の最先端テクノロジーが採用されており、まさしく『陸の王者』なるニックネームに相応しい風格だった200系から、どのように刷新されたのかはランクル乗りならずとも気になるところ。まだ発売前ですべてのスペックが明らかになったワケではないけど、発表された情報からニューモデルの実力と魅力を探ってみよう。

 まずは心臓部ともいえるエンジンから。300系ではガソリンの3.5LV6ツインターボ(415ps/650N・m)と、ディーゼルの3.3LV6ツインターボ(309ps/700N・m)を設定している。200系に採用されていた4.6LV8からは1Lを超えるダウンサイジングだが、300系はいずれもツインターボにより動力性能では大きなアドバンテージを持つ。排気量が小さくなったことで自動車税も下がり、200系の8万7000円に対しガソリン車なら5万7000円。1年間で3万円という差は決して無視はできないだろう。どちらのエンジンも新開発とされているが、完全な新設計になるのはディーゼルだ。700N・mの強烈なトルクで超重量級の車体もグイグイ加速させ、キャンピングトレーラーを牽引するようなユーザーでも、ストレスを感じずにロングドライブを楽しめるに違いない。なお世界に先駆けて発売されたトヨタUAEでは、4LのV6自然吸気エンジンも追加されている。

新開発のラダーフレーム「GA-F」を採用

 プラットフォームはトヨタのTNGA思想を取り入れ、新開発したラダーフレーム『GA-F』が投入。フルサイズのフレーム構造車に向けて各部を最適化しており、重心は200系より28mm低くなり前後の重量配分も53.5:46.5と、課題だったフロントヘビーさはだいぶ解消されたといっていい。約200kgの軽量化やねじれ剛性が向上した恩恵も大きく、従来のSUVとは違った素直なハンドリングが楽しめそう。 安全機能も充実のひと言。予防安全の機能パッケージ『トヨタセーフティセンス』を搭載。ドライバーの疲れやミスをフォローして事故を未然に防ぎつつ、衝突したときはダメージを軽減する数々の工夫がなされている。ボディのサイズは200系とほぼ同等なので、狭い道路や駐車場では運転が難しく感じる人もいるだろう。そんなとき役立つのが車両の前後左右にあるカメラの映像をモニターに表示し、上からの視点で障害物を確認できる『マルチテレインモニター』や、障害物や歩行者との衝突を避ける『パーキングサポートブレーキ』だ。走破性もさらに磨き上げられた。サスペンションの基本設計をブラッシュアップしつつ、世界初となる『E-KDSS』による高い接地性、路面状況に合わせて自動で走行モードを切り替える『マルチテレインセレクト』など、オン/オフを問わず世界トップレベルの走行性能を発揮する。

インテリアはより豪華に進化

 室内の使い勝手もより高められた。200系では3列目のシートを横方向に折り畳んで収納していたのが、300系では床下となり積載スペースが大幅に拡大。インテリアでは100系から続くラグジュアリー志向がさらに強まり、疲労の軽減やスイッチの操作性も改良されている。

シリーズ初の「GRスポーツ」も設定

 コレだけでもランドクルーザー300の魅力は十分に思えるが、購入を考えるユーザーにとって嬉しい悩みなのが『GRスポーツ』の存在だ。2021年内には追加になると予想され、フロントグリルは『TOYOTA』のロゴで他グレードと差別化。詳細はまだ不明だがホイールを始め専用設計の部分も多いはず。

ライバルはメルセデス・ベンツGクラス

 最後に競合車と比較してみよう。正直いって国産車はライバルといえる存在がなく、車格だけで挙げればレクサスLXだろうか。とはいえ国内での発売は2015年で6年も前になる。海外は2007年とモデル的に古いため、デザインの好き嫌いはともかく機能面で見劣りするのは必然。もっともレクサスLXもそう遠くない時期の刷新がウワサされており、比べるにはそちらの登場を待つ必要があるかもしれない。 海外メーカーならメルセデス・ベンツGシリーズを筆頭に、クラス的に競合しそうなモデルはいくつかある。ただし300系の価格はベースグレードで500万円、GRスポーツで1000万円を少し上まわると予想されているのに対し、輸入車のGシリーズは廉価グレードでも1250万円。性能面では遜色がないとしても、この価格差をどう捉えるか。モデル的に新しいことも考慮すれば、個人的には300系に一日の長があると感じてしまう。

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