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「ジムニー」「タフト」「ハスラー」! アウトドアで使い倒せる軽はどれだ

収納スペースで選ぶならハスラーがベスト!

 アウトドアのためのクルマ選び。それもコンパクトなクルマ、道幅が狭い獣道を進むのにも適している軽自動車から選ぶとしたら、どんなクルマが向いているだろうか。

 多くの人が候補に挙げるのは、そのルックスからしてアウトドア向けな、スズキ・ハスラー、ダイハツ・タフト、そしてスズキ・ジムニーではないだろうか。デザインの好みは人それぞれだが、実際にアウトドアに出かけ、使いにくいと感じることだけは避けたいところ。アウトドアなら荷物はけっこうな量になるし、車中泊を楽しみたいと考えている人もいるはずだ。ここでは、アウトドアに向くクルマの要件を、3つに分けて、それぞれのクルマの適合性を検証してみたい。

荷物の積載スペースはハスラーが優位

 まずは荷物の積載性だ。家族3〜4人でアウトドアに出かけるとして、後席使用時のラゲッジスペースのフロアの寸法は、ジムニーが奥行き240mm、幅1300mm、高さ850mm。タフトは奥行380mm、幅870mm、高さ800~935mm(後者はフロアボードを外した状態)。

 ハスラーは奥行280mm~450mm、幅1090mm、高さ870mmである。荷物の積載では、奥行きが決め手になるはずで、左右独立で160mmの後席スライド機構付きのハスラーが、奥行き、幅、高さともに優位ということになる(タフトは後席スライド機構なし)。

 実際、家族3人で那須高原へのアウトドアドライブを楽しんだ経験があるが、荷物の積載に困ることはなかった。

 また、重い荷物の出し入れのしやすさという点では、タフト、ハスラーともに約700mmと変わらないので、同等と言っていいだろう。ジムニーは約760mmと、SUVの中でも高めである。

2人乗車ならタフトもハスラーも問題なし

 とはいえ、ハスラー優位なのは、あくまで後席使用時の話。2人乗車であれば、後席を格納することで、3車ともにラゲッジスペースの奥行きは一気に拡大する。具体的にはジムニーが1090mm、タフト1270mm、ハスラー1360mmとなる。こうアレンジすれば、ジムニーでも2人分のアウトドアの荷物を、余裕で積み込めるはずだ。

 ただ、もっとも大容量なのは、やはりハスラーということになる。ちなみに、3車ともに、後席格納時の拡大フロアはほぼフラット。荷物の積載性、出し入れ性は文句なしである。

車中泊をするならハスラーがオススメ

 つぎに、車中泊性能だ。アウトドアドライブの目的が車中泊でなかったとしても、いざというときに、あるいは車内での仮眠に、大人が足を伸ばして休めるのに越したことはない。そこで求められるのが、後席、前席を格納してのフラットフロア=ベッドスペースアレンジの可否である。

 その点で優れるのも、ハスラーである。そもそも前席はサイドサポート性をやわらげてまで、フルフラットモードにこだわっていたりする。

 結果、前後席を倒し、ラゲッジスペースとつなげたときの奥行き=ベッド長はなんと2040mm!!に達し、大人2人がゆったりと足を伸ばして横になれるのである。加えて、車中泊対応の純正アクセサリーが豊富に揃っているのもハスラーである。車中泊を目的とするなら、ハスラーがベストと思える。

悪路走破性でいえばジムニーがイチバン安心!

 アウトドア派が、クルマの性能面で気になるのが悪路の走破性ではないだろうか。4WDを選ぶとして、最低地上高はジムニーがかなり本格な205mm、タフトが190mm、ハスラーが180mmだ。

 世界中で定評ある本格クロカンとして、伝統のラダーフレームやパートタイム4WD、機械式副変速機を用いたジムニーが、悪路で最強なのは当然だ。しかし実際問題、日本でジムニーでしか足を踏み込むことができないような悪路の先に、アウトドアフィールドがあることはほぼない。

 そんなところでキャンプ場などを経営しても、お客さんが寄りつかないのだ。今流行りの、個人で山を買って(借りて)開拓するようなシーン、未開の荒野に挑戦するような特殊なシーンを除いて、タフト、ハスラーともにFFでも十分、4WDならさらに安心……といったところだろう。 つまり家族で気楽に楽しめる、整備されたアウトドアフィールドでは、走破性は最優先項目にはならないと考える。

頭上の解放感が味わうならタフト

 と、ここまでのアウトドア向け軽自動車の要件としてハスラーがリードしているのだが、クルマとの付き合いは、アウトドアだけではない。日常の相棒としての資質も重要である。そこで光るのが、タフトのスカイフィールトップと呼ばれる、ルーフの多くの部分を占めるガラスルーフだろう。

 コンパクトクロスオーバーSUVにして、オープンカー的な頭上の解放感、眺めが特徴的であり、アウトドアドライブでも爽快感に直結する。

 これはジムニー、ハスラーに望めない装備と言える(しかもタフトは全グレードに標準装備)。ジムニーはやはり、メルセデス・ベンツのGクラスを彷彿させる本格感が大きな魅力。多少使い勝手面でここで比較した2台に劣ったとしても、所有する満足感は極めて高いはずである(納期の長さは覚悟だが)。

車中泊まで想定するならハスラー一択

 ハスラーに関しては、デザイン、使い勝手、車中泊性能の良さもさることながら、軽自動車の域を超えた走行性能、フラットライドに徹した乗り心地の良さによるクラスベストな快適感などが、遠路にあることが多いアウトドアフィールドへのドライブに向いていると思える。

 実際、東京~那須高原(片道約200km)をターボモデルで往復し、アウトドアライフを楽しんだことがある。だが、運転にかかわるストレス、疲労はほぼなかったぐらい、走りは想定外に快適だったのである。

 結論として、アウトドア、キャンプを楽しむなら、全車OK。クルマの見た目、4WDなら悪路の走破性も文句なしで、頼もしい相棒になってくれるはずである。しかし、車中泊まで想定するなら、車中泊用アクセサリーも充実したハスラーということになるだろうか。

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