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キャンプツーリングの相棒「ハンターカブ」! 地味に使いづらかった「鍵」を自力カスタマイズ

CT110ハンターカブを楽しく修理!

 イラストレーターでDIYが大好きな阿部忠雄さんが、26年所有するホンダCT110 ハンターカブ。キャンプツーリングの相棒として、自分好みにカスタマイズを続けている。そんな阿部さんがこれまでいじってきたなかで、「これはオススメ!」なモディファイをお伝えしよう。今回は「鍵」にまつわるカスタマイズ!

4カ所の鍵を「メインキー1本」に統一

 ハンターカブを新車購入してから7、8年が過ぎたころでしょうか、メインキーを回して「ON」にしても、ニュートラルランプが点灯しないことが頻発するように……。「ON」「OFF」を繰り返すと普通に通電するのですが、走行中に勝手に「OFF」になったら困ります。これはメインスイッチ内部の接点不良だと思い、修理することにしました。

 コンビネーションスイッチを取り出すのは、クルマや最近のバイクなどに比べると至って簡単。樹脂カバーを外し、固定している丸ナットを外したら、フレーム内に隠れているスイッチアッセンブリーを引き出すだけです。

 黒いケースに収まったスイッチ部分を外すためにドライバーでコネていたら、突然ケースの一部が割れて、親指の付け根を「ブスリ!」とやっちゃいました。痛かったけど割れてくれたおかげで、難航する部分を簡単に分解できました。まさに「怪我の功名」です。開いてみると予想どおりスイッチ部分には緑青が発生していて、明らかに接触不良が始まっています。 細目のペーパーを掛けて酸化した金属表面をひと皮むき、コンパウンドで磨いてからグリスを薄く塗り、ケースを元に戻します。スイッチの通電が回復したのを確認したら本体にセットして修理完了です。

キーロックが必要なところが5カ所もある! これは不便だ

 そういえば、キー関連でずっと気になっていたことがありました。私のハンターカブには、メインスイッチとハンドルロックと荷台に付くヘルメットホルダー、それにサブタンクのロック(これもヘルメットホルダーを兼ねる)とリヤボックスのロックなど、キーロックが必要な部分が5カ所もあるのです。

 リヤボックスの鍵はタイプが違うので仕方ないとして、ほかの同じタイプのキーシリンダーは、メインキー1本で使えるようにできれば便利に違いありません。では「怪我の功名」ついでにキーシリンダーの改造に取りかかります。シークレットな部分なので少し取り外しが面倒ですが、ハンドルロックとヘルメットホルダーのアッセンブリーを摘出しました。これをさらに分解してキーシリンダーだけの状態にします。

キーシリンダーの構造をイラストで解説

 ここでキーのロックと解除の仕組みをイラストで観てみましょう。キーシリンダーの外筒の上のミゾにディスクタンブラーが5枚、スプリングで押されて刺さっています。これがロックされた状態です。キーを差し込むとキーに刻まれた下側の凹凸(上下対称)に添ってディスクタンブラーが押し下げられ、一線に並ぶことで内筒が回せるようになります。

 これがロックの解除ですが、凹凸の5カ所が完全に合わないとディスクタンブラーのどれかが上のミゾに残ったり、下側のミゾに刺さったりするために解錠できません。180度回したところでキーを抜くと、外筒の下側のミゾにディスクタンブラーが刺さり再度ロックされます。カムが移動したことでハンドルロックやヘルメットホルダーとしての仕事をしています。

構造を理解したら改造してみよう

 この仕組みを理解したところで、ハンドルロックのキーシリンダーのディスクタンブラーを、メインキーの凹凸に合うように組み替えてみました。ディスクタンブラーの並び順を変更させるだけで、割と簡単に処置できました。

 次はサブタンクのロックアッセンブリーを分解したところです。ディスクタンブラーをメインキーに合わせようとしても、3と5(下の写真参照)が内筒から出た状態を解決できません。新規にディスクタンブラー2枚を自作しようかとも考えましたが、ここは単純に3と5を抜き取り、1、2、4番のディスクタンブラー3枚だけのキーシリンダーでもよしとしました。今後、同タイプのキーシリンダーをいじることがあったら再チャレンジしてみます。

キーホルダーの「数字付きドラム」の意味

 キーホルダーに付いている数字付きのドラムは、廃品のスピードメーターから取り出したオドメーターです。6個の数字リングをスプリングで密着させています。CT110ハンターカブのメーターにはトリップメーターが装備されていないので、燃費計算やトリップメーター機能が必要なときに、このドラムの数字を合わせてメモしていました。ただしキーホルダーの揺れで、コンビネーションスイッチ下の赤い樹脂カバーに同心円のキズが付いてしまうので、取り外して別収納としました。今はキズ対策として、リヤボックスのキーを収めた布ケースを下げています。

 これでわがハンターカブは、小さな2本のキーだけで管理できるという念願のスリム化に成功したのでした。

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