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先輩キャンパーも「目から鱗が落ちた」! 電化製品をフル活用する「電気キャンプ」のススメ

快適で臭くない! 電気キャンプは快適至極だったのだが……

 いま流行りのポータブル電源の記事を担当して、電気を使った車中泊キャンプを味わったボクは以前までの原始的なキャンプとは違った「快適さ」を痛感させられた。ポータブル電源が普及しつつある現在、電化製品を使ったキャンプはスタンダードなスタイルになるのだろうか?

キャンプスタイルも新時代に突入! 不自由から快適さを楽しむ

 前述した車中泊キャンプ取材で、いま話題のポータブル電源を使ったボクは「目からウロコが落ちる」体験をした。そもそもキャンプは不自由を楽しむものとされてきたが、最近ではゴージャスな「グランピング」や贅沢な「サウナテント」などにも注目が集まり、新たな時代を迎えている。 遊びや娯楽の延長として楽しむキャンプは「趣味性」が優先されるべきであるため、クラシックスタイルを愛する人たちはもちろん、楽してアウトドアの魅力を享受する最新スタイルを否定するつもりは毛頭ない。 しかし、時代はつねに変化を求め、自動車の世界でも化石燃料を使った内燃機関はいつの間にかHV(ハイブリッドカー)やEV(エレクトリックビークル)、PHV(ブラグイン・ハイブリッドカー)と呼ばれるエコカーへとスイッチされつつある。また音楽シーンではCDからストリーミングへと移行し、情報発信の要であったテレビはインターネットを介した配信やYouTubeに押されている現在、キャンプも新たな時代を迎えていることは間違いない。

ポータブル電源を使えばワーケーションも自由自在

 そもそも「ポータブル電源」とはなにか……という疑問だが、早い話が「大容量のモバイルバッテリー」のようなものであり、持ち運びができる電源を使ってキャンプ(野外)や車中泊で電化製品が使えるのが大きな魅力。現代人にとってパーソナルな「電源」を持つことは重要な意味を持ち、どんな僻地でも文化的な生活が送れるのである。

 ポータブル電源を持参し、Wi-Fiが届く場所であればどんな山奥のキャンプ場でもリモートワークが可能だし、昨今のコロナ禍では人との接触を避けて人気の少ない場所で仕事に勤しむことができるということだ。

便利さを享受するなら消費電力や蓄電容量をしっかり確かめる

 もちろんキャンプも同様で、BBQコンロの代わりにIHクッカーやホットプレートで調理ができ、寒い冬には電気毛布やヒーター、コタツを使って暖を取ることもできる。また、夏のキャンプでは扇風機や冷風機、贅沢をいえば小型のエアコンを利用して涼しいテント生活を送ることも夢ではない。 今回、ボクが体験したキャンプでは炊飯器を持ち込んでみたのだが、飯盒やメスティンを使わずに炊きたてのご飯を堪能することができ、小型の冷蔵庫でキンキンに冷えたビールがボクを心地よく疲労した身体を癒やしてくれたのである。

 その恩恵は便利さだけではない。焚き火や炭を使ったキャンプではどうしても炭や焦げた臭いが衣服や毛髪に付いてしまうものだが、電気を使った調理ではその心配は少ない。BBQコンロや焚き火台で火傷をする心配もなく、小さな子どもを連れたキャンプでも安心だ。

 ただし、ポータブル電源は「W」(消費電力)だけでなく「Wh」(電力量を表すワットアワーで蓄電容量をのこと)にも注目し、キャンプで実戦投入をする前に自宅で予行練習をしておくことを忘れてはならない。容量が不足や、電化製品の出力が高すぎて使えない場合も考えられるからだ。

 実際のキャンプで使えなければポータブル電源は絵に書いた餅になってしまう。まずは予行練習で電化製品を使用する時間や配分をしっかりと確かめるべし。

万一の災害ではライフラインとしても活用できる

 電気を使ったキャンプは快適であるものの「野遊び」の趣は薄く、自宅の延長としての味わいに留まってしまう。それを良しとするかの、面白くないと考えるのかは人それぞれだが、すべてを「電気」に頼るのではなく、BBQや焚き火はクラシックスタイルで楽しみ、暑さや寒さは電気を使って快適性を向上させる「ハイブリッドな電気キャンプ」が現実的なのかもしれない。ポータブル電源をサブキャラに置き、不便さと快適性を融合したスタイルが新たな時代の主流になりそうだ。

 最新のポータブル電源は拡張性が高く予備バッテリーと接続することで、製品によっては8000Whという驚くべき容量へと拡大することもでき、キャンプや車中泊だけでなく災害や震災時のライフラインとしても活躍してくれる。ここだけの話だが、その意味合いはとても大きく「家族を守る」という大義名分を振りかざし、予算の決定権を持つ奥さまへのプレゼンを行うのも賢い方法である。

製品選びはクチコミやレビュー動画でしっかり吟味したい

 最後にポータブル電源(モバイルバッテリーもしかり)は、日本製が少なくホンダやJVCケンウッド、マキタが名を連ねる程度。実際には中国を中心としたメーカーが主流になっており、最近の中国メーカー製品は生産精度が向上していると言われるものの、ブランドによっては粗悪品が存在するのも現状だ。 ポータブル電源の価格はコンパクトなものであれば5万円前後、高価なものでは20万円を越える。決して安い買い物ではないのでネットでのクチコミや製品紹介、YouTubeなどのレビュー動画を参考にしっかりとリサーチすることをおすすめする。 クラシカルなキャンプスタイルが当たり前と思っていたのだが、ポータブルバッテリーを使ったキャンプを味わったボクの考え方は大きく変わってしまった。電気の力は偉大であり、使い方次第ではキャンプの可能性を大きく広げてくれる最強のパートナーになることは間違いない。夜な夜なポータブル電源をググっていることは嫁さんには内緒である……。

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