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「放置違反」は都心の駐車場不足が原因では? 年末年始、交通違反取り締まりにモノ申す

違反取締り件数から思い起こされる注意点

 年末や年度末は交通違反の取り締まりも厳しくなる季節だ。交通取り締まりを受けてしまうと、「運が悪い」とか「失敗した」とか思う人が多いが、違反は違反。取り締まりを受けないようにするのが第一といえるだろう。交通安全を遂行するためにも、ちょっとした違反と思いがちなものでさえも取り締まりを受けないことが、重要であるのだ。

もっとも多い「一時不停止違反」

 警察庁交通局公表の「道路交通法違反の取締り状況」によれば、2020年の交通違反取り締まり件数の総数は716万7365件。同年の免許保有者が819万8988人なので、1年のうちに取り締まりを1回しか受けないとして、じつに88%の人が交通違反の取り締まりを受けた計算になる。もちろん、1年間のうちにひとりが複数回の取り締まりを受けることもあるので、この計算はかなりおおざっぱなものだが、それでも交通違反の取り締まりを受けてしまうことが非常に身近であることがわかる。

 2020年に取り締まりでもっとも件数が多かったのは、一時不停止違反で件数は160万4972件。じつに1日あたり4400件近くの取り締まりが行われた計算になる。

 白バイ警官はもちろん、自転車、徒歩と数多くの警察官が取り締まりを行っていて、なおかつ明確に違反を判別できるので件数が増えても当たり前だろう。

きちんとするだけの「一時停止」をしよう

 この取り締まりを受けないためにはどうすればいいか? 答えは簡単できちんと一時停止すればいいのだ。筆者の自宅近くにも一時停止の標識のある交差点が存在しよく観察しているのだが、きちんと一時停止するクルマはせいぜい2割、あとの8割は完全停止せずにごくごく微低速で交差点に進入する。

 安全は確保できているだろうが、これじゃあ捕まえて下さいと言っているようなもの。とにかく止まればいいのだ。止まらないで安全確認しても捕まるが、止まって安全確認を怠っても捕まらない……これが実状だ。しかしせっかく止まったのだから、安全確認もしよう。一時停止は停止と安全確認がセットで行われるもの。こんな簡単なことをめんどくさがって、取り締まられるのはじつにバカらしい。

最高速度を超える走りの流れに加担しない

 次に取り締まり件数が多いのが最高速度違反だ。最高速度違反については、白バイ、パトカー、覆面パトカー、オービス、ネズミ取り……とじつに多彩な方法で取り締まりが行われている。

 日本の最高速度の取り締まりは、世界的にみればゆるいほうだといえる。速度違反であっても、交通の流れに乗っていれば取り締まりを受けることはまずない。交通の流れを妨げる運転のほうが危険を伴う可能性もあることから、そういう判断がされるのだろう。

 にもかかわらずこれだけの件数が取り締まられているということは、流れよりも速く走ったり、先頭で速い流れを作ってしまったり、ということが考えられる。とにかく、流れをリードするような速度で走らないということを基本に考えてほしい。また、住宅街などのゾーン30のなかでは、流れうんぬんではなく30km/hを基本に走ることを身につけたい。ゾーン30の地区を30km/hで走るのと40km/hで走るのは、大きく危険度が違う。

放置違反が明かしている解せない交通事情

 第3位となっているのは放置違反金納付命令で、これは駐車違反と同じようなものと考えていいだろう。放置違反にしても駐車違反にしても、駐車場にクルマを入れれば取り締まりは避けられるのだが、それができない状況のときに取り締まりが行われてしまう。

 たとえば、取引先にどうしても荷物を届けなくてはいけないときに、駐車場が空いてない。やむを得ず路上にクルマを止めて荷物を届けても違反は違反で、取り締まる側はやむ得ないとは思ってくれない。

 都市部では駐車場不足が深刻であるのに、これを一概に取り締まるのはおかしい。駐車場が空いているのに路上駐車したクルマが取り締まられるのはわかるが、やむを得ずという事態は考慮すべきではないのか。また、運転手が乗っていれば取り締まり対象にならないというのも変な話、都内などではロケバスやハイヤーがエンジン掛けっぱなしで止めているが取り締まりにあっているのを見たことはない。

避けられる違反で失いたくはない「時間と金」

 そのほか、取り締まり件数が多いのは通行禁止や信号無視、シートベルト、携帯電話の使用などだ。通行禁止というのはスクールゾーンを走行してしまったりということだろう。いずれの違反も注意していれば避けられるものだ。

 違反をして、その対応で失う時間、免許更新時に加算される時間、違反金として失う金額、などなどを考えれば違反をしないのが最終的には収支はプラスになるはず。結局のところ、そう考えて運転するのが一番賢いということなのだ。

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