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初心者にはオススメできない? 過酷な「冬キャンプ」を避けるべき5つの理由

焚き火

初心者にとって厳し過ぎる想像の斜め上をいく極寒冬キャンプ

 キャンプ初心者がブームに乗り、いきなり「冬キャンプ」にチャレンジするのは大きなリスクを伴う危険な行為だ。冬のキャンプはもっとも過酷なシーズンであり、経験不足と準備不足が懸念される初心者にはハードルが高く、最悪の場合、命の危険があることを覚えておこう。ここでは冬キャンプが初心者に向かない5つの理由を掲げ、その理由を語ってみたいと思う。

 日本は四季を持つ自然豊かな国。春/夏/秋/冬と大きく分けて4つのシーズンに区切られ、そのなかでも冬はもっとも厳しい自然環境へと変貌する。空気が澄み、冠雪した山々を見渡す風景は美しいものだが、キャンプ初心者にとって冬のキャンプは「寒さ」との戦いになる。疎かな防寒対策や冬ならではのキャンプ道具の使い方を誤れば、そこには「楽しさ」などは存在せず、厳しい修行のような時間を強いられてしまうのだ。

冬キャンプをオススメしない理由01:防寒対策のために必要な衣類が増える季節

 冬キャンプは寒さとの戦いであり、快適なキャンプを行うためには防寒対策は欠かせない。日々の生活を送る都市部とは異なり、キャンプ場は気温の寒暖差が大きいため、行動するためにはダウンジャケットなどの防寒着やヒートテックなどの冬用アンダーウエア、厚手の靴下などの衣類が必要になる。

 通常のワークブーツやトレッキングシューズでは寒さに対応できず、スノーブーツが必要になる場合もあり、さらにはグローブや帽子、ネックウォーマーなども欠かせない。冬キャンプは防寒着を揃えるだけでも大きな出費が強いられるということだ。

 また、過酷な冬キャンプではファストファッションの量販店で売られている防寒着は氷点下での使用に耐えることはできないものも多く、アウトドアで性能を発揮してくれるアイテムは決して安価ではない。もちろん、就寝時に使用するシュラフも限界使用温度/快適使用温度の表示を確認し、冬キャンプに対応できるものを用意しなければならない。

冬キャンプをオススメしない理由02:日照時間の短い冬は準備に時間がかかる

 キャンプでもっとも苦労するのがテントサイトの設営だ。地面を慣らしテントやタープを組み立てるのは初心者にとって簡単な作業ではない。とくに冬のキャンプは日照時間が短いこともあり、昼過ぎにキャンプ場に到着するようなスケジュールでは、アッという間に日没を迎え、暗くて寒い状況で設営をすることになる。

 昼間がもっとも短いとされる冬至では日の出から日の入りまでの時間は10時間にも満たず、この短い時間でキャンプサイトの設営を行うには経験が必要だ。日照時間の短い冬シーズンは設計図を見ながらテントを組み立てるようなキャンプ初心者には向いていない季節なのだ。

冬キャンプをオススメしない理由03:結露のトラブルに対応できる知恵が必要

 気温の低い冬のキャンプではテントの中と外気の寒暖差が大きくなり、その影響を受けて発生するのが結露である。テントの中に発生した結露で衣服やシュラフを濡らしてしまい、冷たい思いをしないためにも結露対策は欠かせない。

 防水のスタッフバッグを利用して衣類が濡れるのを防ぐとともに不要なアイテムをクルマの中に入れておくことも必要になる。就寝時はシュラフに防水カバー(シュラフカバー)を取り付けるなど、冬キャンプならではの知恵も必要だ。冬キャンプは結露が発生しやすく、キャンプ後には濡れたテントやタープを十分に乾燥させてから収納しなければならない。この作業を怠るとカビや素材劣化にもつながり、次のキャンプではカビ臭いテントで寝ることになる。

冬キャンプをオススメしない理由04:寒さによるギアの性能低下と凍結のトラブル

 キャンプ初心者の場合、利便性の高さからLPガス(CB缶/OD缶)を使ったコンロやバーナー、ランタンを使う人も多いはずだ。しかし、気温が低い冬はガス圧が上がらず、出力の低下により通常時の火力が発揮できなくなる。

 冬キャンプでは登山用として使用される寒冷地仕様のハイパーガスを用意するか、通常のCB缶やOD缶を使う場合にはカバーを装着するなどの工夫が必要になる。氷点下まで気温が下がるキャンプ場では水が凍ることもあり、クルマの中に保管するなどの工夫が必要だ。

 同様に水分の多い食材や缶ビール、清涼飲料水も同様に凍結しないように保管場所を確保しなければならない。逆に冷やすためではなく、凍結しないようにクーラーボックスを使うのも賢い知恵となる。

冬キャンプをオススメしない理由05:キャンプ場への往復では凍結路面に注意せよ!

 キャンプ場は人里離れた場所にあるのが当たり前。都心部とは異なり夜間には気温が氷点下になることも多く、路面が凍結していることも少なくない。そのため、キャンプ場へのドライブではスリップ事故を起こさないよう慎重な運転を心掛けてほしい。

 とくに夜間の走行時には雪や雨が降っていなくても気温が下がる場所では路面が凍結することも多く、橋やトンネルの出入り口、日陰になる山道などは路面が凍りやすいので注意が必要だ。また、冬キャンプでは急な降雪に備えてスタッドレスタイヤへの交換やチェーンを用意しておくべし。

まとめ:冬シーズンはイメトレと知識向上に励み、春の快適キャンプを目指すべし!

 キャンプ初心者にとって冬キャンプへの挑戦は乗り越えなければならない壁が多いことを理解していただけだろうか。冬キャンプは「キャンプ場が空いている」、「景色が良い」などメリットも多いが、その恩恵は経験を積み重ねた先に残しておいても遅くはない。

 過酷な冬キャンプで「二度とキャンプはしたくない」とネガティブな思考になるよりも、冬シーズンはキャンプ道具のメンテナンスやイメージトレーニングに勤しみ、テントの組み立てトレーニングやキャンプギアの使い方をマスターする時間に当てることが懸命だ。気温が上がり花々が咲き誇る春キャンプを想像し、暖かい部屋で妄想を膨らませる時間も悪くない。

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