深刻な新車販売の生産遅滞
新型コロナウイルスによる生産の滞りは、今でも深刻だ。半導体に加えて、ワイヤーハーネスや各種のユニットなど、多岐にわたる品不足がメーカーの生産ペースを下げている。東南アジアなど、新型コロナウイルスが終息していない地域が残る一方で、経済活動を活発化させる地域もあり、この格差も品不足を加速させた。
納期が伸びすぎて経営にも悪影響が?
新車の販売店に直近の状況を尋ねると、以下のように返答した。「以前は在庫車ではなくメーカーに注文を入れて生産する場合でも、契約を頂いたのち、1カ月から2カ月で納車できた。しかし今は大半の車種の納期が3カ月以上を要する。長い車種だと半年に達する。2カ月以内に収まれば短い部類だ」
そのために新車の販売に伴う1台当たりの粗利も下がり、昔ほどは儲からない。そこに納期の遅延まで加わると、販売店の収益はますます悪化する。
新車への乗り換えは早い時期に提案
そこでどのような対策を立てているかも尋ねた。「お客さまの新車への乗り替えは、なるべく早い時期に提案している。お客さまが使われる愛車の車検が満了する10カ月くらい前には、納期が延びていることを伝えて乗り替えを提案する。そうしないと、新車が納車される前に愛車が車検を迎えることになり、お客さまはスムースな乗り替えができない。希望される新車を購入できないため、仕方なく愛車の車検を取って乗り続ける。販売店もクルマの売れ行きが下がる。このお互いに悪い状況を避けるには、早めの契約をお願いするしかない」
今後フルモデルチェンジを控える車種への悪影響は?
今後はどうなるのか。「納期が改善される兆しはあるが、オミクロン株の動向もわからず、これから納期がふたたび延びる可能性もある」。新型コロナウイルスについては、つねに経験したことのない課題が発生している。これからどうなるかは、誰にも予想できない。ユーザーとしては、販売店のコメントにもあった通り、商談を早めに開始するしか方法はない。
今後、フルモデルチェンジを行うトヨタ・ヴォクシー&ノア、ホンダ・ステップワゴン、日産エクストレイル、マツダ・マツダ2、ダイハツ・ムーヴなどの購入を希望するユーザーは、早めに販売店に問い合わせて、新しい情報が入ったら教えてもらえるように頼んでおきたい。