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【実録】16ビートの震えが止まらない「冬の湖畔」! まじでヤバいと思った冬キャンプの「失敗エピソード」3つ

冬のキャンプでありえないイメージ

楽しさと危険は隣り合わせな「冬キャンプ」

 気温が氷点下を記録し、冷たい風が吹く冬。シーズンを通してもっとも過酷な季節だが、厳しい自然と対峙できる「冬キャンプ」は楽しさも格別だ。しかし、春、夏、秋では何気ない出来事でも、大きなトラブルにつながる可能性を秘めているのが冬。ここでは、筆者であるボクの身近で起きた「冬キャンプ」の失敗エピソードをお話しよう。参考になるかは不明だが、失敗しない冬キャンプのお役に立つのなら本望である。

※写真はすべてイメージです

【実録失敗談:その1】

コーナーポストからのボディアタック!

 最初は少々マニアックな性格を持つ友人Iクンのお話だ。フリーカメラマンのIクンの朝は、天気予報のチェックから始まる。その習慣はカメラマンとして仕事を左右する天候の確認とともに、キャンプに行くためのお天気チェックだという。

 数年前の2月下旬、天気予報では関東地方も雪が降ると報じられた。仕事がオフ日のIクンは愛車にキャンプ道具を詰め込み、埼玉県の山間部のとあるキャンプ場へと向かった。Iクン曰く「雪のなかのキャンプは人がいないし、積もった雪が周囲の音を吸い込んで無音の世界が楽しめる」とのこと。

 雪対策として風を受けない場所にソロテントを張って夜を迎える。雪は夕刻から降り始め、静寂のなかに舞う雪を眺めつつテント泊を満喫しつつ眠りに就いた。ところが翌朝「ドガァ!」という轟音とともに、強烈な衝撃に襲われたのである。何事か……と慌ててテントから這い出してみると、風対策として選んだ場所が大樹の横だったこともあり、枝に降り積もった大量の雪がテントを直撃したのである。

 押し潰されたテントはかまくらののように雪に埋没し、もう少し積雪が多ければ生き埋めになっていた可能性もあったという。プロレスファン(新日本プロレス限定)のIクンは「コーナーポストからフライングボディアタックされたようだった」と笑うが、押しつぶされたテントのポールは折れ曲がり、それは悲惨な状況だったという。

<教訓>
降雪が予想されるキャンプでは大木の近くでテントを張ってはいけない。

【実録失敗談:その2】

16ビートの震えが止まらない冬の湖畔

 この話はボクが実際に体験した出来事である。12月の初旬、季節は秋から冬へと姿を変え、釣り好きのボクは釣り仲間である後輩Sを誘って、某県の小規模ダム湖へとクルマを走らせた。その日を「納竿」と決め、ルーフには愛用のカナディアンカヌーを積みこんでの釣行キャンプである。

 目的地に到着すると急いでテントを張り、サイト設営は完了。ランカーサイズのブラックバスを釣り上げるという妄想を抱いていたボクは、夕刻のプライムタイムにカヌーを降ろし湖面へと向かうことを提案した。ふたりでカヌーを湖面へと浮かべ、ボクはタックル(釣り道具)を抱えてバウ側に乗り込んだ。

 そして離岸するためSがタンデムシートから岸を蹴った瞬間……、ボクの視界に無数の泡が飛び込んできた。そう、離岸を失敗したボクたちのカヌーは転覆し、水温10度のダム湖に放り出されたのである。ライフベストを装着していたことと、岸沿いの浅瀬だったこともあり大事にはならなかったが、一泊の予定だったボクたちは着替えを持っておらず、とりあえずパンイチ(パンツ一丁)になりクルマへと逃げ込んだ。

 クルマの鍵穴にキーが差し込めないほどガタガタと体の震えが止まらず、キャンプ道具を放置したまま市街地へとクルマを走らせてコインランドリーへと飛び込んだ。シュラフを腰に巻いて乾燥機をかけている半裸のふたり組……。その光景はシュールであり、情けない姿であったに違いない。

<教訓>
釣りキャンには予備の着替えを持参し、ライフベストは必ず装着するべし!

【実録失敗談:その3】

もう、爆発寸前!

 最後はキャンプを始めて間もないころ、趣味の仲間と栃木県のキャンプ場を訪れたときの話だ。1月半ばのキャンプ場は閑散とし、ボクたちだけで貸し切りの状態。管理棟から離れたフリーサイトに陣取ってキャンプサイトを設営したのは、多少の騒ぎ声でも誰にも迷惑をかけることのないように配慮したからである。

 素材を持ち寄ったバーベキューで盛り上がり、たき火を囲んでの宴は夜中まで続いた。酔いが回り、ひとり、またひとりとテントに戻り、盛り上がった宴のテーブルをそのままに全員が眠りに就くことに……。

 すると翌朝、屋外に放置したままのペットボトルの水はパンパンに氷結して爆発寸前、そして食材はカチンコチンの冷凍食品と化していた。気を取り直して朝食の支度をするために用意していたガスコンロに火を付けるも、氷点下のではガス圧が上がらず小さな炎を上げるだけ……。

 当時のボクたちは冬用のハイパワーガス(寒冷地対応ガス)を用意するという知恵はなく、氷点下に冷え込んだキャンプサイトで茫然自失状態であった。ダダ下がりのテンションを切り替え、遠く離れた管理棟で水を分けてもらい、寒空の下で薪に火を付けて事なき得ることができたのだが、冬の厳しさを教えられた初心者キャンプであった。

<教訓>
冬のキャンプはテントや車内で水(食材)を保管し、寒冷地対応ガスを用意せよ。

まとめ

つねに危険を予想して行動することが「冬キャン」のお約束!

 冬のキャンプは一般生活では忘れてしまった自然の厳しさが味わえる一方、その厳しさが大きな事故を招くこともある。キャンプでは「何事も経験」と言うものの、命を賭けてまで行うものではない。

 ここで紹介した3つの実体験以外にも、冷え込むテント泊に耐えられずクルマに逃げ込んだことや、車中泊ではドアのウェザーストリップ(ドア用の密閉ゴム)が寒さで張りついてしまい車外に出られなくなるなど経験もしている。

 友人には車中泊で目が覚めたら雪に埋もれていた……などの話もあり、冬のキャンプは危険が隣り合わせに存在していることを忘れてはならない。自然と対峙するキャンプは自己責任ではあるものの、万が一の場合には多くの人に迷惑をかけてしまう。つねに気持ちを引き締め、万が一の危険に備える心構えを持って冬キャンを楽しんでほしい。

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