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車中泊沼にドップリなら「商用バン」! たまのキャンプなら「乗用ミニバン」! クルマはハマリ度で選ぶのが正解だった

商用ミニバンのイメージ

アウトドアを始める際に直面する永遠のテーマのひとつ

 流行の車中泊を行うには「商用バン」と「乗用ミニバン」のどちらがオススメなのかという問題。どの媒体でも何度も取り上げているお題なので「聞き飽きたよ」という読者も多いと思う。しかし、今回はどちらを選ぶのかを「キャンプのハマリ度」によって考察し、自分にマッチした選択を再検討してほしい。

車中泊は守られているような絶対的安心感が魅力

 大流行の車中泊だが、その魅力とはどんなものなのだろう? その理由の筆頭は「手軽さ」であり、キャンプ場を利用することなく気軽にクルマに泊まれることが大きい。車中泊はテントの設営・撤収の手間を省けることはもちろん、布一枚のテントと比べて安心感が高く、季節的な要因に左右されない快適な空間として使用できることだ。

 一方、テントは「キャンプをしてるぜ!」という高揚感や充実感が味わえ、自然と近い場所で非日常を感じることができる。車中泊では味わえないロマンがテント泊には存在し、テントに泊まりたいがためにキャンプに行くという人が少なくないのも事実なのだ。

 車中泊を楽しむ人は決して手抜きのキャンプをしたいワケではなく「クルマに泊まる」という行為自体が楽しく、大きなイベントとして受け取っているはずだ。そうなると、必然となるのが「クルマ選び」であり、広い室内と余裕の高さを誇る商用バンや乗用ミニバンが候補に上がってくる。車中泊を含めたキャンプは「自分が楽しければ正解」であり、クルマ選びも自分のスタイル合わせて選ぶのが正しい選択なのだが、どのクルマにしようかと悩んでいるのならこの記事が少しでも参考になれば嬉しい限りである。

楽しみたい「アウトドア度」によって選ぼう

 まず、今回のお題である「商用バンvs乗用ミニバン」の図式だが、アウトドアやキャンプのハマリ度によって考えるのが分かりやすいだろう。毎週末や大きな休みには必ずはキャンプに出掛ける人を『ハマリ度90%』、月に1~2回はキャンプに出掛け、春夏の連休もキャンプに行く人を『ハマリ度60%』、年に数回、季節の良い時期にキャンプを楽しむ人を『ハマリ度20%』とするならば、示した数値が商用バンのおすすめ度と比例する。

 商用バンの魅力は装備の質素さであり、それゆえに自分でカスタムしながら道具箱として楽しむことができる。乗用ミニバンの快適なシートを取り外してベッドや収納棚と入れ替えるのは心が痛むが、安価なシートや内装を取り外してリメイクできる商用バンは最適な素材でもある。

すべてを楽しめる上級者は商用バンがオススメ

 商用バンのデメリットは、断熱・防音素材が脆弱な室内はエンジン音が車内に響き、夏は暑く、冬は寒いこと。運転席や助手席のリクライニング機構が装備されていないモデルも存在するなど装備面でのチープさは否めないが、それだけにDIYを目的としたハマリ度の高い人に好まれる傾向にある。もちろん、商用バンは積載性にも優れているため、MTBやロードバイク、釣り、クライミング、カヤック、カヌーなどの趣味を支える常設の秘密基地として活躍してくれるはずだ。

 より良いロケーションを求めて移動するサーフィンや釣りなどを趣味に持つ人にとって、テントの設営や撤収の必要のない車中泊は大きな武器になる。遊び道具が満載でき、砂や泥などの汚れを気にせずに使える商用バンを、趣味人たちが選ぶ大きな理由なのだ。

年に数回レベルなら乗用ミニバンが吉

 逆にハマリ度が20~60の場合、年に数回のキャンプや車中泊のためにDIYを行う人は少数派であり、たった数日のために日常的な快適性を捨てることはおすすめしない。最近の乗用ミニバンはシートアレンジの幅が広がり、手を加えることなく十分に車中泊が楽しめるよう設計されている。豪華な内装を持つ快適な室内は防音性にも優れ、商用バンに比べて外気温の影響も受けにくいので車中泊を楽しみたいという人にはおすすめだ。

 豪華なインテリアを持つことで積載性は商用バンよりも劣るものの、自転車や趣味の道具を満載しないのであれば車中泊を十分に楽しむことができる。

 商用バンと乗用ミニバンは似て非なる乗り物であり、決して並列で比較検討するものではない。一年365日のうち「車中泊」がどれくらいのパーセンテージを占めるのか、日常の快適性を捨ててアウトドアやキャンプを優先するのかが選択の分かれ道となる。

 ハマリ度が高く「クルマに乗るのはキャンプだけ」という人ならば商用バンは自分だけの秘密基地として最適であり、ハマリ度が低く「車中泊は年に数回」という人は快適な乗用ミニバンを上手に利用することをおすすめする。商用バン、乗用ミニバンのどちらを選ぶとしても決して安い買い物ではない。もしも手に入れたいと考えているモデルがあるのなら、一度レンタカーを借りて「車中泊」を試してから購入するのも賢い方法である。

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