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星野と中嶋が対決! F1マシンも走る! 鈴鹿サーキットオープン60周年記念のファン感が胸熱すぎた

鈴鹿サーキットの60周年を記念するファン感謝デーが開催

 好天に恵まれた3月5日(土)、鈴鹿サーキットではオープンから60周年を記念して「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」が開幕。翌6日(日)までの2日間、2022年シーズンのキックオフイベントは、2日間合計1万7000人の観客が集まり、多くのドライバーやライダーとともに大きな盛り上がりを見せていました。

“モリゾウ”のサプライズメッセージでイベントがスタート

 初開催となった1988年から、毎年3月に開催されてきた鈴鹿サーキットの「モータースポーツファン感謝デー」。通称“ファン感”は、国内メジャーシリーズの終幕後に行われるトヨタ、日産、そしてホンダの3メーカーが主催する感謝デーとは好対照で、モータースポーツシーズンのキックオフイベント=開幕を告げる風物詩となっていました。

 ホンダ系の鈴鹿サーキットランド(現・ホンダモビリティランド)の主催でしたが、前後に公式テストが開催されることからSUPER GTやスーパーフォーミュラの参加チームが参加し、ファンにも堪えられないものとなっていました。

 それをさらに進化させたイベントが、2019年の“ファン感”、鈴鹿サーキットランドから社名変更したモビリティランドが、トヨタ自動車や本田技研工業と共同で開催した「モースポフェス2019 SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~」でした。

 親会社のホンダはともかく、トヨタはそのホンダとはSUPER GTやスーパーフォーミュラでライバル関係にあります。もちろん本業の自動車メーカーとしても“商売敵”であるトヨタも巻き込んでの“ファン感”は、ある意味カルチャーショックでもありました。

 その後、2020~21年は新型コロナウィルスの感染拡大によって開催が見送られてきた“ファン感”が今回、3年ぶりに復活しました。ホンダモビリティランドにトヨタとホンダが加わる3社共催のベースもそのままに、鈴鹿サーキットのオープン60周年を記念して「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」と銘打った“ファン感”が開催されたのです。

 そして土曜日の朝いちばん、オープニングにはオープニングトークとして“モリゾウ”ことトヨタ自動車の豊田章男社長がビデオメッセージで登場。

「私の7歳の誕生日、父に第1回日本グランプリに連れて行ってもらいました。それが、鈴鹿に行った最初の記憶です。おそらく父からの誕生日プレゼントだったのだと思います。うるさいエンジン音、ガソリンの匂い、そんな誕生日プレゼントでした」と自身の思い出を話し始めた。

「今日も、お父さんお母さんと一緒に来ているとお子さんがたくさんいらっしゃると思います。お子さんたちにとって今日の思い出が忘れられないものになっているといいなと思います」と続けました。

 さらに「少し遅くなりましたが、ホンダの皆さま、チャンピオン獲得おめでとうございました!」と昨年レッドブル・ホンダのドライバーとしてF1ドライバーズチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンを祝福。

 そして「じつは私、モリゾウは、鈴鹿モータースポーツクラブ、SMSCの会員です」と自身と鈴鹿サーキットの関係にも触れ、創設した本田宗一郎さんの業績を讃えたあと、「本日、鈴鹿にお集まりのクルマファン、バイクファン、そして鈴鹿ファンの皆さま、今年もモータースポーツを楽しみましょう!」と結んでいました。

永遠のライバル対決では“元祖”の星野VS中嶋が復活

 これまでの“ファン感”で目玉のコンテンツとなっていたのが「永遠のライバル対決」でした。これは鈴鹿サーキットが50周年を迎えた2012年の“ファン感”にて、第1回目が行われたコンテンツで1980年代の国内レースでしのぎを削った元祖・日本一速い男=星野一義と日本人初のF1パイロット=中嶋 悟がさまざまなクルマを使って対決してきたものです。2018年の“ファン感”で、中嶋が星ひとつリードして最終回を迎えたもの。

 2019年には新たに、本山 哲と脇阪寿一、道上 龍の3人が登場する「新・永遠のライバル対決」が行われていました。今回はこのふたつが合体して「永遠のライバル対決~60周年復活スペシャル」と題して行われました。

 土曜日はまず、前回のチャンピオンとなった中嶋と本山からチャンピオンベルトが返還され、予選ステージとされた東コース3周の戦いとなりました。使用するクルマはホンダN-ONEのワンメイクレース仕様ですが、その“レーススタイル”が独特で、フロントローに並んだ星野と中嶋がスタートした30秒後にセカンドローの3人、本山と脇阪、道上がスタートしていくというもの。

 観客は、ふたつのレースを同時に楽しめる、という趣向です。この日は星野と本山が、それぞれバトルを制して日曜日の決勝ステージのポールポジションを手に入れました。その日曜日は、使用するクルマをGR86に代え、スタートも本山ら若手が先行するスタイルで行われます。そして結果的には中嶋と脇阪がトップチェッカーを受けて新チャンピオンに輝きました。

観客もハラハラする新コンテンツも目白押し

 また今回は、ゲーム感覚のコンテンツも用意されていました。土曜日の朝9時50分から、日曜日は10時55分から行われた「ファン感謝デー スペシャルバトル」は、伊沢拓也組と小林可夢偉組に分かれてスラロームやフルスロットルからのフルブレーキング、パイロンターン、車庫入れなどドライビングテクニックを競うゲーム。

 可夢偉の言葉を借りるなら“クルマの運動会”ということになるのですが、ドライビングを披露するプロドライバーだけでなく、見ている方もゲーム感覚で楽しめるコンテンツとなっていました。

 また土曜日の10時55分から、日曜日は9時半から行われた「ファン感謝デー スペシャルレース」は、2台ずつのN-ONEとGR86を使ってのリレー競技でした。N-ONEとGR86が同時にスタートして、2周を走り切ったらピットインしてN-ONEでスタートしたチームはGR86にリレー。GR86からはN-ONEにリレーというスタイルで、アンカー勝負は先行するN-ONEをGR86が追い詰める展開となり、見ている側も興奮度MAXなコンテンツとなっていました。

 もちろんこうした、ゲーム系のコンテンツだけではなく、ヒストリック系マシンのデモ走行や2輪の走行プログラムは例年通りに行われていました。さらにSUPER GTのエキジビションマッチやスーパーフォーミュラのワンカーアタックなど、来る2022年シーズンを占う意味でも見どころ満載の“ファン感”となっていました。

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