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服部茂章氏率いるHREのシリーズ第8戦は2台ともにマシントラブルに悩み上位フィニッシュならず【2022NASCARトラックシリーズ】

ナスカーの走行シーン

勝利経験もあるカンザスだがセッティングが合わず……

 アメリカでももっとも人気のあるモータースポーツが、NASCAR(ナスカー)のトップ3カテゴリー、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」だ。その内のトラックシリーズに2台のトヨタ・タンドラを走らせているのが、ナスカー界で唯一の日本人オーナーである服部茂章率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」である。今季は、16号車にタイラー・アンクラム選手、61号車にチェイス・パーディ選手という若手ドライバー2名でフル参戦をしている。

前戦でクラッシュした61号車は予選14位スタート

 夏の8連戦がスタートしたこのトラックシリーズ、その連戦の2戦目となるのが、シリーズ第8戦「Heart Of America 200」である。カンザス州カンザスシティにあるカンザス・スピードウェイのコースを134周(201マイル)で争うもので、5月14日(土)に開催された。レースは、第1ステージが30周、第2ステージは60周でチェッカーが出され、残り57周の合計134周の3ステージ制で行われる。

 その練習走行では16番手のタイムを出したのがパーディ選手の「#61 BAMA BUGGIES  TOYOTA TUNDRA」。前戦ではクラッシュでリタイアしてしまったが、今回は3月のラスベガスで使用したシャシーを使った61号車を持ち込み、予選セッションで14番グリッドを獲得した。

 午後8時にスタートしたレースでは、グリーンフラッグと同時にポジションアップ。コーナーの入り口でのハンドリング不調に悩みながらも12番手を走行し、第1ステージを13位で終えた。続く第2ステージでは、陽が落ちて気温と路面温度が下がっていくなか、61号車のハンドリングはコーナー出口での厳しいオーバーステアに悩む状態になっていく。それでも15番前後のポジションをキープし、14位でこのステージを終える。

 そして迎えた最終ステージは13番手から走行をスタート。その直前のステージブレイク中のピットストップで行ったセッティング変更によってマシンの状態は改善し、その後はトップ10圏内を走行していく。しかし、最後のピットストップでオーバーランのミスをしたことで、大きく順位を落とすこととなってしまった。ただ、最終盤での追い上げもあって、この日最後のイエローコーションでトップと同一ラップに復活し、そのリスタートでトラックの内側のラインをうまく活用して粘り強く走り続け、ベストフィニッシュとなる13位を獲得した。

16号車はマシンバランスに悩まされてしまう

 一方、タイラー・アンクラム選手の「#16 LiUNA! Toyota Tundra」は、ここ4戦で3度のトップ10フィニッシュを達成している。さらにシリーズランキングのポジションを上げるため、今季未投入の車両をここで投入することとなっている。気温の高い正午からスタートした走行では、チームメイトの61号車には若干及ばず、予選では20番手グリッドを獲得するに留まった。

 10列目アウト側からレースをスタートした16号車は、スタートからオーバーステアの症状が出ているなかでの走行となってしまう。オープニングラップですぐに4つポジションを上げ、4周目にはトップ15に割って入り、第1ステージで11位を獲得した。ステージブレイクで迅速なマシン調整を行った16号車はこのピット作業で大きくポジションを上げ、第2ステージを6番手からスタートすることに。第2ステージが始まってみると、マシンの症状は大きな改善が見られず、このステージを12位で終えた。

 さらにこのステージブレイクでのピットストップも素早い作業で順位を上げ、6番手で迎えた最終ステージでもその状態は大きく変わらず。バックストレートでのスピードはあるものの、バランスが崩れているという連絡が入り、90周目に出されたイエローコーション下でピットインし車両調整を行った。トップ15圏内での走行を続けたものの、最終的に16位でレースを終えることとなった。

 ナスカー・トラックシリーズは、5月21日(土)にテキサス州にあるテキサス・モーター・スピードウェイで開催された「SpeedyCash.com 220(147周/220.5マイル)」に続く。

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