サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

往年のF1マシンなど登場! 静岡ホビーショーで見つけた新作プラモデルはオヤジ世代感涙のアイテムが目白押しだった

ホビーショーの看板

話題の新車など注目の新作が続々登場

 コロナ禍の影響を受け、2019年以来3年ぶりの有観客開催となった「第60回静岡ホビーショー」。会場となったツインメッセ静岡には、多くのホビーメーカーがこれから展開する商品がお披露目され、多くの来場者が目を輝かせていた。今回はそんな数ある魅力的な商品のなかから、とくに印象に残ったプラモデルを紹介していきたい。

【アオシマ】カンタン組立可能な新型フェアレディZが登場

 かつての子どもたちにとって、プラモデル製作は誰もが経験する“遊び”のひとつだった。しかし、ゲームや携帯といったデジタルツールを使った遊びが普及したこともあり、子どものプラモデル離れは年々進んでしまう……。「ものを作る楽しさのきっかけを作りたい」。そんな発想から生まれた商品が、アオシマから展開されている「ザ・スナップキット」、通称「楽プラ」だ。

 ザ・スナップキットは塗装と接着剤が不要であるほか、通常のプラモデルより部品点数を簡略化。プラモデル入門商品として、幅広い層から支持を受けている。一方、車種ラインアップは現行車のみならず、往年のクラシックカーまでを多数用意。「パパの子どものころには、こういったクルマが走っていたんだぞ!」と、親子でプラモデル作りに没頭するケースも多いという。

 そんなザ・スナップキットの新作として、6月に発売を控えている「新型フェアレディZ」の試作品が披露された。イカズチイエローをはじめとする全6色のうち、まずは4色が来年の1月に先行展開される。そのほかには、オヤジ世代にはグッとくるカスタムホイールを履いたS30型が今年9月に登場する予定だ。

 アオシマではイチから塗装や接着剤を必要とするプラモデルもラインアップされているので、ザ・スナップキットでプラモデル製作の基礎を学び、ステップアップすることもできるのだ。

【タミヤ】往年のF1マシンが現代の技術で復刻

 新型コロナウイルスの脅威は凄まじいものだったが、おうち時間をきっかけに再度プラモデルを製作する「出戻り層」が急上昇したという。そのなかでユーザーからは、「子どものころには高価すぎて手が出せなかった、“憧れだったキット”の再販をしてほしい」という声が続出。タミヤはそういった声に応える形で、1/12サイズのビッグスケールシリーズから、往年のF1マシンであるルノーRE-20ターボとタイレルP34シックスホイーラーを復刻させた。

 タミヤでは、ルノーRE-20ターボがF1を戦っていた翌年の1981年に初めて製品化。その後2006年に再販が行われ、今年16年ぶりに2度目の再販を果たした。当時と比較してプラスチックの強度自体に変化はないものの、現在は3Dモデリングを使用して設計。これにより、部品と部品の組みあわせがしやすくなっている。5月21日に発売されたばかりで、価格は1万4080円。

 一方、5年ぶりに復刻したタイレルP34シックスホイーラーは、エンジンエアファンネルの部品をアルミ切削製に変更。組み上がったときの質感や見た目の良さを、一層際立たせている。こちらは8月に発売を控えている。

 2商品とも、パッケージは初めて発売されたときのイラストをそのまま使用。発売当初に少年だった世代からすると、懐かしさのあまりに涙が出るユーザーもいるかもしれない。

【プラッツ】アイルトン・セナがドライブした伝説のマシン

 ほかに往年のF1マシン関連では、プラッツが展開するBEEMAX・nunuブランドから出展された1/12ロータス99Tも注目の的となっていた。1987年にアイルトン・セナがモナコグランプリを制覇した際の仕様になっており、モノコックから前後のサスペンション、そして最強のV6ツインターボエンジン「ホンダRA167E」までを精密に再現している。

 カウルの着脱は完成後も可能になっているので、「自分の手で組み上げた細かいパーツを眺めながら酔いしれる……」なんてこともできるのだ。BEEMAX・nunuブランドで1/12サイズのF1マシンを製作するのは初の試みとのことで、金型は完全に新設計されている。パーツは保持力を考慮して、プラスチックに鉄の成分を配合。硬いプラスチックなので、金属音を奏でるのはリアル感が増してマニア心をくすぐる。発売は8月を予定しており、価格は2万8600円。

 さらに、静岡ホビーショーではロータス99Tに続く第2弾として、16戦15勝をマークしたマクラーレンMP4/4が1/12サイズスケールで開発中であることが明かされた。2台とも歴史に名を残したマシンなだけに、往年のF1ファンなら自らの手で組み上げたいことは間違いないだろう。

 そのほか、BEEMAX・nunuはレーシングカーのキットに力を入れているブランドなだけあって、1/24サイズでもツーリングカーやラリーカーの名車も多数ラインアップしているのが特徴となっている。

【童友社】70年代に流行った機構はそのままに販売

 会場では進化・新設計されたプラモデルが多数を占めていたが、あえて発売当初のままの商品もあった。それが、童友社から展開されている昭和の名車シリーズである。

 昭和の名車シリーズは1970年代から1980年代にかけて山田模型から発売されていたプラモデルだったが、山田模型が廃業になったタイミングで童友社が金型を引き継ぎ、パッケージのみを変更して展開。その後約20年のときを経て、パッケージも初版と同様のイラスト調に戻し、復刻が実現した商品となっている。

 昭和の名車シリーズがほかのメーカーの製品と大きく異なるのは、1970年代に大流行した懐かしの“モーターライズ機構”が同梱されている点だ。童友社としても「ザ・復刻」を目指すうえで、走らせることが可能になるモーターライズ機構は欠かすことのできない存在だったとのこと。実際に製作したユーザーからも、多くの喜びの声が届けられているようだ。

 昭和の名車シリーズでは現在、フェアレディZ432/セドリックHT 20000 GX/ブルーバードU HT 1800 SSS-E/スカイライン HT 2000GT-Xといった、日産&ダットサンの名車4台が発売されているが、第2弾として新たに4台が仲間入りする予定。チェリーX-1・R/カローラ・マークII-L HT/クラウン HT SL/セリカ LB 2000 GTと、オヤジ世代が童心に戻ることができる顔ぶれとなっている。価格は3278円。

オヤジ世代も現代の若者もトキメク製品で溢れていた

 各プラモデルメーカーの異なるアプローチが垣間見えた静岡ホビーショー。ただどこのメーカーも共通していた点は、オヤジ世代にとっての“憧れ”をはじめとする魅惑的な車種ラインアップを揃えていたことだろう。そしてプラモデルだけでなく、完成形ミニカーも印象に残ったものが多数あったので、あらためて紹介していきたいと思う。

モバイルバージョンを終了