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高品質なのに低価格! 実車並みのリアルな再現度! 大人がどハマリするミニカーの進化ぶりがハンパなかった

静岡ホビーショー2022

静岡ホビーショー2022に出展された完成形ミニカーに注目した!!

 3年ぶりに有観客で行われ、大盛況で幕を閉じた静岡ホビーショー2022。会場にはプラモデルやRCカーなどを中心に、80社以上がブースを出展。本稿では会場で目を惹いた完成形ミニカーをピックアップ。高品質ながらリーズナブルなモデルカーからチョロQのカーフィギュアなどに注目した。

1/43サイズの’80年代ネオクラモデルカーが手軽にコレクションできる

出展社名:国際貿易/イクソ&ノレブジェイ

 飾るスペースや集めやすさを考慮すると、完成形ミニカーでは1/43サイズが主流となっている。しかし近年は価格が上昇傾向にあり、相場価格は1台が8000円〜1万円台に。よほどのミニカーコレクターではない限り、手が出しづらくなってしまった。そんななか1/43サイズでは破格の3580円(税込)で販売しているのが、オモチャの輸入商社である国際貿易がプロデューサー的な立場となって取り扱っている「First43シリーズ」や「NOREV J」である。

 前述した通り、国際貿易はプロデューサー的な存在。First43はミニカー界ではおなじみの「ixo」(イクソ)などを手がけるマカオのPCT社傘下のブランドであり、「NOREV J」(ノレブジェイ)はフランスの老舗モデルカーブランドが製造を担当している。よって値段が安いからといって、クオリティが低いわけではない。

 国際貿易の矢田誉社長は、破格の値段で展開する意義を以下のように語った。

「これからミニカーを集める人に向け、登竜門的なダイキャスト製ミニカーを作りたい想いがありました。1万円なら休日家族サービスの値段になってしまいますが、ちょっとした飲み代を1日我慢する価格帯なら絶妙だと思い、3580円(税込)で設定させて頂いています。4000円を超えるなら辞める覚悟です」

 車種は1980年代のネオクラシックカーを中心とした顔ぶれだが、スズキ・マイティボーイやホンダ・バモス(1970年)といったコアなファンを持つクルマも取り揃えている。各車のボディカラーは、CMやカタログに掲載されたイメージカラーを設定。そのほか、自動車博物館での販売も考慮している。例えば、マツダミュージアムに展示されているロードペーサーのボディカラーはライトグリーンなのだが、First43では展示車両と同色のロードペーサーを用意。こうすることで、博物館での展示車両を見て脳裏に焼き付いたイメージを、お土産として購入できるというわけだ。

 First43やNOREV Jは、気軽にミニカーコレクションを楽しみたい人はもちろん、クルマ好きになるきっかけをも与えてくれる、魅力的な商品だと言えるだろう。

コレクターからの厚い信頼に応えてくれる職人技の仕上げに注目

出展社名:Make Up Co., Ltd./メイクアップ

 レジン製のミニカーは透明感ある艶やかな質感が特徴で、細かい造形を出すことも可能。一方、経年劣化の影響で縮みが出てしまう弱点もある。そんなネガティブな要素を製造段階から払拭しているメーカーが、メイクアップだ。最大の強みは、自社工場を所有していること。小ロットの生産で、レジンモデルの弱点を想定したパーツの製造ができるので、再現性が高いミニカーを作るうえで融通が効くのだという。

 また、メイクアップでは塗装段階でもこだわりを持っている。同社ではグループCカーやツーリングカーを手がけており、デカール部分にウレタンクリアコート(=クルマで例えるとコーティング)処理を実施。ただクリアコートを塗ると、表面張力で塗装したデカール部分がデコボコしてしまう。こういった影響を想定して、造形レジンの下地処理から塗装までの各段階で、手磨き作業が行われている。こういった気遣いが細い造形を再現したミニカー製作につながっており、コレクターからは絶大な評価を得ている。

 そんなメイクアップからは、新型フェアレディZのミニカーを多数展示。プロトスペックや右ハンドル仕様に加え、東京オートサロン2022で披露された “カスタマイズプロト”の開発にも着手していることが明かされた。カスタマイズプロトは、伝説の名車“432-R”のオレンジを新型Zに施したモデル。静岡ホビーショーの会場では、新型Zの新商品や試作品を展示するメーカはあったものの、カスタマイズプロトのミニカーを展示したのはメイクアップだけだった。開発者も「実車自体のデザイン性が高いので、ミニカーとしても作り甲斐があります」とのこと。最終形態はどうなるのか、非常に楽しみなモデルだ。

ボールジョイントでタイヤが動かせるカーフィギュアのQ’s

出展社名:トミーテック/チョロQ

 原型は昔ながらのテイストを活かしており、トヨタ2000GTやランボルギーニ・カウンタック、6月には童夢零が仲間入りを果たすなど、魅力的な車種たちが揃っているチョロQゼロ。クオリティも高くオヤジ世代からは評価を受けている一方、手のひらサイズながら2860円(税込)という価格がハードルとなってしまい、新規の購買層を取り逃がしてしまっていた。この問題を解消するために、チョロQゼロを展開するトミーテックは、チョロQの概念を壊した新商品「Q’s」を披露した。

 Q’sでは、チョロQシリーズのシンボルとも言える“ゼンマイ”を排除。その分タイヤを手足のように自由自在に動かして、ウィリーやジャンプなど、ミニカーではなくカーフィギアとして楽しむことができるのだ。商品誕生の舞台裏を、トミーテックの担当者に聞いてみた。

「Q’sのターゲット層は20代から30代です。彼らにとって、チョロQのイメージはテレビゲーム。そこで、テレビゲームに出てくるチョロQの姿=クルマが擬人化した姿を商品化したら、おもしろいかなと思ったわけです。また、チョロQゼロでも同様なのですが、ゼンマイを巻いて遊ぶユーザーはほとんどいません。新ジャンル開拓を機に、ゼンマイを取り外す決断を下しました」

 担当者の言葉通り、ゲームのような場面の再現も可能。そのワンシーンを写真で撮影し、SNSにアップする楽しさも兼ね備えている。Q’sは、新しい遊びの提案を行う商品として、まもなくスタートラインに立つ予定だ。

カーライフのワンシーンを切り取ったジオラマ「ジオコレ64」が大ヒット中!

出展社名:トミーテック/トミカリミテッドヴィンテージ&ヴィンテージNEO

 トミーテックでは、トミカの大人版として展開されている“トミカリミテッドヴィンテージ/ヴィンテージNEO”で新たな遊びの提案を行っている。トミカリミテッドヴィンテージ/ヴィンテージNEOの使命は、トミカのクオリティを超えること。サイズはともに1/64だが、箱のサイズに合わせたノンスケールのトミカに対し、トミカリミテッドヴィンテージ/ヴィンテージNEOは、クルマによってサイズが異なっている。

 しかしながら、ミニカー単体ではバリエーションにも限界があり、コレクションを辞めてしまう人が出てきてしまうかもしれない。そういった状況を考慮し、一昨年からフィギュア付き商品“ジオコレ64”の展開をスタートさせた。

 ジオコレ64はクルマのある生活をコンセプトに、クルマで起こりうるワンシーンを商品化したもの。キャンプや洗車、取材を受けるシーンなど、光景のバリエーションは豊富だ。そのほかクルマの入れ替えや、フィギュアを融合することで、自分だけのオリジナルシーンを手がけることも可能となっている。今までになかったミニカーのコレクションアイテムとして、ジオコレ64は絶賛大ヒット中。今後も別のシーンを用意し、ラインアップの拡充を図っていく。

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