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「配置」ですべてが決まる! プロが教える「快適」なキャンプサイト作りとは

ふもとっぱらオートキャンプ場

ビギナーキャンパーでも簡単にできる!
キャンプサイト作りの基礎講座

 キャンプを始めてまずつまずくのがキャンプサイトの作り方だ。周囲を見渡すと素敵なレイアウトのサイトが多く、なぜか自分のサイトだけがゴチャゴチャしているように見えた経験はないだろうか? そう、サイトの設営は簡単なようで意外と難易度が高く、キャンプで経験を積まないと身に付かない『慣れ』が必要なのである。今回はキャンプビギナーに向けた、サイト作りの基礎講座としてアドバイスをお届けしたいと思う。

自宅のリビングと一緒でモノを
置きすぎない整理整頓が大切!

 まず、ビギナーが陥りやすいワナが「不要なキャンプ道具を持ち込み過ぎる」ことだ。キャンプの上級者には、数多くのキャンプ道具を効率的にレイアウトすることでサイトを飾るタイプと、必要最低限のキャンプ道具でシンプルにサイトを構築する人に分かれる。前者の場合にはキャンプ道具を種類や機能別に分け、棚やラックを使って立体的に配置していることが多い。

 立体的にサイトを構成することで道具をスッキリと見せる高等テクニックだ。例えるならプロが作る料理がお皿に広げるのでなく、高さを使うことで豪華さや美しさを演出しているのと同じである。また、お皿の余白を残すことで美しく見せている手法も、サイト作りの参考にすると良いだろう。キャンプサイトをお皿に見立てれば、テントは一番高さがあり、テントを中心に手前に向かって徐々に背の低い順にレイアウトしていくこと。サイトをギリギリまで使うのではなく、お皿に余白を残すように一番手前にフリースペースを残しておけば、視覚的にも美しくレイアウトできる。

 後者のできるだけ道具を持ち込まないスタイルではおのずと余白が生まれ、広いスペースを自由に使っている印象を作り出すことができる。その場合もサイトの入り口にスペースを取り、最奥部分にテントを張ることで広い庭付き平屋のような贅沢感を得ることができる。

クルマは適当に駐車するのではなく
サイトのひとつとして上手に活用する

 またオートキャンプの場合、ビギナーはクルマを有効に使えていないことが多い。簡単に言えばサイトにクルマを駐車しているだけで、クルマがスペースを圧迫しているだけの邪魔者になっているということだ。オートキャンプではクルマもキャンプ道具のひとつとして有効に使うことが重要で、背の高いSUVであればルーフレールにタープを取り付ければポールの代用となり、クルマから伸びるタープ側のドアを開放してリビングルームやベッドルームとして活用することも可能だ。

 さらに大型のキャリアを使用しているのなら、ソーラーパネルを広げてポータブル電源に充電することができ、星空を眺める子ども向けの展望台として使うのもおすすめだ(最大積載重量に注意)。また気を付けるべきは駐車時のクルマの向き。とくにミニバンの場合にはスライドドア側をサイトの内側に向けること。

 片側スライドドアの場合、基本的には歩道側となる左側が開くように設計(日本のように左側通行向けの場合)されているので、駐車する場合の参考にしてほしい。ドアをサイト側に向けることで、車内空間を有効に利用することができる。逆に言えばドアを外側に向けてしまえば、ただの壁になってしまいサイトに圧迫感を与えてしまう。

使いやすいキャンプサイト作りの
ポイントは生活動線がポイント!

 最後に“キャンプ初心者あるある”が「生活動線」を考えずにテントやタープを張ってしまうことだ。これは住宅と同じ理屈で、人が動きやすい動線を確保することで生活が快適になる。トイレや炊事場に行くときにタープのガイロープが邪魔になったり、テントへの出入りに焚き火台を避けなければならないレイアウトは決して快適とは言えない。人が移動するための動線を考えてテントやタープを張り、調理台や焚き火台、チェアやテーブルを配置することが、快適で美しいサイト作りには欠かせないことを覚えておくべし。

 何度もキャンプを繰り返すことで、使いやすく美しいサイト作りへの経験値は上がっていくが、事前に基本となるレイアウトを考えておけばキャンプ場で慌てることはなくなるはずだ。そして、キャンプ場で素敵なサイトを見つけたらオーナーさんに声をかけ、サイト作りの参考にするのも良いだろう。美しいサイトは快適性の表れでもあり、快適なキャンプは楽しさを倍増させる。キャンプビギナーは道具の性能よりも、サイトのレイアウトを考えることが肝心なのだ。

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