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アウトドア女子にも大人気のジムニー! 軽オフローダーが30年以上もキャンパーに支持される理由とは

いまも納車待ちが続く人気のジムニー

じつはアウトドア派から支持されて30年の歴史あり

 世界に誇る、ミニマムサイズの本格SUV、スズキ・ジムニーは、かつては道なき道を行くオフローダーとして地位を確立した、ある意味、ジムニーを本当に必要としている人、そしてマニアのためのクルマだった。それが今ではアウトドア派やキャンパーにまで愛されるようになっている。

90年代のアウトドアブームが裾野を一気に拡大

 1970年に登場した初代ジムニーは、まさにジープのような幌付き3名乗車の、ある意味ワイルドで軍用車に近い、乗用車とは別物のバンタイプの仕立てであった。そんなジムニーが一躍、多くの人に愛されアウトドアなどに引っ張りだこになったきっかけは、おそらく、バブルの崩壊が引き金となったとみていいだろう。それまでのバブル期に盛り上がった高級ホテルや旅館に泊まるレジャー志向から一転、安く旅ができるキャンプブームが到来。アウトドア女子、ジムニー女子といった女性のアウトドア、キャンプ愛好家が一気に増えたのもバブル崩壊以降の90年代だった。

 なにしろ90年代のアウトドアブームでは、キャンプ人口が年間1800万人とも言われるほど。小学館に『BE-PAL』というアウトドア派向けの雑誌があり、創刊は1981年6月だが、90年代以降、売り切れ完売の号も少なくなかったらしい。ドリカムが主題曲を歌ったアウトドアムービー、『7月7日、晴れ』(主演は観月ありさと萩原聖人)が公開されたのも、96年のことである。

90年に660ccとなり遠出もしやすくなった

 そこで、アウトドアに乗っていくクルマにもこだわる人が増え、爆発的な人気を呼んだパジェロや2代目ジムニーに注目が集まり、売れに売れたのである。とくにジムニーは軽自動車の規格変更が1990年に行われ(2代目第3期)、エンジンの排気量がそれまでの上限550ccから660ccとなり、アウトドア、キャンプのための遠出がより楽になったのも、ジムニーブームを後押しするきっかけのはずである。

 もちろん、軽自動車ならではの価格、サイズ感、そしてもちろん走破性の高さがアウトドア派、キャンプ好きに受けたことは言うまでもない。走破性という意味では、90年代のアウトドアフィールドは今ほどアクセス路、構内路が整備されていなかったこともあって、安心のための走破性が重視されていたとも言えるのである。

やがてクラシカルなスタイルが「オシャレ!」と再評価

 また、1995年の2代目4期型ではサスペンションの変更で、とくにオンロードの操縦安定性と快適性が向上。それがより幅広いユーザーをジムニーの虜にしたきっかけとなったはずだし、ジムニー初のターボモデルの追加も、それに拍車をかけたというわけだ。

 同年に登場したターボモデルの特別仕様車、64psのランドベンチャーは3速ATを搭載。非マニュアル派のアウトドア&キャンプ女子にも大きくアピールしたことは間違いないところである。クラシカルなスタイルが、オシャレ! と感じるキャンパーも多かったに違いない(現在のビンテージアウトドアグッズブームにもつながる)。

コロナ禍のアウトドアブームでも絶大な人気を誇っている

 そんなジムニーが、90年代とはちょっと事情が違うコロナ禍でもある現在のアウトドア&キャンプブームでも絶大なる人気を誇っている。2021年度の軽自動車販売台数では、N-BOXやスペーシアといったスーパーハイト系が幅を利かせるなか、年間4万台近くが販売され、スライドドアや広大な室内空間を持たずとも、N-WGNに次ぐ13位(前年比103.6%)につけているという着実な売れ行きだ。

 よって、アウトドア&キャンプ派にとってのジムニー人気は、決して今に始まったことではなく、90年代のバブル崩壊以降から30年以上の歴史に支えられているということだ。

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