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なにげないドアの開閉が大迷惑! 車中泊キャンパーがやってはいけないNG行為5選

車中泊キャンプ

キャンプブーム禍で一気に高まった車中泊キャンプの功罪

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、不要不急の外出を控えることが当たり前となり、夜の歓楽街や混雑するアミューズメントパークへと足を向けることが「悪」とされてから久しい。その“言い訳“として、野外で人と接する機会が少ない「キャンプ」や「アウトドア」が急速に人気を博していったのは周知の事実。ホテルや旅館などの宿泊施設は閑古鳥が鳴いている一方、週末のキャンプ場は満員御礼という異常な事態が今もなお続いている。

 それまではノンビリとキャンプを楽しんでいた人たちにとって、この危機的状況は悪夢であり、歓迎すべき出来事ではないが、キャンプをすることは自由であり、新たなファンを拒絶する理由もなければ権利もない。最近ではテントを張ることなく簡単にキャンプが楽しめる車中泊がブームとなり「キャンプブーム」を後押ししていることは間違いない。

お手軽な車中泊カー人気でキャンプ場でも車中泊派が増加

 車中泊とはテントの代わりにクルマを宿泊のベース基地としてキャンプを楽しむものだが、最近ではメーカーも車中泊を推奨するように数多くのオプションパーツを用意し始めている。普段は乗用車として生活を支え、週末になれば手軽なキャンピングカーとして利用する二面性があり、日常と非日常を合わせ持つ車両が増えたことで、車中泊は手軽な趣味として人気を集めているようだ。確かにキャンプを始めたばかりのビギナーにとってテントやタープの設営は大きな壁となり、キャンプサイトにクルマを乗り入れるだけで宿泊ができる車中泊は手軽であり魅力的に感じることだろう。

 しかし、簡単であるがゆえにキャンプに対しての経験値を上げることなく楽しんでしまい、マナーやルールを疎かにする人たちが増えているのも事実。最近ではマナーやルール違反が大きな問題となり、車中泊を禁止するキャンプ場も増え始めている。先ほども記した経験値という問題だが、一度でもテントで宿泊をしたことがあれば、布一枚のテントでは外の音が驚くほど聞こえ、就寝時に通常の会話をしても迷惑になることは理解できるはず。

 しかし、テント泊という経験をせずにクルマという宿泊スペースを利用してしまうことで、会話の大きさやドアの開閉音が迷惑になることに気が付かない人が増えてしまうのは当たり前のこと。

 そんな未成熟なキャンパーが増えればキャンプ場に対してもクレームが入り、「車中泊禁止」という決断が下されるのは当然だ。車中泊をしているキャンパーが自分で自分の首を絞めていることに気付いていないのは悲しいことでもある。では、車中泊をするにはどんなことに気を付ければ良いのだろうか? ここでは車中泊において守るべき5つの基本となるマナーとルールについて解説していこう。

キャンプのクルマのマナーその1:
「キャンプ場内は徐行が鉄則」

 キャンプ場は小さな子どもが多く、テントの影から飛び出してくる可能性もあるので、必ず徐行(すぐに停止できる速度)するのが鉄則。クルマが走ることで砂埃が立てば、ほかのキャンパーに不快な思いをさせてしまうこともあり、砂埃を立てないように走る気遣いも忘れてはならない。

キャンプのクルマのマナーその2:
「エンジンは極力、始動させない」

 車中泊で一番問題になるのがエンジン音だ。乗っている人間は気付かないことも多いが、エンジンの音は静かなキャンプ場では想像以上に響いてしまう。ましてや夜間に「暑い」もしくは「寒い」からと、エンジンを始動して冷暖房を使うのは絶対にNG。エンジンをかけるのは入場と退場のときだけと考えよう。

キャンプのクルマのマナーその3:
「就寝後のドアの開閉は極力避ける」

 夜間に迷惑なのはエンジン音だけではなく、ドアの開閉音も同様だ。とくにスライドドアの場合、「ガラララ…ドン」という大きな音が出てしまうので注意してほしい。また、クルマの施錠、解錠時のアンサーバック音(ピピッなど)が鳴る車種も同様であり、ドアの開閉・施錠時にヘッドライトやテールライト、ウインカーが点灯するモデルも要注意。アンサーバック/ウェルカムライト機能が解除できるモデルであれば、キャンプ場へ行く前に解除しておきたい。

キャンプのクルマのマナーその4:
「ヘッドライトを作業灯にしない」

 夜間にヘッドライトを作業灯の代わりにしている人をみかけるが、これは絶対にやってはいけないNG行為。ヘッドライトは遠くまで照らす照度があり、布一枚のテントを明るいヘッドライトで照らしてしまえば、睡眠の妨げとともに強烈なストレスを与えてしまう。夜間にどうしても作業が必要になる場合は、手元を照らせるライトやランタンを用意しておこう。

キャンプのクルマのマナーその5:
「車中の会話は小声で行う」

 テントに比べてクルマは密閉性が高いのは事実だが、窓を開けていると車内に声が共鳴して外まで響いてしまうもの。車内だからと安心して普通の音量で会話をしてしまうと迷惑になってしまう。車中泊といえども、夜間は小声で話をするのがマナーでありルール。もちろん音楽やテレビ、DVDを見るときにも音量に気を付けること。ウーファーを響かせて音楽を聞くことや、大音量でDVDを鑑賞するのはもってのほか。キャンプ場で決められた就寝時間に従い、それ以降は音を立てないように気遣うこと。

【まとめ】車中泊文化を守るためにも
マナー&ルールを守って楽しみたい

 今回は5つの基本的なマナーとルールについて触れたが、キャンプを愛する人から見れば「これはマナーでもルールでもなく常識だ」と言うはずだ。しかし、ここまでブームになった車中泊において「常識」を守れない輩が増えてしまったというのが現実。もちろん、しっかりとマナーとルールを守って車中泊を楽しんでいる人たちは沢山いるが、ブームに乗り車中泊派キャンパーの分母が増えたことで、マナーを守れない人が目につくようになっている。

 最近ではキャンプ場だけでなく、それまで休憩を前提とした車中泊を許容していた道の駅でも禁止する場所が増えていると聞く。このままでは「車中泊」をする場所が無くなってしまう可能性は決してゼロではない。手軽に楽しめる車中泊だからこそ常識を持って臨むことが大切。ほかのキャンパーを気遣い、お互いに気持ち良く楽しむことが車中泊の明るい未来に繋がるのだ。

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