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約3300万円で現行「ジュリア」を初代風にカスタム!「レトロモッド」でアルファ ロメオがカッコよく変身

初代ジュリア(105系)をオマージュしたモデル

 イタリアにあるErreErre Fuoriserie(エレエール・フォリセリエ)社が、アルファ ロメオの現行ジュリアをベースに、エクステリアを往時の105系ジュリア風に変更できるカスタムキットを製作した。

 1962年に登場した初代ジュリア(105系)は、2022年で60周年を迎える。それを記念し誕生したこのカスタムカーは、現行モデルのジュリア クアドリフォリオがベース。流行りの「レストモッド」ではなく、ErreErre Fuoriserie社は「レトロモッド」だと謳っている。

アルファ ロメオ ジュリアとはどんなクルマだったのか?

 初代ジュリエッタの後継モデルとして1962年に登場した105系ジュリアは、当初ベルリーナ(イタリア語でセダンのこと)のみが新しいボディでラインアップされた。精悍な2ドアクーペおよび流麗なスパイダーは、ジュリエッタのボディを流用したモデルがそのままリリースされたのだ。

 完全なる新型車として先行登場した4ドアセダンは、コンパクトな車体にスポーツカー並みのDOHCエンジンを積んだ高性能サルーンとして人気を博し、アルファ ロメオは後に大人気モデルとなる2ドアクーペ仕様をその好況下で市場投入した。

 2ドアクーペのエクステリアのデザインを担当したのはカロッツェリア・ベルトーネで、ジュリエッタ スプリントを描いたフランコ・スカリオーネではなく、若き日のジョルジェット・ジウジアーロが手腕を発揮。現在も彼の代表作のひとつとなっているこの新しい2ドア4座クーペは1963年に登場し、ジュリア スプリントGTという車名が与えられた。

 2017年から日本で販売されている現行ジュリアは、75(1992年に生産終了)以来となるファン待望のFR(フロントエンジン/リヤドライブ)方式を採用している点が特徴だ。四半世紀ぶりに後輪駆動となったことで、非常にスポーティなクルマとなり、ライバルとなるドイツ車勢に真っ向勝負を挑めるようになった。

レストモッドとは?

 レストモッド(レストアとモディファイを合わせた造語)は、経年劣化や故障などで傷んでしまった旧車を現代の技術で徹底的に修復しつつ、一部を新たな解釈でカスタマイズする(最新のエンジンを搭載したり……)というもの。単なるレストアとは異なる点がポイントだ。

標準のジュリアより200kgも軽量化

 前置きが長くなってしまったが本題へ戻ろう。今回のレトロモッドではおもにエクステリアデザインの変更が中心となる。カーボンファイバー製のカスタムキット(設計のためだけに約5000時間も費やされた)が用意された。

 ジュリア クアドリフォリオのサポートフレームを変更することなく、105系ジュリアへのオマージュとなるレトロテイストのスタイルを完成させている。マテリアルとしてカーボンファイバーを採用することで、標準のジュリアよりも200kgほどの軽量化が図られているそうだ。

 カスタムキットのディテールをチェックすると、フロントエンドには4灯式のヘッドライトを備え、アルファ ロメオ伝統の盾型グリルは小さくなっている。バンパーの下部には、円形のエアインテークがある。

 リヤエンドには四角くなったスタイルとマッチする長方形のブレーキランプが配置され、ふたつの小さなスポイラーがルーフの後端とトランクリッドの上に鎮座している。スチールホイールは、105系ジュリアをイメージしたクラシカルなデザインだ。

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 ErreErre Fuoriserieのカスタムキットは、イタリアの職人技を存分に愉しめる仕上がりなので、ジュリア クアドリフォリオの圧倒的な動力性能とともに“アルファ ロメオ・ルネサンス”を強く感じることができる。カスタムキットの価格は20万7502ポンド(邦貨換算約3360万円)。ジュリア クアドリフォリオは別途用意することが必要となる。

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