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『グランツーリスモ7』のチューンナップを検証! トヨタ「86」で筑波アタックして最速だったチューニングは?

ハンドルコントローラーとゲームシートを備えた筆者のコックピット

ハンドルコントローラーとゲームシートを備えた筆者のコックピット

eモータースポーツのトッププレイヤーが検証する

 2022年3月にソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売されたPlayStation 5、PlayStation 4用ソフト『グランツーリスモ7』。自分の好きなクルマをゲーム内で購入しプレイしている方も多いのではないだろうか。

「グランツーリスモ」シリーズは手軽にエンジンパーツなどを購入して、チューンナップできるのも大きな魅力のひとつだ。ただし、闇雲にチューンナップを行っても思うようにタイムを伸ばせない、または、かえって走りにくいクルマとなってしまうことも多々ある。今回は限られた資金でどのようなチューンナップを行えば効率的にタイムを伸ばせるかを検証していこうと思う(編集部注:筆者は「グランツーリスモSPORT」を使った世界大会のひとつ「FIA GT アジアリージョンファイナル」に出場経験あり)。

トヨタ「86」で予算300万Crのチューニングを比較

 検証に使用する車両は2015年式のトヨタ「86」。予算300万Crの中でチューンナップを行い、筑波サーキットでタイムアタック走行を行う。

 チューンナップについては、以下の3通りを行った。

【1】徹底的な馬力重視
【2】馬力と軽量化重視
【3】足回り、馬力、軽量化等バランス重視

 どの手法が最もタイムが出るのか、走りやすさ等のフィーリングも含めて考察していく。参考までに、ノーマルの状態でのタイムは「1:08.946」である。これを軸に、各チューンナップを見ていこう。

【1】徹底的な馬力重視

 予算の中で最大限に馬力を上げてみた。チューンナップは以下の通り。

・ターボチャージャー 高回転型(172万Cr)
・レーシングインタークーラー(31万Cr)
・レーシングエアクリーナー(20万Cr)
・レーシングマフラー(70万Cr)

 馬力は272ps、車重はノーマルと変わらず1230kgとなった。結果、筑波のタイムは「1:07.904」。ストレートスピードが伸びる分、ノーマルよりは約1秒速いタイムとなった。立ち上がりでホイールスピンして運転しにくいものになると予想していたが、案外そのようなことはなかった。

 しかし、ストレートがあまり長くない筑波サーキットでは高回転型のターボはあまり相性が良いとは言えないように感じた。富士スピードウェイなど、直線の長いコースではこのチューンナップの良さが生きるかもしれない。

©2022 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. Any depiction or recreation of real-world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. All rights reserved. “Gran Turismo” logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc.

【2】馬力と軽量化重視

 次は、馬力をある程度伸ばしつつ、軽量化を図った。チューンナップは以下の通り。

・軽量化ステージ1~ステージ3(計140万Cr)
・ターボチャージャー 中回転型(115万Cr)
・レーシングインタークーラー(31万Cr)

 これで馬力は254ps、車重は1008kgとなり、筑波のタイムは「1:07.479」。馬力重視のチューンナップよりも約0.5秒速いタイムとなった。車重が軽くなった分、コーナリングが速くなった印象だ。また、パワーウェイトレシオではこちらの方が勝っていることもあり、直線でも馬力重視のものに劣らなかった。

 一方、中回転域でターボがかかるためか、立ち上がりがかなりピーキーになった。慎重なアクセルワークが求められ、完全にトルクに対してタイヤが負けてしまっている状態である。ノーマルと比べ、ドライバビリティは下がったと言わざるを得ないだろう。

【3】馬力、軽量化、足回り等バランス重視

 様々な方面でチューンナップを行い、バランスの良いクルマとなるようにした。チューンナップは以下の通り。

・軽量化ステージ1~ステージ2(計80万Cr)
・スポーツタイヤ ソフト(30万Cr)
・ロークロスミッション(40万Cr)
・ターボチャージャー 低回転型(97万Cr)
・セミレーシング クラッチ&ホイール(51万Cr)

 馬力は239ps、車重は1057kgとなった。結果、タイムは「1:02.973」。上記チューンナップよりも4秒以上速いタイムとなった。タイヤをデフォルトのコンフォートソフトからスポーツソフトに換えたことにより、コーナリング速度が飛躍的に上がったと同時にブレーキングポイントを奥に置くことができた。また、ロークロスミッションを組むことによって馬力不足を補うことができたこともタイム上昇に寄与したと言える。

 強いて言えば、タイヤのグリップの高さに対してクルマの剛性が少し負けており、若干ピーキーに感じる箇所もあった。剛性アップのチューニングも行うことができるが、100万Crと予算オーバーになってしまうため今回は用いなかった。これを行えばよりドライバビリティの高いものとなるだろう。

気軽に様々なセッティングを試してみよう

 筆者もクルマの知識がほぼなかった少年時代に「グランツーリスモ」をプレイしていた時は馬力ばかりをあげていたが、今回の検証では馬力よりも足回りのチューニングがタイムアップに大きく寄与することがわかるだろう。

 もっとも、ロークロスミッションは筑波サーキットという比較的狭いサーキットだからこそ生きたものではあるが、やはりサーキットに合ったギヤ比をセッティングすることも大切だと言える。

 このように、チューンナップによってクルマの乗り味、タイムは大きく変化する。実車で試行錯誤しようとするとかなりコストがかさんでしまうが、ゲームでは気軽に行うことができる。こういった楽しみ方ができる点も「グランツーリスモ」の魅力だと言えるだろう。読者の皆さんもぜひ様々な検証を通して、新しいクルマゲームの楽しみ方を知ってほしい。

©2022 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. Any depiction or recreation of real-world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. All rights reserved. “Gran Turismo” logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc.

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