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車中泊に向いているのは「デリカD:5」? それとも「アウトランダーPHEV」?? プロがジャッジする三菱車対決のゆくえとは

三菱主催のキャンプイベントではデリカD:5ユーザーが多い

 アウトドアに似合い、悪路走破性も抜群な三菱のアウトランダーとデリカD:5。アウトランダーはSUV、デリカD:5はミニバンと、ジャンルは異なるものの、じつはデリカD:5は「ミニバンの皮を被った本格SUV」というのが真実であり、元々、アウトランダーをベースに仕立てられたミニバンなのである。

 とくに2019年2月の12年ぶりとなるビッグマイナーチェンジ以降のモデルは走行性能が大きく向上。悪路の走破性の凄さはそのままに、乗り心地、静粛性、操縦性を飛躍的に進化させている。それこそ箱根のクネクネした山道でさえ、安定感たっぷりにスイスイと走れるほどなのである。

 では、アウトドア、キャンプ、そして車中泊により相応しいのはどちらか? といえば、キャンプシーンにおいてはデリカD:5が優勢ということになる。筆者も参加したことがある三菱自動車が主催するスターキャンプの現場では、アウトランダーも少なくないのだが、より数が多いのはデリカD:5となる。ユーザーに話を聞いてみると、荷物の積載性でデリカD:5がリードし、設営、撤収ともに楽なのだそうだ。

 つまり、ラゲッジスペースの使い勝手でデリカD:5が上まわるということだが、具体的に両車のラゲッジスペース、アレンジ後のスペースを比較してみると……。

アウトランダーの車内のベッド化アレンジは2種類ある

 アウトランダーとデリカD:5のアレンジ後のラゲッジスペースの数値は以下の通りだ。

【アウトランダー】
・開口部地上高:780mm
・2列シート仕様または3列シート仕様の3列目席格納時のフロア奥行き:950~1120mm
※2列目席のシートスライド位置による
・後席格納時のフロア奥行き:1845mm
※メーカー値は最大2040mm
・フロア幅:1070mm(3列目席格納時)
・最低天井高:980mm。

【デリカD:5】
・開口部地上高:620mm
・3列目席格納時のフロア奥行き:1200mm
・2/3列目席格納時のフロア奥行き:1840mm
・フロア幅:890~1250mm
・最低天井高:1135mm

 つまり、ラゲッジスペースのフロアがより低く、重い荷物の出し入れが楽。そして1/2列目席のみ使用時のフロア奥行きに余裕があり、天井高が高いのはデリカD:5ということになるわけだ。

 では、2名での車中泊に特化して見てみると(どう考えても大人3~4人は寝られない!!)、上記のフロア奥行きはあくまで荷物の積載のための奥行きであり、車中泊で車内をベッド化する際のベッド長とは別と考えたい。

 まずはアウトランダーの車内のベッド化アレンジは2種類。ひとつは、もっとも簡単にアレンジできる、3列目席を床下格納し(2列シートならラゲッジルームはそのまま)、2列目席の背もたれを倒す方法。2列目背もたれ部分にやや角度はつくものの、ベッド化は可能だ。ただし、身長が175cmぐらいまでならフロアで横になれるものの、180cmにもなると、頭が格納した2列目席の前端から落ちてしまう。

 しかし筆者考案の「ヘッドレスト逆付けの術」を駆使すれば、高身長の人でもなんとかなるかもだ。もちろん、フロアは硬いから、マットの仕様は不可欠。

 アウトランダーのもうひとつの車内のベッド化は、1-2列目席のフラット化だ(カタログには掲載されていないアレンジ)。これならシートクッションの上で寝られるわけだが、当然、1列目席のシートサイドサポート部分を含め、凸凹は大きく、マットや詰め物でしっかりとフラット化させてやる必要がある。

 ここでの問題点は、1列目席が電動シートだとシートバックを倒すのに時間はかかることと、運転席、助手席をつぶしてしまうため、悪天候での緊急避難時など何かあったとき、すぐに運転して走り出せないことだろうか。

デリカならベッドにも座敷にもなる広さ

 一方、デリカD:5の場合は、2列目ベンチシートで可能になる2名乗車時の2/3列目席フラットモードがある。2列目席の背もたれをほぼ水平まで倒し、3列目席の座面とつなげ、さらにヘッドレストを外した3列目席のシートバックをこれまた水平に倒してやるアレンジだ。

 これだとベッド長が約2000mm、最小ベッド幅は約1200mm、お座敷としての天井高も約1050mmもあり、さらにほぼ水平に倒した3列目席シートバックの下が収納になる使い勝手の良さまで得られるのである。2フラット化した2/3列目席は多少の凸凹はあるものの、シートクッションが効き、そのままでも簡易ベッドとして寝られないこともないレベルとなる。

 もちろん、薄手のマットを敷いてやればさらに快適に寝られるだろう。ミニバンならではの車高、室内高の高さから、フラット化した車内がベッドルームとしてだけでなく、座って寛げるお座敷的に使いやすいのもデリカD:5ならではだ。

 しかも、1列目席はそのままだから、何かあってもすぐに運転、出発できる安心感もある。大きく長く開くテールゲートはほぼ水平に開くため、雨を凌げるタープとしても利用できるからばっちりだ。

 ラゲッジフロアが地上620mmと、世界のステーションワゴンの平均値と同じだから、ラゲッジフロア後端をテールゲートの屋根付きのベンチのように使えるところも最高ではないか!!

 というわけで、荷物の積載性、車中泊性能としてもアウトランダーをリードするデリカD:5だが、ひとつだけ、アウトランダーに敵わない点がある。それは最新のアウトランダーが全車PHEV化され、全グレードにAC100V/1500Wコンセントが備わるところだ。

 車内外で1500Wまでの家電品が使えるのはとても便利で、アウトドア、キャンプ、車中泊をより快適にしてくれることは間違いない。

 つまり、車中泊に特化していえば、車内のベッド化、お座敷化という点ではデリカD:5が断然有利。走破性を含めてほぼ理想的なアウトドア、キャンプ、車中泊カーと言っていい。

 しかし唯一、電気の供給という点ではPHEVのアウトランダーとなる。ないものねだりですが、デリカD:5のPHEVがあればもう完璧なんですけどね……。三菱さん、次期デリカD:5でぜひ! アウトドア派、車中泊派ユーザーが狂喜乱舞しますよ!!

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