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京都工芸繊維大学がダントツの優勝! 2位が京都大学だった「学生フォーミュラ日本大会2022」を振り返る

6 京都工芸繊維大学

京都工芸繊維大学チームは4度目の総合優勝を果たした

京都工芸繊維大学がダントツの優勝

「学生フォーミュラ日本大会2022」が、2022年9月6日(火)~10日(土)の5日間、静岡県の掛川市と袋井市にまたがるエコパ(小笠山総合運動公園)で開催された。学生フォーミュラは、その名の通り、学生たち自らアイデアや技術を盛り込んだオリジナルの小型フォーミュラマシンを製作し、その車両の企画からものづくり、そして車両の出来を競うもの。アメリカで1981年に始まった「Formula SAE」がその始まりとなっており、現在はほぼ同一のレギュレーションを採用し、世界各国で競技会が開催されている。

 2003年から日本でも毎年開催され、今回が20回目を数える大会となった。ちなみにコロナ禍の影響があり2020年は完全に開催中止、2021年はオンラインでの静的審査と呼ばれる領域だけの開催。つまり3年ぶりに実際に顔を合わせ、各チームのマシンを間近に見ることのできる機会がやってきたことになる。

 それぞれのチームの活動にもよるが、2、3年生が活動の主体というチームがほとんど。しかし、すでにこの大会自体を経験したメンバーが卒業しているというチームが大半で、ほぼメンバーが入れ替わってしまっている。つまり、卒業したり進学したメンバーが部分的に後輩への指導に当たる程度。どのチームも先輩からの引き継ぎが足りない、という状況のようだ。

20回大会は69台がエントリー

 これまではアジア地域や欧州での強豪校の参戦もあって、上限98台で開催されていたこの日本大会は、今回は国内からのエントリーに限定。ICV(ガソリン自動車)に55チーム、EV(電気自動車)クラスに14チーム、合計69台がエントリーしている。

 事前の辞退などもあって現地へ集結したチームの数はさらに減ってしまい、少し寂しい状況となった。さらに順調に審査を受けていけるチームも若干少ない印象。実際に会場に持ち込まれた車両を見てみると、車両の仕上がり自体に大きく後退した感もあった。

「10年近く時間が巻き戻ったようだ」と言う関係者もいるほど。毎年マシンをきっちり作り上げていなければクリアすることができなくなっている、ということだ。また、マシンについての話し合いの場面でも、使用している単語の意味が解らないという学生も多かった、と車検を担当する関係者もこぼしていた。やはり大会が継続されてこなかった点、そして学生たちの活動が大きく制限されたこと、の2点が大きいという。

京都工芸繊維大学が913.57点を獲得

 今大会では事前に静的審査と呼ばれる書類審査やプレゼンテーション審査がオンラインで行われた。ここでは「#6 京都工芸繊維大学(132.18点)」、「#2 大阪大学(128.16点)」、「#E01 名古屋大学(102.61点)」が上位3位に入った。

 この3校は現地でのデザインファイナルに進むことになっている(ためデザイン加点がまだ入っていない)。それに続くのが、「#3 京都大学(249.45点)」、「#9 東京大学(195.63点)」、「#13 日本自動車大学校(194.84点)」と続く。

 しかし、この静的審査上位の「#2 大阪大学」、「#E01 名古屋大学」が車検を通すことができず、動的審査に進むことができないという事態に陥っていた。順調に車検を通し、さらに動的審査もこなしていったのが「#6 京都工芸繊維大学」であった。アクセラレーションで2位、スキッドパッドでは1位、オートクロスでも1位、エンデュランスで1位、さらにデザインファイナルでも1位を獲得し、トータルスコア913.57点でダントツの優勝となった。

 これに続く2位に入ったのが、760.26点を獲得した「#3 京都大学」であった。こちらは京都勢のワン・トゥーという結果となった。

 この京都勢に続いたのが、自動車大学校チームである「#13 日本自動車大学校(673.33点)」。自動車大学校系チームで過去最高位となった。

 EV勢では、車両の上から水をかけて漏電チェックをするレインテストにまで進めたのは3チームのみ。最終的に動的審査に進めたのは2チームというさんざんな結果となってしまった。ただ、動的審査に進んだその2チームはエンデュランスまできっちりと走り切り、「#E06 静岡理工科大学」が389.90点でEVクラス優勝(総合13位)となった。

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