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トヨタがマニュファクチャラータイトル獲得! 第22戦マイアミでHREの2台が粘りの走りを見せる【NASCARトラックシリーズ2022】

「今日は本当に暑く、タイヤがグリップしませんでした。そのため今日の61号車はほぼタイトな状態で、最終ステージで少しフリー(接地感不足)になりましたが、チームのみんなが調整を続けてくれてしっかり走り切ることができました」

トヨタは2022年のマニュファクチャラータイトルを獲得

「NASCAR(ナスカー)」といえば、アメリカで大人気のストックカーレースであるが、ひと言で「ナスカー」といっても地方シリーズであったり、じつはさまざまなシリーズが用意されている。その頂点といえば「カップ」シリーズとなり、そのカップとともに「Xfinity(エクスフィニティ/旧ブッシュ・シリーズ)」、そして「CAMPING WORLD TRUCK(トラック)」がそのナスカー3大シリーズと言われる。

 そのトラックシリーズへ長年参戦しているのが、服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」である。このナスカー界唯一の日本人オーナーチームからは、今シーズン、2名の若手ドライバーを擁して、2台のトヨタ・タンドラで挑戦を続けている。

 全23戦中の22戦となる「Baptist Health Cancer Care 200」は、2022年10月22日(土)にフロリダ州にあるホームステッド-マイアミ・スピードウェイで開催となった。このトラックは1周1.5マイル(2.4km)のオーバル・トラック。そのターンは、バンク角は浅めの18~20度のプログレッシブバンクを採用したレイアウトとなっており、あまりタイヤに優しいトラックとは言えない。

16号車は第2ステージを11位でフィニッシュ

 今回HREの2台のタンドラはそれぞれ、チームのエースナンバーである「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」を駆るのがテイラー・アンクラム選手、そして今回豊田通商のカラーリングが施された「#61 Toyota Tsusho TOYOTA TUNDRA」を操るのがチェイス・パーディ選手である。

 21日(金)の午後4時から練習走行、そしてその直後となる午後4時半に予選セッションが予定されていた今回のレースウィークスケジュール。予選セッションは悪天候のため中止となり、グリッドは前回のレース順位、そしてポイントランキングを考慮して決定した。

 10月22日(土)の午後1時からレースはスタートするこのレース、全134周で争われるが、第1ステージ30周、第2ステージ30周でチェッカーが出され、最終ステージで134周を走り切る3ステージ制となる。

 11番グリッドからスタートしたアンクラム選手が駆る16号車は、スタートから一気に順位を上げていき、一時は7番手までポジションアップを果たしたものの、14周目のコーナー進入時にバランスを崩して順位を下げてしまい、第1ステージのチェッカーを11位で受ける。チームは、そのステージブレイク(ステージチェッカー後のイエローコーション中)に16号車をピットへ呼び戻したものの、そこでジャッキが壊れるというハプニングもあり、アンクラム選手は第2ステージを22番手からスタートせざるを得なくなってしまう。それでも第2ステージではきっちりと順位を上げていくことに成功し、16号車は第2ステージも同じ11位でフィニッシュした。

パーディ選手は15位でチェッカー

 そして迎えた最終ステージ。その前のステージコーション下ではチームの迅速なピット作業がうまくいき、ポジションをふたつ上げた9番手からリスタート。87周目あたりからグリーン下でのピット作業が開始されていくなか、16号車は96周目まで引っ張ってルーティンのピットワークを実施する。コースに戻るとすぐにポジションを挽回し、100周目までにトップ15に、そして113周目には11位にまでポジションを復帰。残りの21周、そのポジションをキープしてチェッカーを受けた。アンクラム選手はこれで3戦連続、トップ11圏内でレースを終えたことになる。

 一方、このホームステッド-マイアミ・スピードウェイを初めて走る61号車のパーディ選手は10番手からスタート。スタート序盤から車両がタイト(アンダーステア)な状態であることを訴えるパーディ選手は、トップ10内での走行を続けられず、一時は19番手にまで順位を落とすことに。それでもなんとか61号車に合うペースを見つけ、第1ステージを16位でフィニッシュした。そのステージブレイクではチームが燃料補給とタイヤ交換とともにマシンへの調整を施し、61号車を14番手でコースへ戻す。そしてスタートした第2ステージでは、ほぼポジションをキープするにとどまり、15位でチェッカーを受けた。

 続く最終ステージでは、混みあったトラフィックのため、一旦ポジションを下げ18番手でオープニングラップを帰ってきた61号車。だが、徐々にマイアミのトラックのバンク上段側へ走行ラインを変えていき、スピードを乗せていくが、上段側を走行する際のバランスが良くないということで、95周目の最後のピット作業でさらなるマシン調整を行った。20番手でコースに復帰した61号車は、そこから徐々にポジションを上げていき、最終的には16位でレースを終えた。

 2022年のNASCARトラックシリーズも残るはあと一戦。その最終戦「Lucas Oil 150」は、11月4日(金)にアリゾナ州フェニックスにあるフェニックス・レースウェイで開催される。

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