サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

NASCARトラックシリーズ最終戦は16号車が12位でフィニッシュ! HREは新体制で臨んだ苦しいシーズンを終了【NASCARトラックシリーズ2022】

今回19位でフィニッシュした61号車のチェイス・パーディ選手

最終戦を2台のタンドラは無事完走

 アメリカで大人気のストックカーレース「NASCAR(ナスカー)」の3大シリーズといえば、その頂点に立つ「カップ」シリーズ、そしてその下位にある「Xfinity(エクスフィニティ 旧ブッシュ・シリーズ)」、そして「CAMPING WORLD TRUCK(トラック)」である。

 そのナスカー3大シリーズのトラックシリーズへ、長年参戦している「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、ナスカー界で唯一となる日本人オーナー・チーム。オーナーの服部茂章代表は、長年ナスカーやインディカーなどアメリカンモータースポーツに参戦を続けた後にチームを立ち上げている。2018年以降はこのトラックシリーズのタイトルも獲得しているが、今シーズンは2名の若手ドライバーを擁して、2台のトヨタ・タンドラで挑戦を続けている。

トライ・オーバルコースを150周で争う

 2022シーズン全23戦もついに最終戦を迎えることとなった。そのトラックシリーズ第23戦「Lucas Oil 150」が2022年11月4日(金)午後7時にアリゾナ州にあるフェニックス・レースウェイで開催された。1周1マイル(約1.6km)のトライ・オーバルコースを150周で争うこととなる。

 今回HREの2台のタンドラはそれぞれ、チームのエースナンバーである「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」を駆るのがテイラー・アンクラム選手、そして今回茨城トヨペットのカラーリングが施された「#61 IBARAKI TOYOPET TOYOTA TUNDRA」を操るのがチェイス・パーディ選手である。

 最終戦決勝を前に3日(木)の午後5時過ぎから練習走行。翌日の4日(金)午後3時に予選セッションが、1台ずつコースを走るタイムアタック形式で行われた。ここでは全35台中、16号車は24番目、61号車は19番目のタイムでこれを通過した。

 予選から4時間後となる午後7時に今シーズン最終戦のグリーンフラッグが振られ、レースはスタート。全150周で争われるこのレースは、第1ステージ45周、第2ステージ45周でチェッカーが出され、そして最終ステージ60周の全150周を走り切る3ステージ制となる。

 レースがスタートすると、61号車はそのポジション取りに苦しみ、いったんは23番手まで順位を落としたものの、すぐに挽回を見せて、17位で第1ステージのチェッカーを受ける。第1ステージのチェッカーと第2ステージのグリーンフラッグまでのステージコーションで61号車はピットに戻り、タイヤ交換と燃料補給の作業を行う。ふたたび17番手から第2ステージに臨み、ここでひとつポジションを上げて16位で第2ステージを終えた。

プレイオフに残ることができなかったシーズンとなった

 そして迎えた最終ステージ。直前のステージコーションでは、今シーズン最後の戦いに向けてマシンに大きく調整を加えた61号車はハンドリングが向上。ポジション争いが激化し、2度の多重クラッシュが起きる荒れたレースとなったが、134周目には9番手にまで順位を上げる。

 ここで出されたイエローコーション下で各チームの戦略が分かれた。そのままコース上に残るか、タイヤ4本を交換するか、アウト側のタイヤ2本のみ交換するか、である。61号車はこの最終盤の戦略で上位陣と同じく4本交換を行ったが、その際にピットロードでマシンが交錯し、大幅にタイムロスを強いられ、このリスタートでは24番手にまで後退してしまう。そこから果敢に追い上げを狙うものの、さらにクラッシュが起き、順位を大きく上げることなく、19位でレースを終えた。

 24番グリッドからスタートしたアンクラム選手が駆る16号車は徐々に順位を上げていき、この日最初のイエローコーション明けの14周目のリスタートではトップ20圏内に。さらに第1ステージ終盤となる41周目には14番手にまで順位を上げ、そのままチェッカーを受けた。

 続く第2ステージまでのステージコーションで迅速なピット作業を終えた16号車はココでポジションを4つ上げ、10番手にアップ。そして第2ステージを9番手からスタートすることができた。その第2ステージでは若干順位を落としたものの12位でチェッカーを受けた。

 そしてステージコーションで、チームはマシンのセッティングを見直しながらもしっかりとピット作業を終え、106周目に13番手から最終ステージをスタートさせた。荒れたレースの分岐点と言える134周目のイエローコーションで、16号車は4本のフレッシュタイヤでこの最後の戦いに挑み、14位でフィニッシュした。

 2022年シーズンのHREはチームとして初の2台体制を敷き、ドライバーも経験の少ない若手ふたりに入れ替えたことで、HREとしては、2018年にシリーズタイトルを獲得して以来、初めてプレイオフに残ることができなかったシーズンとなってしまった。

 2023年のNASCARトラックシリーズは、2023 NASCAR Craftsman Truck Seriesとして、全23戦が予定されている。その開幕戦は、フロリダ州にあるデイトナ・スピードウェイで2023年2月17日に「NextEra Energy 250」から開幕する。

モバイルバージョンを終了