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冬の車中泊は甘くない! まるで冷蔵庫のようなクルマの中で快適に過ごす「準備」と「覚悟」とは

冬の車中泊を乗り切るアイテムを紹介

寒さ対策をして快適な車中泊を楽しむ

 アウトドアブームとコロナ禍が重なり、リーズナブルにドライブ旅行ができることから、宿泊を伴う旅行でも、人との接触が避けられる車中泊が一大ブームになっている。春や秋は気候が安定し、車中泊に最適な季節と言えるが、この冬に車中泊を楽しみたい人もいるはずだ。

 だが、冬季に車中泊するには、入念なプラン、準備、装備、そして寒さに対する”覚悟”が必要だ。というのは、クルマの車内は夏はオーブン状態、冬は冷蔵庫のような環境になるからだ。

 えっ、冬でも車内はほぼ密閉された箱の中の空間だから、寒くないでしょ……なんて考えるのは大間違い。冷気に包まれたボディやガラスから、車内に寒さが容赦なく伝わってくるものなのである。

 もちろん、暖をとるために停車中にアイドリングするのは厳禁。まして、就寝中のアイドリングも危険極まりない行為だ。とくに降雪・積雪時のアイドリングは排気ガスの車内への侵入の可能性があり、命にかかわるほど危険なのだ。真冬にアウトドアを楽しみたいが、極端な寒さは御免だ……というなら、日中は車内外で過ごすとしても、きっぱり、グランピングやコテージライフに変更すべきである。

防寒対策として窓を塞ぐことが大事

 さて、車内の防寒として重要なのが、どこから外の冷気が車内に伝わるか? である。答えは窓、そしてドア周り、サイドシル部分。そこを塞げば、ある程度の防寒対策になる。

 窓については、自動車メーカーの純正アクセサリーにあるジャストサイズのシェードを窓全体に装着するのが理想。ただ、値段が張るので100円均一で銀マットを入手し、型紙を作って自作してもいい。いずれにしても、まずは窓対策である。

 ステップ部分などは、着替えをビニール袋に入れて、断熱材として利用するのが効率的。養成テープを貼る方法もあるが、剥がすのが面倒になることも。いやいや、あまりに車内を密閉しすぎると、今度は酸素不足になる可能性もあるので、ほどほどに。

 荷室~後席、あるいは前席までをフラットにして、そこをベッドスペース、お座敷スペースにするわけだが、就寝には厚手のマットが不可欠。寝心地はもちろん、下からの断熱効果が期待できるからである。その際、例えばホンダ・フリード+のユーティリティボードのように、ボードを上段にしてフラットスペースを作り出せる仕様であれば、ベッドの下に空間ができ、下からの冷気を伝えにくくする効果もあるから理想的だ(当然、ユーティリティボードの下には荷物が入っているのでさらなる断熱効果アリ)。

 就寝時には毛布ぐらいでは寒さは防げない。やはり本格的な登山、アウトドア用の寝袋が不可欠。筆者はかなり前に発売されたロゴスのミニバンぴったり寝袋-2(冬用/-2度まで適応)を使っている。適性温度は-2度とややライト性能な寝袋だが、ポイントはふたつ1セットで、それぞれに使うことができるのは当然として、合体してダブルサイズの寝袋になるところ。

 サイズは合体すると幅142cm×長さ190cm。就寝時以外はホカホカな敷物となり、カップルならふたりで入ってお互いの体温で温め合うことも、イチャイチャすることもできるのだ。また、畳むとふたつのクッションになる収納性、多機能性も魅力(新商品は抗菌防臭 丸洗い2in1寝袋・5/-5度まで適応)。なお、筆者のクルマの後席~ラゲッジ部分には、断熱マットが敷き詰められている。

防寒性に優れたダウンアウターやボトムを選ぶ

 冬、夜の車内で過ごす際は、厚着が基本。とはいえ、フルダウンジャケットは車内では不適切である。できるだけかさばらず、動きやすい、しかし防寒性に優れたダウンアウター、ボトムを選びたい。下着も、保温、速乾性(現地で洗濯することも考慮して)に優れたヒートテックなどの着用が望まれる。ヒートテックなどの靴下、そしてネックウォーマーも寒さ対策として効果を発揮するので、ぜひ備えてほしい。ホッカイロのような発熱アイテムも忘れずに。

HVやPHEVならAC100V/1500Wコンセントを活用

 と、ここまではあらゆるクルマに対応する冬の車中泊対策を紹介してきたが、もし、愛車がHVやPHEV(PHV)でAC100V/1500Wコンセントが付いているというなら、さらなる対策が可能。筆者が自宅や車内で愛用しているのが、mozのコードレス蓄熱式湯たんぽ「moz HEAT RESERVE POKA POKA YUTANPO」。

 北欧、スウェーデンのインテリアメーカーFARG & FORM社の人気スタイリッシュブランドmozとコラボした湯たんぽで、一般的な湯たんぽ最大の面倒、手間となる給湯、お湯の入れ替えが不要。つまり、使う前に湯たんぽを車内のAC100V/1500Wコンセントに約20分(室温、水温20度の場合)つなぐだけでほかほかの湯たんぽとして使うことができる。

 水をくんでお湯を沸かす必要がなく、まさに”エコ湯たんぽ”と言っていいアイテム。気になる温度維持時間は室温20度の場合、蓄熱カイロ目的の使用で6時間前後、床置き使用で4時間前後、蓄熱アンカ使用なら室温15度であれば8時間前後。冬の車内ではもっと短くなるはずだが、それでも暖をとれること間違いなしだ。

サイドブレーキは引かないこと

 最後に駐車について。氷点下の環境では、サイドブレーキは引かず、ATならギヤをPに入れておくだけにしておこう(MTは1速がバックギヤ)。サイドブレーキのワイヤー回りが凍って、解除できなくなる可能性があるからだ(電子パーキングブレーキならその心配はなしだが非ワイヤー式に限る)。ただし、その場合、平坦な場所に止めるのが鉄則。ワイパーも立てておくと凍結から守れて安心だ。

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