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【徹底検証!】「ヤリスクロス」「CX-3」「クロスビー」でアウトドアで一番使えるのは? 新車200万円以下の「SUV」で比べてみました

スズキ クロスビーでアウトドアを楽しむ

2名乗車限定で検証してみた

 アウトドアに向くクルマと言えば、中・大型クロスオーバーSUV、本格SUVが真っ先に思い浮かぶ人も多いはずだ。しかし、200万円以下で手に入る、コンパクトクロスオーバーモデルはどうなんだ!? ということで、トヨタ「ヤリスクロス」、マツダ「CX-3」、スズキ「クロスビー」の3台のアウトドア適性を考察してみた。

 ただし、コンパクトなボディサイズ=後席や純粋なラゲッジルームに過大なスペースは望めないことから、カップル=2名乗車での検証になることを予めご了承いただきたい。

奥行や幅にけっこう余裕があるCX-3

 まずはラゲッジルームだ。各車のスペースを計ってみると、ヤリスクロスは開口部地上高745mm、開口部段差35mm。フロア奥行き790mm(フロアボード下段)、フロア幅995mm、最低天井高710mm。フレキシブルボードでラゲッジルームを上下2段で使えるのが特徴でもある。

 旧デミオベースのCX-3は開口部地上高780mm、開口部段差65mm。フロア奥行き780mm(フロアボード下段/645mmフロアボード上段)、フロア幅1000mm、最低天井高645mm。スタイリッシュなボディだけにラゲッジルームの高さはそこそこながら、奥行、幅はけっこう余裕があるという仕立てである。

 クロスビーは開口部地上高800mm、開口部段差20mm。フロア奥行き525mm(後席最前端位置)、フロア幅1305mm、最低天井高800mm。ラゲッジルームは防汚タイプのタフな樹脂フロアになっているのがクロスビーらしさ。

 つまり、重いアウトドアの荷物の出し入れがしやすいのは、ラゲッジルームのフロア地上高の低い順で、ヤリスクロス→CX-3→クロスビーとなる。

 CX-3は開口部の段差の大きさがやや気になるところ。ラゲッジルームの荷物の積みやすさでは、幅方向もさることながら、奥行がモノを言う。その点ではヤリスクロスとCX-3はほぼ同等。

 全長がヤリスクロスの4180mm、CX-3の4275mmよりグッと短い3760mmのクロスビーは不利になる。縦方向にかさばる荷物の積載性は天井高がポイントだが、その点ではクロスビーとヤリスクロスが優位だ。

汚れや濡れを気にせず荷物を載せられるクロスビー

 今回は、前席2名乗車での検証であるため、後席を格納したときのラゲッジフロア奥行きも気になるところ。ヤリスクロス:1370mm、CX-3:1270mm、クロスビー:1165mmとなり、ボディ全長に余裕があるヤリスクロスがリードする。

 なお、その際のフロアのフラット度では、ヤリスクロスとCX-3が優位でほぼフラットになる。クロスビーはやや角度が付くが、とはいえ大きな段差ができるわけではないので、あまり気にすることはない項目だ。

 アウトドアの帰りには、荷物が汚れていることもありがちで、雨に降られてしまえば、荷物が濡れてしまうことも。そんなシーンでは、クロスビーの撥水シート、防汚ラゲッジフロアが功を奏す。汚れや濡れを気にせず乗車でき、荷物をガンガン積めることになる。

 と、ここまでおもにラゲッジルームの荷物の積載性について比較検証してきたわけだが、注目したいのは、後席の分割方式だ。CX-3とクロスビーは一般的な6:4分割。しかし、ヤリスクロスは欧州車のワゴン、SUVのように4:2:4分割を採用(グレードによる)。

 後席使用時でも中央部分がスルースペースになり、長尺物の積載、ラゲッジルームにペットを乗せるのにも向いている(エアコンの風通しやキャビンの飼い主とのアイコンタクトが可能)。

 しかし、アウトドア派にとって決定的とも言える、ヤリスクロスのストロングポイントが、ハイブリット車に4万4000円のオプションとして用意されるAC100V/1500Wコンセントだ。車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジ、照明などが使え、充電式湯たんぽの充電が可能になるなど、アウトドアライフを一段と快適なものにしてくれるのだ。

4WD性能ではヤリスクロスかクロスビー

 また、アウトドアフィールドに向かう道が極悪路だった場合の走破性=4WD性能では、4WDの性能を引き出すマルチテレインセレクト(MUD & SAND/NOMAL/ROCK & DIRT)の用意があるヤリスクロスと、スノーモード/グリップコントロール/ヒルディセントコントロールを完備するクロスビーが、CX-3をリードする展開になるはずだ。

 というわけで、アウトドアの荷物をしっかり積めて、ガソリン4WDの走破性に強みがあり、ハイブリッド車なら燃費性能に優れ、AC100V/1500Wコンセントの用意もあるのがヤリスクロス(ただし、ハイブリッド車だと価格は約228万円~と高くなる。推奨中心グレードのGは約240万円)。

 スタイリッシュで荷物の積載性も十二分なのがCX-3。そしてコンパクトさが売りであり、価格面でのリーズナブルさ(約184万円~)や走破性にこだわっている、マイルドハイブリッドのクロスビーという結論となる。筆者の独断的結論からすれば、ヤリスクロスかクロスビーを、アウトドア派にとってはクロスオーバー感の強いエクステリアデザインを含めて、お薦めしたいところだ。

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