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ミニバンでサーキット走行は可能か? 背の高いクルマだからこそのメリットと注意点をお教えします

ミニバンには並のスポーツカーよりもキチンとした運転が求められる

ミニバンOKのサーキットや走行会を活用しよう

 スポーツカーではなく車高の高いミニバンでサーキットを走ってもいいのだろうか。答えは、コースによってOKとNGがある。やはり横転のリスクが大きく、他車との速度差も出やすいので、富士スピードウェイなどのレーシングコースでは多くの場合で不可だ。

 しかし、ミニサーキットではとくに規定がされてないことも多い。そういったコースではしっかりと準備をしてサーキットを楽しむことは可能だ。背が高いクルマだってスポーツ走行を楽しむことができ、愛車の限界を把握するのは安全な走行のためにも有効なのだ。

サーキットを走る前にこれだけは整えよう

 サーキット走行のための準備としては、まずはブレーキ。とくに重くてブレーキが加熱しやすいので、純正パッドではあっという間にフェードしてブレーキが利かなくなってしまう。サーキット用パッドである必要はないが、ストリート~スポーツのパッドが1万5000円くらいから買えるので交換しておきたい。

 ブレーキフルードも同様。純正フルードは高温になると沸騰して気泡が生まれ、それがブレーキをフワフワにして利きを落としてしまうベーパーロック現象が起きやすい。DOT4程度のフルードに交換しておきたい。

 タイヤも点検が必須だ。とくにフロントタイヤは負荷がかかってショルダー部などが減りやすい。けっこう溝があるつもりでも、あっという間にツルツルなんてこともある。

 あとはとにかく、車内のあらゆる荷物を下ろすこと。後部座席のティッシュが飛んできたくらいならかわいい方で、ありとあらゆるものが飛んでくる。小物が転がってブレーキペダルの奥に挟まったら大事故につながってしまう。そのため小物も含めてすべて下ろすこと。ダッシュボードに貼ったものなども飛んでいく可能性が高いので外しておこう。

 服装は長袖、長ズボンに2輪用でもいいのでヘルメットが必須。いわゆる半キャップは不可だ。手袋も必須で、軍手は不可で滑りにくいものにすること。シューズはとくに規定はないが、底が薄いものの方が運転はしやすい。

ミニバンだからこそキチンとしたドライビングが磨かれる

 走行時はまずは横転に注意したいので、無理は禁物だ。しっかりと速度を落としてから曲がることを意識すること。気合いでコーナーに突入して、そのまま曲がりきれずコースアウト、砂利の上でコロンと横転というのはよくあるパターン。

 また、縁石にも要注意。車高調で車高ダウンしていたりすると、縁石に勢いよくのると一気にサスペンションが縮んでバンプラバーに当たって、ビックリするほどハネてしまうこともある。それがきっかけに横転することもある。

 こうした点さえ注意すれば、ミニバンでもサーキットを楽しめる。むしろ、サスペンションが柔らかく、重心が高いのでキチンとしたドライビングをしないといけない。スポーツカーでガチガチのサスで車高も低ければ、でたらめな運転でもどうにかなってしまうものなので、ミニバンは上達向きでもあるのだ。

 じつはスポーツ走行の世界でロードスターが愛されているのも同じ理由だ。ロードスターもサスが柔らかくフワフワとしているので、正しい運転でなければスムーズに走れない。それと同じで、ミニバンこそ運転の練習にはもってこいなのである。

先導車つき走行会もチェックしよう

 いきなり全開走行はちょっと……という人には、サーキット内を先導車について走る体験走行を行っているコースもある。先述の富士スピードウェイはミニバンでは通常走れないが、「オールスタイルミーティング」という走行会ではミニバンが走れるクラスもある。車高が高くても、重心が高くても、スポーツ走行はできるし、運転が上手くなることもできるのだ。

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