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トヨタがトレーラーでトイレを作ったら…バリアフリーの車いすでも使える移動式トイレは2024年市販化予定です

トレーラーの外部に備えられたスロープは広くてゆるやかなものとなっていた

定置型のトレーラーとしても活用が可能

11カ国・2地域から約380社の福祉機器があつまる「H.C.R.2023 第50回国際福祉機器展」が、2023年9月27日(水)から9月29日(金)までの3日間、東京ビッグサイト東展示ホールで開催された。世界から集まった最先端の福祉機器を見ようと、福祉、介護、保健・医療関係者を中心にこの3日間で、11万3139名が詰めかけた。

使えるトイレをお届け

出かけた先に「使えるトイレがあるのか?」を気にしている障がい者は多い。そんな声に応え、H.C.R.2023にトヨタが出展したのが、スロープが付いたトレーラー型のトイレ。それが移動型バリアフリートイレトレーラー「MOBILE TOILET」である。

「行きたいところに、使えるトイレが来てほしい」という車いすユーザーの声から生まれた「MOBILE TOILET」は、トレーラー部分の重量が750kgに収まっていることで、普通免許でけん引ができる仕様となっている。

トイレ部分は、全長3000mm×全幅1890mm(ドアハンドルを含む)×全高2270mmである。けん引部は1450mmとなる。コンパクトな外観ながら、その室内は車いすが転回できる直径約1500mmのスペースを確保し広々とした印象だ。

真空式トイレの便座はユニバーサルデザインの前広便座を採用。その横に配置されたオリジナル設計の手すりは全身を預けられる長さと、車いすの足回りにも配慮している。そして投入口の大きなゴミ箱を便器横に設置している。

トイレの反対側には、大人のおむつ替えにも対応する大型ベッド・ユニバーサルシートを装備。未使用時は壁に収納することで室内空間を確保している。冷房専用エアコンやカーテンも完備と至れり尽くせり。トイレ内で体調を崩したときなどに外部へ知らせる緊急ランプも備え、緊急時はトイレの外へ音と光で速やかに異常を知らせることが可能となる。

トイレ本体自体は低床フロアを採用。これに幅900mm、長さ約5200mmの長めのスロープを用意し、スロープ傾斜角5度と、電動車いすも通れる幅と、自力で車いすを上げられる緩やかなスロープとなっている。

使用電源については電動機や発電機との接続で使用する。水タンクは100回の使用が可能な90Lを搭載する。そうしたスタンドアローンでの活用はもちろん、家庭用コンセントへの接続と上下水道への直結ができるので、定置型のトレーラーとしても活用が可能だ。

キャンプ場や各種イベント会場への設置はもちろん、災害発生時等の緊急避難所への出動も。「使えるトイレがないので避難所に行くのをあきらめた」ということがなくなるように配慮が進むことを願う。ちなみにこのトレーラー、2024年度には市販予定だ。

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