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「SDVってなに?」知らないと損する最新自動車用語3つ!「ヴァレオ」ブースで見た新技術を紹介

eアクスルをコンポーネンツに一体化させてひとつの塊にしたユニット。ヴァレオの場合は6 in 1となっていた

注目の最新技術をチェック!

いまや世界28カ月に10万人の人員を抱える巨大テクノロジー企業のヴァレオ。その前身はイギリス製のブレーキメーカー、フェロード(Ferodo)でした。そんなヴァレオ、今は主としてパワー部門(電動化技術など)、ブレーン部門(ADASなどのソフトウェア開発)、市光工業を中心としたライト部門、それにアフターサービスの4部門で成り立っています。今回の人とくるまのテクノロジー展には、それぞれの分野で新しい製品や試作品を展示していましたが、筆者が興味を持った3つを紹介します。

メーターパネルに家族写真を映し出せる!?

ひとつはSDVに向けての取り組みである。そもそもSDVってなんだ? と言う人が多いと思う。かく言う筆者もそのひとり。よくスマホにタイヤをつけて自動車などとも言われるが、そんなこと言われてもさっぱりだ。SDVとはソフトウェア・デファインド・ヴィークルの略。

そのまま訳せば「ソフトウェア定義車輌」で、クラウドとの通信で自動車の機能をアップデートする仕組みのようである。では一体何ができるのだろうか。今回ヴァレオの説明員の方と話をして腑に落ちた。インド人と思しき彼は、流暢な日本語で、そもそもSDVってどんなメリットがユーザーにあるの? と聞いてみた。

「20年前に買ったクルマを現代で使おうとすると、あれこれ使えなくなっている部分とかありますよね。SDVは20年前に買ったクルマが今でも最新機能を有して使えるということです」

よくわかる説明である。

デモンストレーションしてくれたのはメーターパネルのデザイン。何でもいいからどんなデザインにして欲しい? と言われ、躊躇していると、じゃあマウント富士と提案された。じゃあそれでと言うと、彼はAIに富士山、雪景色と打ち込み、それをAIで画像処理を始めた。しばらくするとそれがメーターディスプレイに投影された。

たとえば家族の写真をメーターに映し出して、いつでも眺めていることもでき、新しい家族が増えたら追加することもできるなど、やれることは相当に多いらしい。なので、近未来のクルマのメーターは、スピード表示以外は家族写真になっているかもしれない。

フロントウインドウ下のデッドスペースをディスプレイに

次はパノビジョンという技術。フロントウインドウ下に実はデッドスペースがあって、ここを利用してディスプレイにしちゃおうというアイデアである。さらにウインドウに投影されたヘッドアップティスプレイと組み合わせることで、ドライバーは前方の路面から視線を逸らすことなく、情報を取得できる。試作品では非常に大きなスピードメーターと数々のアニメーションが映し出されていたが、まあ、ここまでのサイズは確保できないにしても、メーターの概念が変わることは間違いない。

キーワードは「X in 1」

3つ目は今回のショーでも大きなトレンドとなっていた、X in 1というキーワード。これはeアクスルをコンポーネンツに一体化させてひとつの塊にしたユニット。ヴァレオの場合は6 in 1となっていて、モーター、インバータ、減速機、オンボードチャージャー、DC/DCコンバーター、これに加えて配電ユニットを一体化させている。

1番上に付くインバーターユニットを別体化させて天地方向のサイズを小型化することも可能とのことで、大体Aセグメント程度の出力を想定しているそうだ。まだ、量産化の話はない。このX in 1の技術はほぼどこの会社でもやっていて、その数は筆者が発見して最大だったのはアイシンの9 in 1。しかしアイシンに言わせると中国のメーカーはすでに10 in 1もやっている。X in 1というワード、ぜひ覚えておこう。

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