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短期集中連載「トラック野郎・一番星号」復活への道vol.2

1970年代当時のペイントや形状を忠実に再現

車検も取得してナンバーも付いた一番星号だが、これで復活劇の完了というわけではない。長い時間の経過により劣化やパーツの欠品がみられる外装の手直しはこれからである。銀幕のなかを疾走していた凛々しい姿に戻す作業がいよいよ始まったのだ。

最初に手が付けられたのがフロントまわり。キャビンの塗装やドアの絵柄など、さらにバイザー類など前回のレストア時に手直しされているのだが、当時の資料と見比べるとオリジナルとは違う部分もあった。そこで修理するのではなく、可能な限りオリジナルに近づけることがテーマになった。
見せどころでもある箱だが長年の風雨によって痛みも激しい。ここはリペイントされる予定。同時にドアの絵柄も当時の資料を元に描き直される。そのドア自体は年式違いのものに変えられていたという。電飾やレリーフが付くフロントパネルは撮影時の移動で取り外していたようで、脱着が容易な作りになっていた。

オリジナルのボディカラーはバンパー裏に残っていた

まずはフロントキャビンだが、ここは前回のレストア時に再塗装されていたのだが、そのときに使わた塗装は写真や映像の資料と見比べると色味やラメの感じなどがオリジナルと若干違う感じだった。

とはいえ、元の色を確認する手段はないと思っていたところ、作業のため取り外した純正バンパーの下に当時の色が一部だが残っていた。この色をベースに塗料の調合を行い再塗装した。同時にフロントガラス上に取り付けられるバイザーも映画の資料をもとに作り直され、変形がみられたバンパーの修正も行った。

さて、フロントまわりでもうひとつ重要なところと言えばルーフ電飾アーチの頂点に付いていた星マーカーだが、引き取った時点ではこれが欠品。そこでパーツを探したがいまでは入手困難となっていたのだ。とはいえ、この星マーカーは一番星号を再現するには大事なアイテムなので付いていないというわけにはいかない。そこで資料をもとにワンオフでを作り直したのだった。

ドアの絵柄も新たに描いてあったのだが、資料と見比べると違和感があったのでリテイクすることが決まった。バイザーも当時の写真などを元に形状が復元。バンパーはベース部分から形状を矯正。これらの作業を経て、締まった顔つきを再現したのだ。ホイールキャップも当時と同じラメ塗装を施す。

復活した勇姿を披露するためイベントに参加した「一番星号」

ここまで仕上げたところで一番星号は復活後、初めてとなるイベント参加を行った。
目的地は新潟、全国哥麿会の新潟大会である。

キャブカラーやバイザー、バンパーなどの手直しを受けた一番星号は新潟へ向け出発。高速道への入路を走行。映画を思い出すようなシーンだ。まわりのクルマからの視線は相変わらず熱い。

一番星号の運転を任せることは名誉でもあるが、このイベントは8月のもの。エアコンが付いていないためドライバーには厳しい旅となった。

映画での相棒である松下金造(愛川欽也さん)の愛車「ジョナサン号」も展示されることになり、途中で合流し写真撮影が行なう。イベント会場では初めてとなるナイトシーンも披露。一番星号とジョナサン号のツーショットは、見応えのあるトラックが並ぶ会場に置いても特別な存在感を放っていた。

膨大な資料を元に昭和の絵柄が復活を遂げる

全国哥麿会の新潟大会から戻った一番星号は、キャビンの絵柄を描き直すため福島県へ向かう。この作業を担当したのは看板職人としても名高い根本氏。福島県にあるトラックアイテム販売業の「ネモト功芸社」の代表でもある。

さて、その絵柄だがとにかく精密に再現することを目的にしていたので、膨大な資料写真から参考になるものを探し、そのデータを拡大及び縮小した紙を実際のキャビンに貼り付けて形と位置を整えた。

そんな丁寧な作業により、絵柄は色使いも含めて忠実に再現されたのだった。このときもフロントまわり特徴である鷲のレリーフの再塗装やアンドンに書かれている文字色の修正など、細かな部分の色関係の手直しもされた。

アンドンの製作も行ったネモト功芸社でドアの絵柄も描き直す。正確に再現するためこのように下書き用の用紙を使う。作業は代表の根本氏が担当。看板職人としても名高い人だという。
鷲のレリーフもゴールドに塗り直された。アンドンに入れている文字は赤だったが、本来は橙色なのでここも修正。細かいこだわりだ。ルーフにはビッグホーンも装備する。

<トラックカスタム・プロショップ>

 

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