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「車高短(シャコタン)」でも入れるコインパーキングを調べてみた

最低地上高9cmあれば余裕で入れる

都市部でのカーライフに欠かせないコインパーキング。駐車するとロックするフラップがせり上がってくるタイプの駐車場は、ローダウンしたクルマだとけっこう気を遣う。
ところが、調べてみるとボディ下でもっとも高い部分でもおよそ4cm。中にはロックプレートを使わないフラップレスタイプのコインパーキングも登場している。

ロックプレート脇の機械部分の箱やボディ下に来る部分の大きさなどは、メーカーを問わず大きな差はないようだ。
まず気になるサイズだが、ボディ下の部分はフラップが下りている状態で高さはおよそ4cm。メーカーによっては8cmのものもあるが、とりあえず車検をパスできる最低地上高9cmがあれば大丈夫だ。

ロックプレート脇の機械部分は幅がおよそ10〜30cm。長さは30〜70cm。高さは10〜15cmあるので、これに乗り上げるとやはりダメージは覚悟しなければならない。
機械部分が左側という機械もあるので、入出庫時には注意が必要だろう。ただし、メーカーや設置会社からは、フラップ動作時にエアロパーツを破損させる可能性があるので、装着車の入庫を控えるように駐車場の掲示板には書かれている。もし、入庫せざるを得ない場合は、自己責任でお願いしたいとのこと。

エアサス&ハイドロサスはフラップが上がる前に車高を下げる

ロックプレートのセンサーが反応してフラップがせり上がってくるまでの時間は、停車後およそ2〜5分間。せり上がったフラップは、車体下部に軽くタッチした時点でいったん止まり、そのあと少しだけ下がってクリアランスを確保したところで固定される。

一度固定されると、料金が精算されるまでプレートはロックされていて動かない。シトロエンのハイドロニューマチックやエアサスペンション装着車など、エンジン停止後に徐々に車高が下がってくるクルマは要注意だ。
それは車高が下がりきる前にフラップが立ち上がり、その後、さらに車高が下がり続ければフラップでボディを支えるような状態になってしまう。つまり、一点にボディの重さがかかるわけで、最悪凹んでしまう可能性もあるわけだ。
対応策としては、プレートが立ち上がる前に車高を一番下まで下げるか、入庫しないことだろう。

また同様の理由で、最低地上高が低いクルマは、料金の精算が終わりプレートが下がるまでは、クルマに乗り込まないこと。人の重みで車高が下がりプレートとボディが干渉することがある。料金精算後にフラップが下りてから、再び立ち上がるまでは2〜5分ある。慌てて乗りこむ必要はないだろう。

前方からフラップが立ち上がるタイプは、クルマの全長にもよるがボディとの干渉しないケースもある。フラップが下りているときの高さは4cmと低い

ロックプレートを使わないコインパーキング

奥のポールのカメラとセンサーで監視するフラップレスタイプのコインパーキング。ロックプレートの乗り越えがないので、スムースにアクセスできる。エアロ付きのクルマでも安心

そういう意味で、車高の低いクルマにオススメなコインパーキングの決定版は『フラップレスパーキング』だ。
これは文字通り従来のロックプレート=フラップがなく、カメラ監視のみのシステム。ある会社では、ここ数年で、関東圏、関西圏、福井市内に提供している駐車場システムの7割は、このフラップレスタイプとのこと。

料金の収受は支払機で行なう。ある意味、使用者のモラルが問われる駐車場だ。設置場所は、モラルや治安の良いところが選ばれているようだ

ロックプレートの乗り越えがないため、車高の低いクルマだけでなく、初心者や高齢者でもクルマの入出庫が容易だ。フラップへの接触や精算しても出られないというトラブルがないと好評で、今後の主流になっていく模様。
また、このシステムは料金を支払わない不正出庫が起こりにくい地域を選んで設置しているそうだ。つまり、フラップレスコインパーキングがある地域の治安は良いということなのかもしれない。

フラップが上がって動けなくなる事故は年間94件

ちなみに、一度駐車スペースにクルマを入れた後、何かの都合で、フラップがせり上がる前に出庫しようとした途端、フラップが上がり出して動けなくなったり、駐車スペースの番号を間違えて精算して、プレートが上がったままクルマを動かしてトラブルになる例は、かなり多いとのこと。

ある会社のデータでは、143カ所のロックプレート式駐車場で、カメの子状態になったクルマの救出のために、1年間で94回も出動しているとのこと……。亀の子になったクルマはジャッキアップして車体を浮かしてから、ロックプレートを下げてレスキューされる。
クルマにも駐車場の設備にもダメージを与えることがあるので、クルマを動かすときは、ロックプレートが下がったことをしっかり確認することを忘れずにしてほしい。

(レポート:藤田竜太)

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