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漆黒ボディ×ディープディッシュ!! 「レクサスGS」に注ぐ、王道VIP

この仕様が一番カッコいい
だから無理に変えたくない

頂点を目指すために、今年も全国のイベントを走り回るオーナーたち。
トヨタ・レクサスGSに乗る渡辺クンも各地のイベントに参加しては、誰もが憧れる総合入りを何度も果たしている。
だが彼は、勝ちたいからと言って仕様を何度も変えているわけではない。それは今のスタイルが大好きで、自信を持っているから。
それで優秀な成績を手にし続けているのだから素晴らしい。

ホンダ・オデッセイ(RB1)をセダン風にイジり倒し、満を持して昔から憧れていたセダンの道へ。
ボディが薄いクルマが欲しかったから、日産・シーマ(Y32)とトヨタ・センチュリーも候補にあった。
しかし、個人的に4灯ヘッドライトが好みではないのに”GS”を選んだのは、嫌いなクルマをカッコ良くしたら逆に好きになると思ったから。ベース車選びから、彼らしいこだわりが見て取れる。
クルマを製作したのは、作りの美しさに定評がある静岡の「ゴマガレージ」。同ショップが得意とする滑らかなブリスターフェンダーでグラマラスなフォルムを形成し、どの黒よりも黒いオリジナルのゴマブラックでオールペン。
ゴマガレージの良さを説明するにはもってこいと言える、看板車的存在である。このクルマを最初に本誌で紹介したのは、15年6月号の巻頭特集「王道VIP」。
流行りに左右されず、真のVIPらしさを追求したオーナーカーを紹介する企画だった。

それから約2年。渡辺クンはVIPセダンの象徴である高級かつイカツいスタイルを、今もずっと大事にしていた。
実際に王道VIP企画に載った時の仕様に比べると、ホイールやエアロの細かい造形は変更しているものの、このクルマの重要なポイントとなる部分は一切手を加えていない。
「大幅なリメイクをしない理由は、このスタイルが自分の中で一番カッコいいと思っているし、自信がある。同じ姿でイベントにエントリーして結果が出れば、無理に仕様変更する必要はないと思っています」。
イベントでライバルに勝ちたいがために、ハイペースで仕様を変える人は多い。
しかし、自分が気に入っている仕様をわざわざ壊してまで、勝ちたいとは考えていない。ただ何度もイベントに出て、さらに雑誌にも載ったりすると周りも見慣れてきて、デビューしたばかりのクルマに注目度をさらわれてしまう可能性がある。
それが気がかりで多くのオーナーはカタチを変えてくるのだが、彼の場合はエントリーしたイベントではほぼ総合入り。昨年九州で開催された「がばいカップ」では、総合優勝を手にした。
カッコ良ければちゃんと結果は付いてくる。彼のポリシーは間違っていなかったと言えるだろう。

コンセプトは、昔から「王道VIP」。高級セダンに相応しい黒×メッキの組み合わせを大事にし、どこから見てもスキがない、トータルバランスで魅せるクルマを目指す。
前仕様から大きく変化したのは、「JOBデザイン」ベースのフロントバンパー。ツインフォグから「ブレーン」のシングルタイプに変更し、スポーティ感を抑え、上質な雰囲気を高めた。
また、メッキが多く使われたレクサス・GS450h後期モデルの純正グリルとの相性もバツグン。リップの造形も変更し、クルマをより前のめりな感じに見せるため、短い3本の柱を添えて空洞を設けた。ここは少しだけ今風を取り入れた部分だ。
そして、変更したホイールは知る人ぞ知る「レオンハルト」の初期モデル『リッター』。VIPの原点と言えるディッシュデザインは、今のスタイルにも違和感なくハマっている。

横フィンにしたかったと言うより、メッキを増やしたくてレクサス・GS450hグリルに変更。
エアロはもともと後期用なのですんなり付いた。リップはシルバーで塗り分け。色の効果で車高を低く見せる。

 

外装はサイドのメッキモール下部をはじめ、部分的にツヤ消し黒で塗り分け。
同系色でさり気なくメリハリを付ける。トランクスポイラーはワンオフのフルカーボン。しかし上部をボディ同色で塗り、カーボンの主張はわずかに留める。ちょっとワルっぽさが欲しく、テールエンドは切りっぱなし風の84φデュアルに。

 

「リムガードのちょい上」辺りで合わせた、エアサスならではと言えるパツパツのツライチ。フェンダーは美しいアーチを作るため、内装のドア内張りまでカットする。キャンバーは「これ以上だと下品に見えるから」と、前後11度で揃えた。

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内装は徹底的に張り替え
しかしドアはあえて開けない

内装は質感が高い、ワインレッドとベージュのエクセーヌ生地で総張り替え。渋いエクステリアに合わせ、アダルトなカラーをセレクトした。
内装の張り替えは、三重県の「スプレンダー」が担当。シートにはゴージャスなダイヤキルトをあしらい、プレミアムな空間に仕立てた。ベージュは純正の内装色に合わせ、アクセント的に使用。ネックパッドもワンオフし、オデッセイ時代からお世話になっている「ゴマガレージ」のロゴを入れる。

ダッシュボードもエクセーヌで張り替え。パネルはもともとウッドだったが、「ワインに合うと思ったから」光沢感のあるピアノブラックでペイント。天井もワインのエクセーヌ張り。センターにダイヤキルトのラインを通す。スカッフプレートまで抜かりない。
乗り降りする際に汚れが付きやすい部分だが、非常にキレイ。センターコンソールのフタに、「ゴマガレージ」と「スプレンダー」の刺しゅう。ステッチカラーはゴールドを使う。

内装をやっているとイベントでドアを開けてアピールしたくなるが、渡辺クンは一度会場に並べたら絶対に開けない。ウインドウすら下げないのだ。
「黒いボディによる、この『塊感』を見て欲しいからドアは開けない。あくまでもメインは外装です」。
「最初の仕様が完成してから2〜3年が経った今も、『カッコいい』と言ってもらえるのは嬉しい。そういう声は、イベントに出さないと聞くことはできないですからね。自分のクルマが、どう評価されるか試したい。だから僕は、イベントに行くんです」。

渡辺紳矢(A型・製造業)

塊感を重視してトランクオーディオもやらない。「もし作ってもトランクは開けないと思う」。イベントで見かけたら、今の仕様に対するコメントが欲しいとか。
「辛口でもいいので、率直な意見を聞かせてください!(笑)」。

レクサスGS350(平成18年式)

●エアロ:(F/S/R)JOBデザイン加工 ワンオフカーボン仕様 ●フェンダー:ブリスターフェンダー(F)5cm(R)8cm アーチ上げ(F)6cm(R)10cm ●グリル:19GS450h後期用 ●ヘッドライト:インナーグリーン ●フォグランプ:ブレーン ●ボディカラー:オリジナルゴマブラック ●ホイール:レオンハルト・リッター 20inch(F)10Jマイナス32(R)11.5Jマイナス70 ●タイヤ:ナンカン(F)245/30-20(R)275/30-20 ●足まわり:イデアルD2エア ●アーム:(F)ナギサオートアッパーアーム、キャンバーアダプター(R)ナギサオートアッパーアーム、トーコンロッド ●キャンバー角:(F・R)11度 ●ブレーキ:イデアル(F)8pot/380φ(R)6pot/356φ ●マフラー:ゴマガレージワンオフ84φ4本出し ●外装その他:IS F風フェンダーダクト、ベンツダクト入りボンネット ●室内:エクセーヌ張り替え(シート・ステアリング・ダッシュボード・ドア内張り・天井・ピラー・フロア)、パネル類ピアノブラック

VIP STYLE 2017年8月号 ¥650
交通タイムス社

(レポート:VIPスタイル編集部)

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