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万が一の大破か全損を避ける「鹿との衝突」を防ぐためのロードキル対策ユニット

嫌う周波数を発生して万が一に備える
「鹿除けキット」がまもなく発売

「ロードキル」という言葉をご存じだろうか。なにやら物騒な言葉が入っているのでピンとくる人も多いと思うが、これは道路上でクルマと野生動物が衝突して動物が死亡する事故のこと。
主にタヌキや鳥類など小型の動物が犠牲になることが多いが、最近、増えているのが「鹿」との衝突。とくに冬のシーズンに増える傾向があり、今年の北海道や東北では深刻な問題となっている。鹿と言えば奈良の公園にいる人なつこい動物というイメージもあるが、野生の鹿は警戒心も強く本来はクルマが多く走る道路に出てくることはない。ところが鹿とのロードキルが増えているというのは不思議な話でもあるが、その理由のひとつと考えられているのが、「冬期に道路の凍結防止に撒かれる塩化カルシウムを舐めに来る」こと。自然界にはない鉄分などを簡単に摂取できるので、それを覚えた鹿が道路に出てくるということなのだ。
しかもいわゆる飛び出しとは違い、明確な目的を持っているので出てくる回数は増えるし、クルマがいるだけでは意外と逃げない。そのため冬に鹿のロードキルが増えるというのである。

さて、その鹿とのロードキルが多く発生している山梨県河口湖町では、鹿とのロードキル対策としてある装置が開発され、実験段階でしっかりした成果を発揮している。
それがここで紹介する『ロードキル対策ユニット』というもの。開発したのは河口湖町に本社があるクルマの電子系パーツの開発、販売など手がける「T.M.WORKS」。代表を務める轟さんは、地域を盛り上げるための活動にも積極的に参加している地元LOVEな人でもある。

そんな轟さんだけにロードキル問題は以前から気にしていた。実際に知り合いがロードキルを起こすこともあったし、鹿との衝突ともなると相手は大型なので平均的に50万円~60万円の修理が必要な大破級の損害に。さらに、オスの成獣が相手だと身体が大型なのに加えて立派な角もあるのでルーフまでダメージが及び廃車コースになることもあると言う。そうなると乗員も無傷とはいかないかもしれない。
また、衝突した鹿が道路に横たわることで後続のクルマがそこに衝突するという二次被害の可能性もありえる。

そこで轟さんは畑などの獣除けに使われている高周波発生装置を「クルマに付けることはできないか」と考え、2017年の春頃から開発。
その間、鹿以外の動物に対しても効果があるかを試したが動物ごとに反応する周波数は違うようで、このモデルでは鹿を重視した設定になっているという。そして、ついに最終試作品が2017年の年末に完成した。

 

見た目はシンプルだが内部には制御用基板や高周波を出すスピーカーを複数装備。出力を大きくすることは可能だが、効率的な範囲内にとどめているという。これは今後、『ロードキル対策ユニット』を付けるクルマが増えたと仮定した場合、大きな音を頻繁に聞かされることで鹿が音慣れすることを防ぐためで、50~70mくらいに抑えられている。

なお、開発時の調査でわかったのが北海道の鉄道の状況。ここも鹿との衝突事故が多いのだが、鹿が軌道内に進入する理由はレールについた鉄粉を舐めに来るのが目的で、それを追い払うために行っていたのが警笛のなかに高周波を混ぜているというハナシ。ロードキルの状況と一致するのであった。

 

そんなロードキル抑制装置だが実際に夜の道路でテストをした結果は上々。クルマが近づくだけでは逃げなかった鹿が、高周波を出すと驚いて道路外へ走って逃げていく。この様子を収めた映像とロードキル対策ユニット試作品は、2018年の1月に幕張メッセで開催される「東京オートサロン」のT.M.WORKSブースで展示予定。
気なる発売時期はまだ未定とのことだが、そう遠くないうちに発売されるはずだ。

なお、ロードキル対策ユニットは山梨県内のTV局にも取材されたが自動車ディーラーを含めかなりの反響があるという。
興味のある人は東京オートサロンのT.M.WORKSブースでロードキル抑制装置の実物をチェックして欲しい。

 

T.M.WORKS TEL0552-72-0546
http://tmworks-web.jp

 

(レポート:深田昌之)

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