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【STI名車列伝その5】スバルのカリスマ辰巳英治氏が手がけた「LEGACY STI」とは?

彼自身が初めて手がけた限定車は
走りの質が大きく変わったモデルだった

「tS」の前身モデルにあたる「Tuned by STI」レガシィは大好評につき2005年、2006年に続いて2007年の8月にも第3弾をリリース。「フレキシブルタワーバー」が初めて装着され、STI車の走りの質が大きく変わったモデルとなった。

 

「神ポイント」

●フレキシブルタワーバー初装着の記念モデル
●STI限定車の人気を加速させた辰己チューン
●第3弾なのに400万円超えでも短期間で完売

基本的なモディファイの内容は従来型に準じるが、タイヤ幅を225に拡大し、さらに初めてエンジン制御に専用チューンが加えられたモデルである。

 

クルマ作りの常識を疑うことで新境地を開いた辰己さんの挑戦

今回も4代目『スバル・レガシィ』に設定された「Tuned by STI」を紹介するが、最後の第3弾は飽きられるどころかさらに高い人気を博して名車となる。大きなポイントは「富士重工業」から「STI」に移籍したばかりの辰己英治さんが初めて開発をまとめた限定車ということと、画期的な理論でスバル車の乗り味の質を変えた”フレキシブルタワーバー”が初めて世に出たモデルであるということだ。
辰己さんは4代目『スバル・レガシィ(BP/BL型)』のビッグマイナーチェンジまで「富士重工業」でベース車の開発に携わり、D型移行時に「クルマ作りの教科書を疑う」ことを取り入れる。

ベース車は第2弾までと同じく2.0GT spec.B。ワゴンとセダン、MTとATが選べた設定も前作から継承。価格は413.7万円。

そのひとつがボディ剛性。一般的にボディ剛性は改良されると常に高められる方向で進化するが、部分によってはあえて剛性を落とすことも効果的との考えを実践。ある方向からの力に対しては突っ張らずにいなして路面からの入力を処理するフレキシブルタワーバー理論を確かなものとするべく、「STI」に移籍してすぐに新しい考え方で仕上げたボディと組み合わせ、それまでになかった上質感のある乗り味を実現した。

フレキシブルタワーバーも今年8月で10周年。累計生産数は年内に10万本を超える見込み。スバルの独創的な補剛アイテムの象徴だ

「剛性を落とすことは大変な勇気が必要。それまで信じてきたことを否定するわけだから。でも、それに挑戦したおかげで新境地が開けましたね」と辰己さんは語る。
あれから10年経った今、辰己さんが開発をまとめることはなくなったが、フレキシブルタワーバーは乗り味改善の必須アイテムとして定着。STI限定車のブランド力も揺るぎないものとなった。

 

「STI偉人列伝⑤」元STI車両実験部長辰己英治さん

独自の理論と情熱でスバルの乗り味を磨く

長年にわたりスバル車の乗り味を欧州の競合車に負けないレベルへ引き上げることに情熱を燃やし、独自の理論を確立。屋根を切り落としたヴィヴィオでレースカーを作るなどその手法は大胆にして繊細。現在はSTIモータースポーツプロジェクト室長としてスーパーGTの総監督などを務め、包括的にスバル車の走りをまとめている。

 

[リポート:マリオ高野]

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